食べものと飲み物

有名人はお気の毒なんですが、まず騒動を引き起した6/14付J-CAST記事(大元はサイゾーだそうです)、

これについてのタツヤカワゴエの料理天国の釈明記事です。単なる感想ですが、最近テレビで有名になってきた料理人の、過去のネット上の発言を蒸し返されて嵌められたぐらいにしか読めませんでした。いわゆる「有名税」なんでしょうが、この料理人が有名税を払ってまで有名人になる価値はなんだろうと小一時間ほど気にぐらいはなりました。でもテレビに出て有名人になりたいんでしょうねぇ。その辺は個人の嗜好ですから、「そんなもんだ」ぐらいにしか言えないで終っています。


これを枕に食べものと飲み物の取り合わせを少し考えてみます。これは案外考えていると思っています。安直にコンビニで食事を済ませる時にも、お握りを買えば私なら日本茶を買います。サンドイッチなら紅茶かなってところです。日本茶でもサンドイッチは食べられるかもしれませんが、甘い紅茶でお握りは辛いだろうぐらいの取り合わせは考えます。お握りと紅茶を並立させたかったら、あくまでも食後の口直しに紅茶を飲むぐらいの感じです。

これはそれなりの飲食店で夕食となっても変わりません。私は難儀な事に、酒は好きなんですがそれほどビールが好きではないがあります。もちろんビールも飲むのですが、食事のお供にビールだけで済ませるのが出来ない方の人間です。店にもよりますが「とりあえずビール」は飲んでも、その次は他の酒にしたい方ぐらいです。ですから宴席は苦手と言うのがあります。ビールばっかり注がれてチトうんざりってところです。

フレンチ(だけじゃないかな?)にソムリエって職業があります。あれも若い頃は何をやっている人かよく判らなかったのは白状しておきます。背伸びしてソムリエがいるような店に行っても、料理とワインなりの取り合わせを考えるより、お酒と財布の取り合わせの方に気を取られていたからです。ですから、注文したワインを運ぶ係ぐらいにしか思ってませんでした。

ソムリエの本来の役割はそうでなくて、その日にオーダーした料理に合うお酒を相談する係だそうです。相談する内容としては、その日の料理との基本的な取り合わせ、その上で自分の嗜好、さらには懐具合を相談して、ベターマッチなお酒を選んでもらうぐらいと言えば良いでしょうか。ソムリエと言う職業が成立するぐらいですから、欧米のレストランでお酒を注文する時にはソムリエとの相談が大きな比重をきっと占めるんだろうと想像しています。行った事無いからあくまでも想像ですけどね。


ソムリエがいるような格式の高い店は今でもあんまり縁がないのですが、出てくる料理にどんなお酒が合うかを大将なりマスターなりに相談する事ぐらいはあります。和食に日本酒ぐらいの取り合わせなら、合う合わないの差は割りと小さいように思っていますが、洋食にワインとなると私でも差はあるように思っています。合う時はともかく合わない時はチト辛い時はあります。

ワインに関しては好きな割りに知識が乏しく、料理に合ったワインを的確に勧めてくれる店はポイントが高くなります。もちろんお値段も気にはなりますが、何回か行っていると予想の範囲に収まる事はわかりますから、安心してお任せできます。ま、一見からボッタクルような店は二度と行かないだけのお話ですから、自然にそうなるぐらいのところです。


話はドンドン飛びますが、最近ちょっと気になるのは和食にワインを合わせようとする店が多いことです。これも基本的に和食とワインを合わせるのは相性として難しいと思っています。ワインと和食も合う時はありますが、日本酒より合う組み合わせはそんなには多くない感触を持っています。それでも合う時は良いのですが、ハズレの時は相当辛い感じです。そうそう出てくる料理に合わせてすべてお酒を取り替えるわけにもいかない時があるからです。

ですから無理に和食にワインを取り合わせなくても良い気がしていますが、面白い意見がありました。合う合わないの次元とは別に、ワインだって和食に取り込もうとする和食の自由な精神が素晴らしいです。合わなさそうだから拒否するでなくて、取り込めそうなら取り込もうとする垣根の無さを評価すべきだの考え方です。これは聞かされて感銘しました。和食はそんなに不自由なものではないってところでしょうか。


それでもなんですが、和食とワインの取り合わせは難しそうに思っています。アラアラに原因を考えると、日本人とまで言わなくとも、少なくとも私にはワインの味はかなり個性が強い感じです。和食は基本的に素材の味を活かす事に重点が置かれます。良い素材ほどできるだけ「そのまま」で食べるのをヨシとする部分はありそうに思っています。料理の見えない部分の工夫はともかく食べる時にはそう感じると言うか、感じさせるのが和食と思っています。

ぶっちゃけた話、味が淡いです。日本酒でさえあんまり味が濃いと料理の味を殺している気がすると感じる事があるぐらいですから、ワインなら尚更の感じです。なんと言うか、ワインごとに合わせられる料理の幅がかなり狭い感じです。ですからその日の料理に合わせてワインを選んでくれるような店ならともかく、メニューで無造作に選ばせる店はあんまり評価していません。

この先でワインが和食に取り込まれてしまう事もあるかもしれませんが、現時点では適当に選んだのではミスマッチの確率がまだまだ高い研究分野みたいなところです。そこそこの値段のワインを選べば、日本酒のようにそこそこはどれでも合ってくれるみたいにはいかないぐらいのところでしょうか。


とかなんとか言いながら、和食にワインを取り合わせようとしている店に近いうちにチャレンジしてみるつもりです。最初は気が乗らなかったのですが、考え様によっては今までにない取り合わせですから、新しい味の世界が広がるかもしれないと思い直したからです。アタリであれば個人的なリストアップ店になりますし、ハズレなら二度と行かないだけです。さあて、どっちになる事やら。