時をかける少女

 シックス・センスは名作って聞いたことがありましたが、

 なるほどと思った次第で、そういうオチにしたのかです。似た映画でパッセンジャーズもあり、 評価としてはシックス・センスが上で良さそうで、パッセンジャーズは二番煎じの評がありましたが、初見であれば、きっとドンデン返しに感嘆した気がします。


 機会があれば上の2作品は見てみたいのですが、関連がありそうでなさそうな映画を突然思い出しました。原田知世バージョンの時をかける少女です。挿入曲の中でとくに印象的だったのが時の子守唄。恥ずかしながらたまたまYouTubeで拾って題名がわかりました。

 リメイクも行われて有名なストーリーですが、ざっとだけ紹介しておけばタイム・トラベルものです。他のタイム・トラベルものとの大きな違いは、タイム・マシーンによる時間移動ではなく、薬品によるのが特徴の気がします。

 未来から来た少年が、元の時代に戻れなくなり、高校生に化けて時間移動のための薬品を作るのが話の背景です。ヒロインはアクシデントでその薬品を吸い込み、タイム・トラベル能力を身に着けてしまい、それによる混乱が映画のハイライトぐらいでしょうか。

 印象的なシーンが多いので名作とされていますが、未来からの少年はヒロインの幼馴染みの記憶を利用して世界に入り込んでいます。幼馴染みとヒロインは数々のエピソードで本来は魅かれ合ってるはずですが、それを結果として未来からの少年は横取りしてしまう事になります。

 これはヒロインがタイム・トラベル能力を一時的に獲得してしまったのを助けるためとなっていますが、ヒロインは未来の少年に恋してしまうのです。

 やがて時が来て未来の少年は住むべき時代に戻ります。その時に自分がいた記憶をすべて消し去ります。定番の未来が過去に干渉してはならないがあるで良いと思います。

 ところがヒロインは記憶を消されながら、自分が本当に愛する人がいるはずの想いだけ残ってしまいます。未来の少年がこの時代を再訪するのがラスト・シーンです。

 その時には本来は結ばれるはずであった幼馴染みとの関係はまったく進行せず、ヒロインは誰にも恋をしない女性に変わってしまっています。さらに未来の少年に出会っても気づきません。

 これをヒロインが真実の愛を知ってしまったからとしていますが、引いて見ると未来の少年が来たばっかりにヒロインの人生をグシャグシャにしてしまったと見えてしかたありません。そう誰も幸せになっていないとしか思えないのです。

 その辺の余情のたなびき方が名作たるゆえんでしょうが、この歳になると複雑な思いがあれこれ渦巻いてしまいました。