桜咲く

ふと気が付くと通勤途中の桜が咲いていました。そろそろ咲く頃と思っていたのですが、一昨日は雨の通勤でそんなものを見る余裕がなく、昨日は気が付かず、今朝になって「あっ、咲いてる」って気が付いた次第です。これだったら花見のピークは来週末ぐらいかな。いや来週末ならピークを少し過ぎているかもしれません。新学期が再来週ですから神戸では桜舞い散る入学式になるかもしれません。

初めて桜を見たのなんて記憶の彼方ですが、たぶん祖父母宅の桜が初めてじゃないかと思っています。幼少の頃に何年か住んでまして、庭に結構立派な桜が植わってました。この桜は古い古い当時からの旧友も覚えています。ただ惜しいかな数年前についに寿命となったそうです。たぶんソメイヨシノのはずですから、幼少期から立派だったのでそれもやむなしなのかもしれません。ちょっと寂しい気分になりました。

祖父母宅の隣は旧の高校跡でそこにも立派な桜があります。いや立派だったはずなんですが、何年か前に訪れた時に「これだけだったっけ」と感じた事があります。私の記憶が美化されている可能性もありますが、やはり寿命で減ったのかもしれません。そこにかつて高校があったのを覚えているのは私ぐらいの世代が最後ですから、ここもまた減っていったのかもしれません。ソメイヨシノの寿命はそんなに長くないそうですからねぇ。


今から思い起こしてもクラシックな花見はあんまりやった記憶はありません。クラシックとは桜の下にシートを広げて食べ物や飲み物を持ち込んでの宴会花見です。もちろんゼロではないのですが、毎年定番みたいなものでなく、たいていは桜だけ見てました。その代わり「桜を見に行こう」の誘い言葉であちこちは出かけていました。桜の名所は全国各地にあるのですが、近畿も名所の多いところです。神戸なら夙川沿いが地元でも有名です。ただ立派ですが物凄かった。

河川敷にビッシリと言う感じでシートが敷き詰められ、その間を行列のように人が歩く感じです。お蔭で濛々と砂埃が舞い立ち「こりゃ、かなわん」と思った次第です。とは言うものの静かな花見が絶対好きかと言われると必ずしもそうとは言えないのが複雑なところです。これも何年か前に花見に行った時に、売店からソースの焦げる匂いが漂い、ご丁寧な事に演歌風のBGMが流されているのを見て旧友と「これこそ花見やなぁ」とうなづきあった記憶があるからです。その辺が花見の面白いところで、高尚過ぎるのも花見とは言いにくい感覚がどこかにあるのかもしれません。

花見の形態の一つに夜桜見物があります。夜桜とは言葉はロマンチックなのですが、行った感想はとにかく寒かったです。クラシックな花見の方で、シートを敷いてのスタイルでしたが、桜の季節の夜はまだ暖かいと言えないところがあります。やたらとビールが出たのですが、飲んでも飲んでも余計に冷える感じでちと閉口しました。ありゃ、さっと見て、それから料理屋で一杯飲む方が良かった気がしています。


説明するまでもないですが桜はせいぜい10日ぐらいで花見の旬は過ぎてしまいます。週末をアテにしているとお天気次第で散ってしまいます。それぐらい儚いものですが、それでも桜は見たい心情があると思っています。チト歳を意識する年齢にさしかかっていますから、後何回見れるだろうの気持ちが強くなっています。20回ぐらいは元気で見たいですが、こればっかりは寿命との相談になります。とりあえず今年は元気ですから見に行こうと思っています。お天気に恵まれますように。