第3部を書いてました

とりあえず1冊分が書き終わったのですが、終わってしまうとチト寂しくなり後日談的な話を書いてました。今度は歴史編を外して純ラブ・ロマンス。そんなに長いのにする予定はなかったのですが、書いているうちにドンドン膨らんで結構なものになりました。それでも200ページ余り程度ですから短いのですが、第1部・第2部より違う意味で楽しめました。

書いていて実感したことは、登場人物は作者の願望の投影であるということです。登場人物には実在のモチーフがあるにはあるのですが、モデファイしていくうちに完全に別の人物になり自分が溺れこむように愛おしく感じてしまいました。たぶん横で見ていたら笑われると思うのですが、作中人物のちょっと悲しいシーンを書いていると涙がハラハラ零れるんです。歳ですから涙腺が弱くなってるだけかもしれませんが、なんとなく小説を書くにはこれぐらい没入する精神作業が必要なんじゃないかと。

もちろんすべての小説家がそうであるとは思いませんが、ある程度そうならないと書けない気がするのです。少なくとも私はそうです。題材がラブ・ロマンスですから、自分がこういう女性を理想とし、こういう恋を理想としていた気が今はしています。意識の下にあった願望が書き進めるうちに文章になってしまったぐらいの感じでしょうか。そういう意味では恥しい作品なのですが、一方では書いていて前作以上に楽しかったのは間違いありません。

内容的には設定の基本は前作を引き継いでいるのですが、どっちかというとスピンオフに近い内容になっています。前作を知っていた方が使われているエピソードがわかりやすいと思いますが、知らなくても話として成立するぐらいです。一つのプランとして、第1部・第2部を100ページぐらいに圧縮して合体させれば一つの作品になるんじゃないかと思っていますが、まだそこまでは手が回っていません。

そうそう草稿段階で一部を読んでもらって感想をもらったのですが、今どきではなくて自分たちの世代のロマンスだとの指摘がありました。そうなんでしょうが、今どきの恋なんて知りようがありませんから、その点はあきらめています。人は自分の経験を越えることは出来ないってところです。とくに恋愛ではそんな感じがしています。

気が向けば近いうちに公開します。