女神伝説第2部:あとがき

 今回のテーマは長編が書いてみたいというのがありました。長編と言っても前後編の二冊分ぐらいですが、実際に書いてみると結構なボリュームでした。ボリュームとは字数もそうなんですが、一定間隔で山場が必要で、それをつなぐ稜線を考えるのと、全体が一つの山にする必要があるのでなかなかの作業でした。

 話的には『天使のコトリ』の完全な続編で、天使伝説をさらに女神伝説にグレードアップさせています。今回もファンタジー的な要素を盛り込むつもりでしたが、どうにも苦手のようで、どちらかというとサスペンス的要素が山場となっています。

 それと今流行の超能力的な要素も盛り込んでみました。根拠不明の不思議な力が駆使出るってやつです。これについては出身不明かつ荒唐無稽の女神にしてますから、何を繰り出しても良いようなものですが、超能力もやり過ぎると話が支離滅裂になりますから、定番の制限を付けています。

 とりあえずライバルの武神を設定し、武神の方が強いことにしています。武神に女神が勝つには一発逆転の必殺技が必要になるのですが、この必殺技にあれこれと制限を加えています。これぐらいで釣り合いが取れるぐらいになったんじゃないかと思っています。武神との対決シーンも、最初はシリアスな描写にして、とくに魔王戦は二回戦ぐらい行うつもりでしたが、それじゃあ、あまりにも平凡な展開なので、ああいう仕上がりにしました。そっちの方を期待した読者には申し訳ありません。

 今回の作品で個人的に頑張ったのはミサキです。毎回のようにナレーター役を作ろうとしては、いつもヒロインに格上げしてしまうのですが、なんとか脇役のナレーター役に押しとどめる事が出来たと思っています。その代りといってはなんですが、キャラ的には個性が薄味になってしまいましたが、それなりの味付けということでご了承ください。言い訳すれば、コトリをかなりぶっ飛んだ天然キャラにした味付けした対偶に、常識人のミサキがナレーター役として配置されてる感じです。ミサキがツッコミで、コトリがボケみたいな役どころと言い換えても良いかもしれません。

 次回作は今回の作品の続きにする蓋然性がムチャクチャ高いのですが、年齢が徐々に上がっている点が問題になってきそうです。今回の二年後ぐらいの設定でもコトリが四十五歳、シノブが三十五歳、ミサキだって三十歳になってしまいます。これをどうするかが次の課題かもしれません。