クリスマス・イブ

うちの子どもの高卒後の進路が早目ですが決まりました。だからどうしたと言われそうですが、色々ありまして人生をドロップしそうな時期が何年も続いていたので、個人的には今年最大のビッグニュースです。詳しくは書けないのですが、ある種のクリスマス・プレゼントみたいなものと感じています。そこから力業で進路のお話を雑談風に少しやってみます。

親として子が幸せになって欲しいのは無条件の前提ですが、進路に悩まされる年代になっています。これも大原則は決まっていまして、

    進みたい道を歩ませる
これも親が「そこなら」なんてところを希望してくれて、すんなり進学・就職してくれたら良いのですが、そうは問屋が卸してくれないことは多々あります。そもそもになるのですが、子どもが進路について明瞭な意思を必ずしも持っていない事の方が多い気がします。私は「たまたま」医師を志望(この選択の是非は長くなるので今日はあえて置かせて頂きます)したので進路だけは明瞭でしたが、どっちかと言うと医学部なんて例外的なところで、もっと原初的なところで悩んでいる人の方が多い気がします。
    何になるために、どこに進もう?
これが現実的には多数派の気がしています。高校進学まではそれでも比較的話はシンプルで、どこを目指すにせよランクの高い高校に進学しておいた方が有利だろうぐらいで済みます。そのうち自分の進路が見えてくるんじゃないかぐらいです。ほいじゃ、高校に進学すれば進路が定まるかと言えば、延々と悩み続けることになります。高校によってシステムが違うので一概には言えませんが、保留にしていた進路を大雑把にでも決める時期が嫌でもやって来ます。理系に進むか、文系に進むかです。この決定は嫌でも下さなければなりません。旧友からの聞き取り調査に基づくものなので「n」は片手ほどしかありませんが、文系・理系の決定要素は
  1. 得意科目
  2. 苦手科目
これの順列組合せが多かった気がします。旧友の学力の質がそろってアレなもので、得意科目と言っても「比較的」の但し書きがつくのは明記しておきます。極端なのになると、文系志望だが、文系コースの文系科目は難しいので理系に来たなんて訳のわからん奴もいました。そりゃ理系の文系科目は比較的でもラクでしょうが、その代わり理系科目はハードなのを「忘れていた」と言ってましたっけ(追試の常連で四苦八苦されていました)。そういうアホウな選択ミスはくれぐれもしないようにアドバイスしておきます。

それはともかく、順列組合せで進路を選ぶのはそれなりに理由はあります。たいした理由ではありませんが、

    その科目が得意ということは、その科目が重視される進路が自分に向いているのだろう
これも本当に得意科目を順列組合せで選んだのならともかく、苦手科目を忌避した結果がそうであるみたいな連中も少なからずいました。それこそ「数学は見たくない」「物理なんて触れたくもない」てな世界です。それでもってとにもかくにも文系コースと理系コースに分かれ、その時点で選択しなかった方のコースが進路から漸く除外される感じです。さて、その次は文系・理系の中でどこに進むかです。言ったら悪いですが、卒業後の就職まで視野に入れた選択をできる者はまたまた少なかった気がしています。優等生グループはともかく、中位から下位にいる連中は、
    行きたいところより、行けるところ
さすがになんとなくの進路希望はあっても「浪人は可能な限り避けたい」の基準で選択し、なおかつ大学卒業後の進路にできるだけフリーハンドを持てるところが選ばれます。私及び私の旧友の経験は30年以上前のお話ですが、我が子を見ていると実質はあんまり変わらない気がしています。ついでに言えば大学卒業後の進路も
    入りたい会社より、入れる会社
就職浪人は実際のところ百害あって一利無しですから、大学進学以上に現実に妥協しやすくなるぐらいでしょうか。そういう進路選択は30年以上前でも批判はありました。「自分が本当に行きたいところを目指すべきである」の建前論です。ここからさらに論理が進んで
    若者ならリスクを冒すべし
この後に御丁寧に自分の体験談が付いているのもあります。ただなんですがリスクを冒すというのは成功する者もいれば、失敗する者もいると言うことです。失敗のリスクをそうは簡単に冒せるものではないと思っています。そこのところの見切りを誰だって普通はするだろうです。それ以前にとくに進学校と言われるところでは、歴然たる学力差を嫌でも実感します。それを無視してチャレンジの時だけリスクを冒すのは単なる無謀です。



さてなんですが、高校卒業から30年以上経って実感している事ですが、

    人生は波瀾万丈、しょせんは塞翁が馬
一流大学から一流企業に就職した者もいます。人も羨むエリート・コースですが、この歳になるとかつての羽振りを保っている人間は少なくなっています。それこそ倒産もありますし、吸収合併でいきなり日陰の身に落ちぶれたりもあります。業種のトレンドもあり、就職時には花形であっても30年も経てば斜陽に苦しんでいるところもあります。また会社自体は健在であっても、出世競争に敗れ、子会社への出向とか、早期退職の肩たたきにビクビクしているものもいます。もちろん逆もまた多々ありです。そりゃそうで、30年後の未来なんて誰にも予想できないからです。適性・適職は30年以上前からあれこれ言われていますが、最終的には行ってみないとわからないです。高校レベルでもそうですが、大学なんかなおさらで、ましてや社会人になってからは、
    実際に働いてみて初めて自分の適性がわかる
経験する前に予測するのは無理ですし、ましてや就職した会社・業種の命運なんて手の届くものではないと言ったところでしょうか。



今日のお話は一般論風に仕立てましたが、別に一般論でもなんでもなくて我が子へのクリスマス・メッセージです。面と向かって話せば煙たがられますからここに書くだけけにしておきます。私のブログなんて我が子が直接読むことはないでしょうが、巡り巡っていつの日か読む事があればそれでヨシです。長い間、本当に長い間、つまづいていましたが回り道の末「人生は波瀾万丈、しょせんは塞翁が馬」が期待できるところまで戻ってきました。これからの人生に幸あれと願う親バカのエントリーでした。でもって心の底から「メリー・クリスマス」と贈らせて頂きます。