1.17がまた巡ってきた

東日本大震災で一段と影が薄くなってしまいましたが阪神淡路大震災の日です。なんだかんだと言われても、阪神淡路大震災の被災者にとっては忘れられない日です。そのため今日だけは当ブログでもこの震災関連の話題を扱ってきました。全国的にはマイナーになってしまった話題ですが、さすが地元紙は大きく取り上げています。つか地元紙が取り上げなかったら、どこも取り上げないと言うところです。

阪神大震災東日本大震災はなにかと比較されますが、私が思うところでは東日本大震災被災者及び被災地の未来を暗示している部分はあるとは考えています。そっくり同じにはなりませんが、似るところは似るだろうの見方です。地元紙記事程度の情報ですが、覚えている範囲で少し考えてみます。とりあえず、あれから19年経って住民の8割が入れ替わったなんてデータが出ていました。たぶんこれはあくまでも住民票上のお話で、市内の転居も含まれているでしょうし、死亡者、逆に誕生者もいるでしょうから、19年も経てばそんなものかと言えば、そんなものの気はします。生死亡者だけで3割ぐらいは入れ替わっても不思議とは言えないと考えています。

これも他都市との比較が本来必要で、そんなデータだけではなんとも言いにくいのですが、仮に住民の転出入が高率であるとすれば、なにが言えるだろうかです。それだけ神戸に流入した人々が多いと言いかえる事は可能かと思います。流入した理由も様々でしょうが、嫌々流れ込んだ住民はそうは多くないと思いますから、神戸でなんらかの生活基盤を築ける算段で流入したかと思っています。そういう人々が震災からの復旧の原動力の一つにもなったと考えられない事もありません。言い方はドライすぎますが、震災で没落した者は去らざるを得なくなり、その代わりに他所から活力のある人間に置き換わった部分が確実にあるだろうぐらいです。

深刻な被害を受けた被災者の救済はミクロ面で重要ですが、都市の復旧としてのマクロ面ではそういう現象も必要なんじゃないかです。そういう現象が東日本大震災では果たして起こり得るだろうかの懸念は持っています。もちろん大都市と言っても良い神戸と、東日本大震災の被災地は単純比較できませんが、漠然と心配しています。


神戸は外から訪問されても震災の傷跡を探すのも難しいと思います。ただ傷跡は確実に残っています。神戸でも震災前から活気を失いつつあった地域と、そうでない地域がありました。震災後、そうでない地域は比較的復旧は順調だったと思います。逆に活気を失いつつあった地域は、活気低下の10年分か20年分ぐらい時計の針を一気に進めてしまった感じがします。もっともっと時間をかけながら緩やかに衰えるべきところを、急激な変化として訪れてしまったとでも言えば良いでしょうか。被災後に歯を食縛って再建に努められた地元資本はどちらの地域にも多数ありますが、活気を失いつつあった地域での再建はまさに茨の道であったようです。これは「あった」の過去形ではなく今なお続く道の様子が窺えます。

これも東日本大震災の復旧の将来への懸念として抱いています。私が懸念してもどうしようもないのですが、阪神大震災頃に比べても日本全体の活気は明らかに低下しています。東日本大震災の復旧条件はさらに厳しいだろうの率直な感想です。なんと言うか、3年経っても放射能による風評被害が続くと言うか、いまなお活発にデマを飛ばす活動家、陰謀家がゴマンとおられ、さらにその賛同者が国会議員を当選させてしまうほどおられるのですから、そういう面でも厳しすぎるところぐらいの感想ぐらいでしょうか。

大震災クラスの復旧となると行政府の役割は大きいのですが、震災後の自治体財政はどこも火の車に陥っています。そりゃ、税金を取り立てる人が少なくなる一方で、復旧のための支出は待ったなしで訪れます。そのために神戸市も、兵庫県も延々たる緊縮財政を続けています。同様の事が東日本大震災の被災県や自治体に訪れのは確実です。神戸に転入してきた人が、神戸の公共サービスは何かと高いと洩らされる事がしばしばありますが、苦笑しながら「震災以来、神戸市は貧乏ですから・・・」と答えています。19年経ってまだそんな影響が残っているとは意外なようです。しかし現実はそんなものと言うことです。それ以前に震災自体を知らない人も増えましたねぇ。


今日は取り留めのないお話になってしまいました。なんというか19年は私にとっても長い、長い歳月でした。そりゃ震災の年に生まれた子供が高校を卒業するぐらいの歳月だからです。今でも防災の話が時々出てきますが、本音で言うと防災以前に

    1回経験させてもらえば、十分でっしゃろ
19年前はタマタマ直接の被害は軽微で済みましたが、次はどうなるかの保証はどこにもありません。即死だってありえますし、生き残っても自らは半死半生、家族は全滅、診療所は崩壊もしくは全焼なんて事も十分にあり得る訳です。この歳であの経験をもう1回するのは堪忍してほしいと、ひたすら祈っています。