長編小説とはどれぐらいからを示すかですが、日本では原稿用紙300枚以上が一つの目安だそうです。この辺は今でも原稿用紙と格闘されておられる小説家がどれほどおられるか疑問のところがあります。そのためか懸賞サイトでは10万字以上ぐらいの条件になっているのだと思っています。
もちろんこれは長編小説の定義と言うだけで、5巻とか10巻以上のものもあり、グイン・サーガのように130巻まで行っても未完のまま作者死亡で終わっているのもあります。
マンガとなると長編が基本の気がします。文庫本1巻とマンガ1巻を同じ土俵で比べるのに無理がある意見もあるでしょうが、10巻程度は当たり前で50巻ぐらいの作品がゴロゴロしている世界です。
ただ小説とマンガでは長編でも少し違うところがあると思っています。例外もありますが小説は長編でも一つの物語として完結しているというか、完結するように構成されています。単純にはラストに向かって話が収束していきます。
マンガも基本はそうのはずですが、必ずしもそうなっていない作品の方が多い気がしています。これはマンガのシステムに起因していると考えています。マンガは、
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雑誌連載マンガ → 単行本
このためにマンガ家は最初の契約でいかに人気を集めるかに腐心することになります。ここで切られたら終わるからです。なんとか契約更新に成功したら話を先に先にと伸ばす形になります。いつまで伸ばすかと言えば、それこそ人気が続く限りとしても良いかと思います。
スポーツ系のマンガがわかりやすくて、中学大会から高校大会、さらに世界大会みたいに伸ばしていく格好は良くあります。ただこの伸ばすが長編マンガの弱点にしばしばなっていると思っています。
連載の終了は人気の低下ですが、これはイコールでマンガの質の低下も意味します。それこそ伸ばしに伸ばした挙句に荒唐無稽の度が過ぎたり、迷走の果てに支離滅裂状態になったりです。そう、いかに全盛期はもてはやされても、終わるころには評価が低下し読む人も減ってるぐらいです。
そうなるのをわかっていても、人気連載にしがみつくのはマンガの特性の気もしています。人気がある限り出版社にとってはドル箱ですし、マンガ家も安定した収入が期待できるからだと見ています。そういう中で人気絶頂の時点で、惜しまれながら連載が終了できる作品は幸せの気がしています。