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「マルコ、ミサキのことを愛してくれてる」
「当たり前じゃないか、ミサ〜キはボクの太陽、ボクの女神、ボクの天使、ボクのすべて、地球のすべて、宇宙のすべてだよ」
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「ホントにありがとうマルコ、感謝してる」
「ミサ〜キ、感謝なんていらないよ。ミサ〜キはボクのフィアンセで、もうすぐボクの奥さんになるんだから。ボクがミサ〜キを世界一幸せにしてみせる」
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「マルコ、良く聞いて。もしかしたら、もうすぐマルコが愛するミサキじゃなくなるかもしれないの。その時には、その時には、その時には・・・・」
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「今夜のミサ〜キはおかしいぞ。ミサ〜キがミサ〜キじゃなくるってどういうことなんだ。ミサ〜キは永遠にボクのミサ〜キだ。その時にどうなるって言うんだ」
コトリ部長だってそうです。会社を辞められ、誰にも知られないところに行ってしまわれるおつもりです。首座の女神に敗れても報告するって言ってたけど、あれはウソです。そのまま姿を消すつもりなんです。あのコトリ部長のことですから、その準備も万端整えておられるはずです。
そうなった時にお二人の記憶はどうなんるんだろう。全部は消されないと思うけど、エレギオンの女神に関する記憶は再び封印されてしまうと思います。首座の女神が、お二人から女神を取り上げるなら、これはセットのはずです。もちろんミサキもそうなります。
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「どうしたんだミサ〜キ、なにか気に障る事を言ったのなら謝るよ、ミサ〜キには涙は似合わない、笑顔のミサ〜キが大好きなんだ」
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「マルコ、ミサキは首座の女神に会いに行くわ。会ったら何が起るか予想がつかないの。殺されたりはしないけど、マルコが愛してくれた、女神を宿すミサキでなくなってしまうかもしれないの。でもお世話になったコトリ部長やシノブ部長と一緒に行きたいの。マルコ、何も言わずに行かせて」
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「ミサ〜キ、ボクの家にも古い古い伝承があるんだ。ひい爺さんが死ぬ前になぜかボクだけに教えてくれたんだが、エレギオンはかつて女神を守りきれず、これを見殺しにしたって。もし再びエレギオンに女神が再来したならば必ず守らなければならないって。どういう意味かと聞いてもひい爺さんも答えてくれなかった。ただ、この言葉はボクが伝えなければならない人が現われない限り、誰にも伝えるなと」
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「ミサ〜キ、首座の女神に会うのはいつ」
「来週の日曜日」
「それまでに渡したいものがあるのと、たとえ女神を宿さなくなっても必ずボクの下に帰って来るって約束してくれ」
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「約束する」
マルコの気迫は部屋にいても工房内全体に伝わり、弟子たちは呼吸一つするのさえ、細心の注意を払うぐらいでした。そんなマルコが部屋から出て来たのは金曜日。髪はボサボサで、無精ひげもボウボウ、頬はこけていましたが、目だけは爛々と輝いていました。
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「ミサ〜キ、左手を出しておくれ」
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「ボクが持つすべての力を使って作った。この指輪は持ち主を守る力があると信じられている。また作った者の想いが発揮されるとも言われている」
「これをミサキに」
「前にミサキにエレギオンに伝統技術はないと答えたけど、伝承技術ならあるんだ。これはひい爺さんから、あの言葉と共に伝えられたものだ。これがミサ〜キにボクがやってあげられるすべてだ。必ず帰ってきておくれ」
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「必ずマルコのところに帰ってくる」