怪鳥騒動記:あとがき

 この作品で目指したのはシノブの結婚です。前の時に「つい」失恋にしてしまったので、どうでもこの辺りで結婚させないと年齢がドンドン進んでしまいます。そうなると二度目の恋が必要になるのですが、ここにも前回のツケが回って来ます。

 恋するには出会いが必要なのですが、とにもかくにもシノブは大会社の専務。気楽に合コンとかに出せませんし、社内恋愛もハードルが高すぎます。そうなると偶然の出会いが無難ですが、バーの手は前回やってしまったしで、案外の難問になりました。

 出会った後も問題で、三角関係も前の時に使ってますし、男二人の三角関係も考えましたが、これもシノブのキャラではどうにもやりにくいと言ったところです。あれやこれやと自縄自縛状態で困り果て、割り切って、惚れたからには一直線路線にしました。でもそうなると一冊分の物語が紡げません。

 そうなるともっと大きなテーマの中での一模様的なものにせざるを得なくなります。そんなものがお手軽に出てきたら誰も苦労しないのですが、ここでまた開き直りました。それだったら超弩級のものにしてやろうと。

 あっと驚く怪獣物にしたのですが、書いてみると案外手間がかかりました。そう、どうやって怪獣を説明するかです。特撮物なら突然出現して、むやみやたらに地球防衛軍が攻撃して、最後にウルトラマンが処理してくれるのですが、単発ではそうはいきません。

 怪獣の由来と成立まで考えないといけないのです。これがわからないと出現した怪獣の退治が出来ないからです。さらにですが、定番の通常兵器が通用しないの設定も必要ですが、通用しない通常兵器で退治するロジックも考えないといけません。

 怪獣の出現自体がSFですが、シリーズが長いのでSFの設定も作ってあります。そうエランのお話。ここにオンブに抱っこでなんとか話にオチをつけています。ついでにユッキーの方もリニューアルです。