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「カズ坊、今日はちょっとしたサプライズしたるわ」
「今日のリハのメニューは終ったで、もう堪忍してぇな。これ以上はさすがにキッツイわ」
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「わぁ〜ん、生きてる」
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「ユッキー、ボクがどうなったっていうたん」
「いや、その・・・」
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「良かった、良かった、本当に良かった、生きてさえいればイイの。後は任せといて、寝たきりでも一生面倒私が見るから。絶対私が見るから安心して、もう大丈夫だから」
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「だって木村さんが意識不明の状態で生死の境をさまよってて、その後も・・・」
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「どうして私を真っ先に呼ばないのよ。あんたはいっつもいっつもそうなんだから。他人にばっかり気を使って、どうしてこんな時ぐらい自分に気を使ってもらわないのよ」
「いや、事故直後は意識不明だったし・・・」
「一週間だけやない。もう何か月経ってると思ってるのよ」
「シオも忙しいやろし・・・」
「それがどうしたって言うのよ、仕事なんか、仕事なんか・・・」
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「次の時は連絡するって約束するから」
「次、次だって、次があったら私は許さないからね。こんだけ心配させやがって。次があったらぶち殺してやる」
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「毎日来るからね」
シオの号泣とバリ怒りの波状攻撃は消灯時間まで延々と続きました。いやこの日だけでなくまるまる一週間です。正直なところシオの波状攻撃の方が怖くて、辛いはずのリハビリの時間が楽しく感じたぐらいです。こんなサプライズは体に良くないよ。ユッキー、お前は友達やろ、頼むからなんとかしてくれ。なんでシオが面会の時に顔出してくれへんのや、お前がいればシオも少しは落ち着くやろ。頼む、頼むから助けてくれ。