これは難解と思いました

軽い話題です。11/18付TABROIDより、

話は岩手県の条例改正のお話のようです。検討されているのはカメラによる盗撮です。それも、えっとスカートの中を盗撮する類のもののようです。岩手県の資料として、岩手県資料には、

 現行条例において、盗撮を禁止していますが、条文が「着衣で覆われている他人の下着等を撮影し、」となっていることから、撮影したこと(盗撮画像が確認できること)が取締りの要件となっています。

 そのため、犯人がカメラ等を女性のスカート内に差し入れたものの、シャッターを押す直前に被害者等に気付かれて撮影に至らなかった場合、また、シャッターが押されたとしても、被害者等に気付かれて犯人が慌てて画像を消去した場合などは、盗撮画像が確認できないことから、現行条例では取り締まることができません。

 近年、スマートフォン等のシャッター音を無音化するアプリケーションが悪用されるなど、盗撮の脅威は以前にも増して身近なものとなってきています。

 このような現状を踏まえ、カメラ等を着衣で覆われた下着等に向けて差し出す行為自体を禁止行為として規制し、盗撮画像の有無に拘らず、卑劣な盗撮行為を取り締まることができるよう改正するものです。

TABROID(旧毎日ではありません)が注目したのは、

    カメラ等を着衣で覆われた下着等に向けて差し出す行為自体を禁止行為として規制し、盗撮画像の有無に拘らず、卑劣な盗撮行為を取り締まることができるよう改正するものです
この部分を読んだ記者の解釈として

「差し出す行為自体を禁止行為として規制」。つまり、女性に向けてスマホを向けたら、即アウトです。いや、もしかしたら、男性だって訴えることができるかもしれません。人間に向けたら、アウトでしょうか。

そう読みたくなる気持ちは良く判りました。サラッと読んだらそう受け取っても捻りすぎとは必ずしも思えないからです。私も某所でこの記事の紹介を受けた時にそう思ったからです。岩手県資料にはもう1ヵ所解説らしいものがあり、

本条例は、人が着衣を着けた状態において、着衣で覆われている下着や身体の一部等の盗撮を禁止しているものです。

でもあくまでも「たぶん」ですが、違う気がします。非常に難解なのは

    着衣で覆われている下着や身体の一部等
ここを服の上から「下着や身体の一部等」を撮影するのを禁止すると受け取るのではなく、服の下の「下着や身体の一部等」を撮影するのを禁止するとするべきだろうです。平たく言えば、
    スカートの中にカメラを差し込んで盗撮する
こういう行為を撮影の証拠の有無に関らず取り締まろうじゃなかろうかです。撮影がなくとも差し込んだ時点でアウトにしようの条例改正を検討しているぐらいの見方です。それが正しい読み方だと思うのですが、非常に難解だと思います。つか、読み間違えそうな人が多そうな代物だと思います。条文と言うか法律文は専門家以外にとっては判じ物としか思えない代物が多いのですが、岩手県資料は条文そのものを掲載している訳ではないと思っています。

読んでもらえれば判るように、県民への条例改正の解説文と言うか、アピール文の体裁を取っています。そうであれば難解な条文案のキモを誰でも判りやすく、ましてや誤解少なく、可能な限り平易な表現で言い換える補足を付けるべきじゃないかと思います。本来は条文も可能な限りそうあるべきだと思っていますが、それはさておいても、解説文ぐらいはもっとマシな表現を使えないものだろうかです。まさか、

    着衣で覆われている下着や身体の一部等
これが服の上からでも「下着や身体の一部等」を撮影するのを禁止する趣旨とか、条例制定後に拡大解釈するための布石を考えた、凝ったと言うか、トンデモな意図を含ませているのでしょうか。


まあ、重箱的な軽い話題でしたが、えらく凝った表現の割りには穴の多い表現で、私ぐらいでもふっと思いついたのは、スカートの下が「下着や身体の一部等」でなかったらどうするつもりなのであろうです。スカートの下が必ず下着と考えているのは狭い了見で、こういう盗撮のターゲットにしばしばなる女子中高生は、とくに寒い季節にはジャージのズボンを着込んでいる事はしばしばあります。それも寒いのでスカートで隠れるギリギリまで伸ばしていたりします。

盗撮者がスカートに差し込んで撮影してみたら、映っているのは「下着」でもなく「身体の一部等」でもなくジャージになります。こういう場合はどうなるかです。今回の条例改正はその撮影しようとする行為だけで罰するとしていますから、警察官はスカートの下が本当に下着とか身体の一部等である事を確認するのでしょうか。確認した上で、ジャージだったら無罪放免になるのでしょうか。とりあえず罰則については岩手県資料に、

現行条例においては、卑わいな行為やつきまとい行為等は、「30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」となっていますが、多くの都道府県では「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっています。

なお、常習となると、本県は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですが、他の都道府県の多くは、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となっています。

なかなか重い罰則なので、そこのところも御検討ヨロシクです。