クソ魔王のやり方は女がエクスタシーに達した瞬間を狙うのやけど、ひょっとしたら、そこにカギがあるんやないかと最初は考えてん。そやから、毎日必死こいてマスターベーションに励んだ時期もあったぐらい。もちろんこれは、あくまでも軍事研究のためだよ。
でも無駄やった。あの瞬間を自分で冷静に観察するんは無理やったんよ。それと、よく考えたら、たとえこの方法で成功しても魔王攻撃の前にマスかかなアカンのは変やし、イヤやんか。それも果てるまでやで。たとえ上手くいきそうでも、実戦では絶対に使いたくないから断固として中止にした。
方針転換して、体の中のエネルギーの効率利用のコントロールをあれこれやってみたの。今まで考えた事もなかってんけど、外に自在に力が使えるようになると、体内のエネルギーコントロールも出来ることがわかってんよ。ここが突破口やった。体内のエネルギーコントロールが出来ると、体内の好きな場所にエネルギーを集中できるようになってきてん。
結構どころやない集中力がいるんやけど、とりあえず手に集めてみた。そこからが日数かかってんけど、極度に高めたら噴出しそうな感じに段々なってきてん。でも、これを部屋でやるとやばそうな感じがプンプンしてた。庭でも拙そうやったから、やっぱり演習場でやることにした。
演習場の隅っこで極度に集中力を高めたら、どういうたらエエんやろ。ちょうど出来物がプチンと潰れる感じで、一挙にエネルギーが噴出したんよ。
-
『ドッカーン』
これがコトリの最初に放った一撃やった。そうそう一撃の名前の由来やけど、あれ一発撃つと、次は撃てるもんじゃなかったのよ。一発しか撃てへんから一撃ってところ。最初の時なんて結局ぶっ倒れて演習場が大騒ぎになってもてん。大慌てで施療院に担ぎ込まれて、気が付いた時には三座の女神が、
-
「次座の女神様、いったいどうやったらこんな事になってしまわれるのですか」
とくに女神の場合は自分でやってわかったんやけど、集中したところにエネルギーも集まる傾向があるねん。考えることに集中したら頭にエネルギーが集まるし、手仕事に集中したら手に集まってくる感じと言えば良いのかな。だったらエクスタシーに達する時はアソコにエネルギーが集まっているはずだって。それをあの汚らわしいチンポコ経由で吸い取りやがるんだ。
よくまあ、そんないやらしいことを考えつくんだって思いっきり軽蔑したわ。それにいくら軍事研究のためとはいえ、マスかきまくったのに赤面してしもた。あれも全部クソエロ魔王が残部悪い。コトリはマスかくより、ちゃんとやるのが好きなのよ。それなのに、それなのに、研究のためにマスかいたから・・・コンチクショウ覚えてやがれ、
-
「海の藻屑に変えてやる」
一撃の二発目を試してみたのは、一か月後になったわ。一発目の時は全力を入れ過ぎてエライ目にあったから、その辺のコントロールを意識してやったら、まあまあの出来やった。そこで四座の女神に来てもらったの。だって一撃って一発しか撃てへんし、撃てばフラフラになっちゃうじゃない。だから、もう一人ぐらい撃てるのがいた方が嬉しいじゃない。ユッキーに教えようと思ったけど、前の大喧嘩からロクすっぽ口利いてないし。
夜にコトリの家に来てもらって、やり方のコツをレクチャーしたの。体内エネルギーのコントロールをまず覚えてもらって、次の段階の任意のところに集中させる段階に入れたわ。庭でやってたのだけど、
-
「とにかく手に思いっきり集中させてごらん」
-
「この辺で今夜はオシマイにしよう」
-
『ドッカーン』
-
「次座の女神様。四座の女神様に何をなされたのですか」
-
「コトリ、何やってるの! コトリだけじゃなく四座の女神まであんな状態にしてしまって。今は非常体制なのよ。四座の女神にもやってもらわなければならないことがヤマほどあるのに。どうしてくれるのよ」
-
「それって役に立つの? だって撃ったらあのザマじゃない」
「そこは辛いところだけど、威力はあるで」
「でも神に効果はホントにあるの?」
「やってへんからわからへん」
-
「わたしもそんな感じはあるけど、あくまでも感じだけだし」
「でも神相手にテストできへんやんか」
「そこなのよね。たとえ効果があるとしても、エロ魔王に効くかどうかは未知数よ」
-
「最後の手段ぐらいの価値はあるか・・・」
「でしょ、でしょ、一番のメリットはクソ魔王に触れずに使える点よ」
「その価値は認めるわ。とにかくエロ魔王は・・・」
-
「コトリ、ちょっと来てくれる」
-
「さっき言ってたの、こんな感じかなぁ」
-
「これを最大出力でやる感じでイイのかな」
「ちょっとユッキー、前から出来たの?」
「ううん、コトリの話を聞いてたら、こんな感じだと思ったから」
-
「コトリ、その一撃だけど、もう練習もしないでね。そろそろシャウスの道は突破されそうなの」