ミサキの方が先に退院になりましたが、コトリ部長も復帰され、久しぶりにクレイエールに三女神がそろいました。敵もわかったし、これからの戦いに身が引き締まる思いです。なんと言っても相手はアングマールの魔王です。ただなんですが、コトリ部長の決闘シーンの話から、どうしても魔王というか痴漢とか変質者をイメージしてしまうのが難点です。
ラ・ボーテの夏商戦はこれまでのキレがありませんでした。クレイエール事業部、営業部の奮闘もあって、久しぶりに優勢になり、綾瀬副社長の眉間の皺も少し浅くなった気がします。これについてコトリ部長は、
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「あれだけ食らわしたんやから、クソ魔王も夏には立ち直れるもんかいな。問題は秋商戦やろな」
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「気が乗らへんな。またお説教するつもりやろ。こういう時はユッキーの怒りが静まるまで時間を置いた方がイイんよ」
「時間って、どれぐらいですか」
「とりあえず十年ぐらい」
「十年って、どれだけ!」
「今回はそうもいかへんけど」
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「知恵の女神、なにがあった」
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「とりあえず礼言うとくは」
「それはわかったが、何があったのじゃ」
「そんな怖い声ださんでもイイやんか。エレギオンの時じゃあるまいに」
「知恵の女神!」
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「今は知恵の女神よりコトリって呼んでほしいかな」
「ではコトリ、なにがあった」
「クソ魔王とやりあった」
「コトリ一人でか・・・どうしてそんな無茶をやるのじゃ。助かったから良いようなものの、下手すれば死んでおったぞ」
「生き残ったからイイやんか。だいたいやでユッキー、コトリ一人でやらなしゃ〜あらへんやんか。偉そうな声でお出まししてるけど、今のユッキーはカズ君ところで隠居中みたいなもんで、役立たずやんか」
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「それでも無茶な」
「無茶、無茶言うけど、何年ぶりやと思てるのよ。今のクソ魔王がどうなってかを知るには戦うのが一番やろ。どうせ今のユッキーじゃクソ魔王に会いもできへんし」
「コトリはいっつも、いっつも、こんな無茶ばっかり、あの時も、あの時も・・・・」
「ユッキーは口癖のように慎重にっていうけど、待ってたってラチ開かへんかったもあったやんか、あの時も、あの時も・・・」
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「ホンマに相性が悪い」
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「ちょっとよろしいでしょうか」
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「なに?」
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「いくつか教えて頂きたいのですかアングマールの魔王の存在について、お二人の見解は」
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「不倶戴天の仇敵」
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「なんですって、ま、魔王がコトリのオッパイを。それも服の上からとはいえ鷲掴だって! ゆ、ゆ、許せない。あのエロ親父め、調子に乗って付けあがりやがって、あんなエロ親父に・・・コトリ、それで、おめおめ生きて帰って来たと言うの」
「おめおめは言い過ぎよ。渾身の一撃をキンタマに直撃で食らわしたんだから」
「それでこそ知恵の女神」
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「不倶戴天の仇敵の理由はよくわかりましたが、具体的にはどうするおつもりですか」
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「今度会ったら宇宙の塵に変えてやる」
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「そろそろ時間だわ」
「そうね、これ以上やるとカズ君を誤魔化せなくなるし」
「わたしが出る必要ある?」
「あったら呼ぶ」
「じゃあ、任せたわよ」
「ほんじゃね」
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「コトリ部長、首座の女神とは魔王対策の作戦会議になりませんでしたね」
「あら、そう。珍しく実りある会議だったわよ」
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「だって、魔王対策はコトリに一任って決まったし、方針は魔王の抹殺だし、必要があればユッキーも駆けつけてくれるってなったじゃないの。とくに最後のは重要で、カズ君から出てでも魔王退治にユッキーは協力するってなったんだよ。これ以上、なにか必要?」
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「でもコトリ部長だけで勝てるのですか?」
「前にやった感じなら、まともに行っても勝てへんな」
「では首座の女神の援軍を」
「いらんやろ、たぶんやけど。あんなクソ魔王のエロ・ジジイ程度を退治するのにユッキーまで必要とは思えへん、ただ・・・」
「ただどうされたのですが」
「どうにもクソ魔王のエロ・ジジイは呼ぶには長すぎるから、エロ魔王のクソ・ジジイにしたろかと思て」