これも気になる瀕死の重傷負わされた舞子公園の決闘の様子ですが、
-
「懇親会のコトリ部長の顔色が悪かったのは、やはり魔王への恐怖ですか」
「まあ、それもゼロとは言わへんけど、九九・九九%は生理的な嫌悪感。またクソ魔王とやりあわなアカンと思うと吐き気が止まらかった」
-
「言葉を変えられたのは?」
「あははは、ミサキちゃんに小汚い罵りあいを聞かせたくなかっただけよ。ただ今回は嵌められた。ついつい挑発に乗ってもたんや。これも後から言い訳しとけば、シノブちゃんだって、あの頃みたいな一発を撃てるわけやないし、ユッキーだってカズ君の中にいるやんか。コトリ一人でケリつけなしゃ〜ないと思てもたんや」
-
「クソ魔王と対峙してまず『しもた』と思たんは、タイマンでやるのは無理があったんよ。いやな、宿ってるのが原口社長やから舐めとってん。いくら男でもジジイやから、むしろ有利やと予想しとったぐらい」
「やはり魔王の力はそれほど・・・」
「そやねん。全身からエロ・パワー剥き出しやねんよ。思い出しただけで蕁麻疹が出そうや」
-
「コトリの武器は例の一撃やし、あれの問題は、外れたらオシマイの点やねん。それにやな、前の時みたいに言いやがるのよね。小憎たらしそうに、助平そうにニタニタしやがりながら、
-
『知恵の女神。いくら頑張っても当たらんよ』
とにかく当たらんことには話にならんから、確実に当てる作戦が必要なのよ。それとコトリが不利なのは組み合ったら不利もあるけど、クソ魔王のエロ・ジジイと組み合たくないのよね。誰だってあんなエロ・ジジイと組みたいなんて思うもんか」
-
「そしたらクソ魔王の奴、いきなり組み付いてくるのよ。ホンマに昔から変わらんけど助平根性丸出しのエロ・ジジイと思たわ」
-
「ほいでも組み合った瞬間にわかってもたんよ。やっぱりまともにやったら勝てんて。そこで考えたんよ」
「なにを考えたのですか?」
「とりあえずエロ・ジジイを振り払おうって」
-
「なんとか振り払ったんやけど、あのクソ魔王のエロ・ジジイは何度でも迫ってくるのよね。ホンマ、どこまで底なしの助平エロ・ジジイなのよ。振り払っても、振り払っても、ニタニタと助平エロエロ顔でだよ。気色悪いったらありゃしない。その時にパッと思い出したの」
-
「なにをですか」
-
「うちの副社長時代にもセクハラ野郎で嫌がれていたって。コトリもやられかけたことあるからね。あのクソ魔王はエロ・ジジイを選んでエロ・パワーを増幅させるのよ」
-
「なんとか振り払い続けたけど、組み合っている間に確実に消耗させられるんよ。そうそう組み合ういうても、ユッキーとの時みたいに離れて組み合うのもあるけど。より効果が強いのは直接組み合う事やねん。クソ魔王は直接組むのが昔から好きやねん、ホンマに信じられんぐらいのエロ・ジジイやで」
-
「離れている時はともかく、直接組み合ってる時はどうやって振り払ったのですか?」
「キンタマ蹴ったった」
-
「キンタマ蹴飛ばしてなんとか振り払ったけど、その時にコトリの怒りに火が着いたのよ」
-
「あのクソ魔王のエロ・ジジイ、直接組んだ時にコトリのオッパイとお尻を触ったんや。服の上からやけどな。その時にコトリの怒りは頂点に達したんや」
-
「あのクソ魔王のエロ・ジジイの野郎、コトリを弱らせといて、触りまくって、いやらしい事をやりまくった挙句にレイプする気マンマンなのがミエミエなのよ。そんなことさせるものかと闘志に火が着いたと言い換えても良いかもしれへん」
-
「そこで、新たな必殺技で勝負に出ることにしたんや」
「作戦を思いついたのですね」
「そうや、クソ魔王のエロ・ジジイの目的がコトリに、いやらしい事をしまくってからのレイプやったら、それを逆手に取ったれってな」
-
「そこで一発撃ったった」
「当たったのですか」
「うん、外れてもて松の木が折れた。公園の木は小枝を折っても良くないのに、幹ごと折ってもたから、バレたらタダじゃすまへんと、すっごく心配になった」
-
「コトリの力がガクンと落ちて、そこにクソ魔王が襲ってきやがったの。人の弱みに付け込むやなんて、頭の中がエロしかないクソ魔王にしか出来へん所業と思うやろ」
