次回作の紹介

 紹介文としては、

 メキシコに怪鳥が出現。当初は存在さえ疑われますが、実在の可能性が徐々に高まりシノブも情報収集に務めます。そんな調査の時に出会ったのが鳥類研究家の平山博士。二人は魅かれあいますが、ついに怪鳥はメキシコで仕事中のアカネの前に姿を現します。


 怪鳥は現地調査に当たっていた平山博士の恩師である山科教授を襲っただけでなく、メキシコを恐怖のどん底に陥れます。怪鳥はメキシコ軍の攻撃を物ともせず、NORADまで襲いブラジルに移動します。そんな怪鳥の最大の脅威は人類の食糧を食い尽くすこと。


 日本でも対策会議が開かれますが、山科教授亡き後第一人者となった平山博士は政府の対策会議で東京で引っ張り凧になります。さらに有効な対策が見つからず政府は平山博士をブラジルに派遣しようとします。


 これを聞いたシノブは平山博士の身を護るために重大な決断をします。また人類滅亡の危機にユッキーもコトリも立ち上がります。最後にユッキーが編み出した秘策とは。

 小説と映像は扱う分野が異なるところがあると思っています。小説が苦手なのはやはり動きがあるもの。スポーツ小説なんかが典型的と思っています。スポーツ小説にも名作と呼ばれるものがありますが、クライマックスが映像とは異なります。

 映像なら試合なりのシーンがクライマックスですが、小説では決戦に到るまでの過程や心理描写が中心にならざるを得ません。文字ではどう頑張っても限界がありますからね。

 怪獣も小説にするのが難しい分野と思っています。そりゃ、映像に現れる怪獣の存在感を文字にするのは容易なものではありません。だったら書かなきゃ良いようなものですが、書いてしまったのがこの作品です。

 怪獣映画にはいくつかポイントがありまして、まず怪獣が現れる必然性です。つまりどこから出て来たかです。理由もなく突然現れるってパターンもありますが、映像では可能でも小説なら工夫が求められるところです。

 次にどんな怪獣にするかです。たとえば物を食うのか、食わないかも考えどころです。怪獣と言えども生物ですから、どこかから栄養補給が必要と設定するのか、そんなものを無視するのかです。

 知能の問題も出てきます。本能に従ってただ暴れ回るのか、高度な知能を持つのかです。知能を持つ怪獣と言われてもピンと来ないかもしれませんが、たとえばウルトラセブンのメガロン成人とか、ガッツ成人を思い浮かべてもらえたらと思います。

 それと怪獣退治の方法です。登場させたからには退治しないといけません。ここもお決まりですが、人類の通常兵器では歯が立たない設定も必要になります。ですから、あっと驚く新兵器を登場させるか、ライバルが現れてくれて相打ちにするのかぐらいは必要です。

 映像なら適当に流せる部分が小説には求められるぐらいでしょうか。わかっていたつもりでしたが、書くと大変な代物でした。それでもシノブのロマンスも上手い具合に入れられて個人的には満足しています。

怪鳥騒動記