次回作の紹介

 今度の作品は渋茶のアカネの続編になります。紹介文は、

 シオリがサトルと結婚。これを見たコトリは幕末の頃を思い出します。一方でオフィスではマドカに課題が与えられます。課題の克服に苦悩するマドカには誰にも明かせない秘密があり、それがマドカの前に立ち塞がります。さらに、その秘密がコトリの幕末時代の話に結びついていき・・・謎が謎を呼ぶ展開の末に、不思議の国に連れ込まれていたマドカに救いの道は開かれるのか。シリーズ史上でもっとも複雑な設定と展開となる問題作です。

 この作品は去年のクリスマスぐらいに着手して、正月休みに一旦は書き上げています。書き上げはしたのですが、おもしろくないのでボツにしています。ストーリー的にはマドカの出生の秘密に関わるミステリー仕立てだったのですが、まとまりが悪く、話の広がりが気に入らなかったぐらいです。

 そこでその次の作品用に考えていたコトリが主役の回想物を書きかけたのです。幕末のコトリの思い出に関わる出来事が現在の事件と結びつき、これが女神の仕事になるぐらいです。それを書いている途中に現在の事件をボツにしたマドカの話を結びつけようと気が変わったぐらいでしょうか。

 これまでこのシリーズはミサキの入社日を紀元とする年表管理をしていましたが、幕末のコトリのエピソードと結びつけるために、ミサキ紀元と西暦の照合作業が必要になり往生しました。

 それとヒロインになるマドカですが、もとの設定はアカネの対偶ぐらいの位置づけで、ステレオタイプの秀才型のお嬢様ぐらいだったのですが、謎の味付けのために、これでもかのアレンジを加えてみました。これはコトリの幕末のエピソードと結びつけるために捻くり出したのですが、何度も収拾がつかなくなりそうなのをアロンアルファで引っ付けたぐらいの代物です。

 これはこれで良く出来たと自負はしていますが、とにかく時間がかかり、通常の作品の二倍ぐらいかかっています。お楽しみ頂ければ幸いです。

不思議の国のマドカ

 もう一つ。このシリーズの主要登場人物であるシオリのモチーフにさせて頂いた旧友が急逝されました。小学校からの同級生で訃報を聞いた瞬間に茫然とするしかありませんでした。作品の中で生かし続けることがせめてもの供養とさせて頂きます。