-
「それだけやないで、クソ魔王の奴、コトリを押し倒したのよ。もう助平ジジイの本性剥きだしやで」
-
「その時にクソ魔王と視線が合ってしもたんや」
-
「どんな目をしてました」
「そんなもん決まってるやろ、一点の曇りもない変質者の目や」
-
「エロ・パワーにグイグイ消耗させられていくのが良くわかったんや」
「そのままじゃ」
「そうなのよ、必殺技を出すだけの余裕さえなかったの。その時なの」
-
「なんとか体を捻って逃げようとしたコトリを・・・」
-
「どうなったのですか」
「あのクソ魔王のエロ・ジジイが調子に乗ってコトリのオッパイを鷲掴みにしやがったのよ。服越しでもこのコトリのオッパイをよ。絶対にこのエロ・ジジイをぶち殺してやると殺意がメラメラと燃え上がって来たのよ」
-
「残っていたすべてのパワーをかき集めて、死ぬ気でもう一発撃ったってん。密着状態やから直撃よ、キンタマからズドンと入ったわ。あんなもん避けられるかいな。ほいでも近すぎてコトリもタダでは済まへんかってん。あんな痛いもんと初めて知ったわ。死ぬかと思た」
-
「仕留めたんですか」
「いいや、それなりに傷を負わせたと思うけど、致命傷には程遠いわ。当たったとはいえ、無理やり出した二発目やし、パワーもかなり弱かったからな。それでもキンタマ直撃は効果あったで、クソ魔王のエロ・ジジイの野郎、悶絶して泡吹いてぶっ倒れよった」
-
「あれでクソ魔王のエロ・ジジイのアレは当分使い物にならんやろ。二度と使えんかもしれん。ザマァ見ろやわ。そんでも、この、このコトリのオッパイを鷲掴みにした代償としては全然足りんけど」
「で、どうなったんですが」
「そこまで見えたけど気絶した」
さらに近すぎると被害が自分にも及ぶため、ある程度の距離が必要で、密着状態からの一撃も戦術的にはあり得ないぐらいでしょうか。現実に弱り切ったところでコトリ部長が放った密着状態からの一撃は、コトリ部長にも瀕死の重傷を負わせています。
二つの常識の裏を掻かれた魔王は手痛い一撃を喰らい、あと一歩まで追い詰めていたコトリ部長のトドメをさせなかったぐらいのようです。こうやって冷静に分析しようと思うのですが、生死を賭けた決闘のシーンのイメージが描きにくくて難儀します。
-
「あの決闘の勝負の分かれ目は、クソ魔王がエロ・ジジイの本性を剥きだしやったところやろな」
「どういうところですか?」
「コトリの一発が外れて勝ったと思たんやろな。後はコトリのパワーを絞り尽くしてトドメを刺せばエエものを、助平ジジイの本性が出て、焦ってコトリのオッパイ揉むのを優先にしてもたんや」
-
「それだけやないで、その次に生乳揉んで、パンティ脱がしての段取りしかクソ魔王のエロ・ジジイの頭の中になかったはずや。それにしても今から思ても腹が立つ、あの勝負の瀬戸際でもエロ攻撃しやがって、今度会った時には宇宙の塵にして消滅させたんねん」
結果を見るとギリギリどころか限界を超えた攻防戦が行われたのはわかりましたが、どうもコトリ部長の話を聞いてると緊迫感に欠けてしまいます。どうしたって痴漢に襲われて撃退した話に思えて仕方がないのです。ただ決闘の内容がいかに凄まじかったのは、コトリ部長の女神が生死をあれだけさまよったことでよくわかります。
-
「でも参ったな。今さら思い出したんやけど、前にユッキーとコトリでモロの直撃弾二発喰らわせても甦ってるやんか。松の木折ってもた最初の一撃が当たっていてもトドメは刺せんかったやろな」
-
「それでもクソ魔王に密着状態からの一撃があるのを教え込んどいたから、次から直接組んでこおへんやろ。それよりキンタマが潰れてくれとったら、もう死ぬまでアレできへんやろし。これでエロ攻撃は防いだも同然。これだけでも成果は十分あった。あれさえ防げれば策はいくらでも立てられる」
-
「ところでコトリ部長は知恵の女神ですよね」
「そう呼ばれてた」
「知恵の女神なら、もっと慎重に策を練られて準備してから戦いに臨まれると思ったのですが」
「ああそれ、そういうのはユッキーが得意。コトリはデタトコ勝負のギリギリで知恵が湧いてくる感じ。動きながら考えるタイプかな」