黄昏交差点:あとがき

 今回の作品の大きなテーマとして天使と女神シリーズから一度離れたかったのがあります。それと大人のラブ・ロマンスも書いてみたかった。処女作に近い天使と女神の時に一度書きましたが、原点に戻るぐらいの気持ちかもしれません。

 モチーフに使ったのは自分の青い淡い初恋の経験談。モデルも場所設定もかなり忠実に描写させて頂いています。もちろん現実はもっともっと淡いお話ですが、そこは小説ですから膨らませてはいます。

 現実はその時に消えてなくなっているのですが、作品ではそれぞれに結婚したその後に舞台設定を置いています。これま当初はアラフィフぐらいにする構想でしたが、それじゃ色気に乏しいのとラストのお話の関係でアラフォーにしています。

 アラフォーにした関係でポケベルの話の時代設定に無理が生じているのですが、そこは目を瞑っています。勤務医ライフの描写での私のトラウマみたいなものでスマホなりに変えたくなかったぐらいです。

 話としては再婚話です。それぞれが夢を描いて結婚したものの、それぞれの理由でこれが破れ、もう一度をギリギリのタイミングで目指す話ぐらいです。そこら辺がアラフィフよりアラフォーにした理由でもあります。

 濡れ場は張り切り過ぎた部分もありますが、初婚時代も含めて登場人物の逃れられない過去として描かせて頂いています。基本設定は、夢破れた結婚のやり直しを目指すですが、初恋時代には戻りたくとも戻れないぐらいの翳になるぐらいです。

 こういう話の興味の焦点は誰が結ばれるかですが、これを最後の最後まで伏せさせるのは無理ですね。大ドンデン返しにしたくてしょうがないのですが、それならそれで伏線が必要になります。それでも天使と女神よりは哀愁感が盛り込めたと自負しています。