診療所のディスプレイからの雑談

診療所のお話です。うちの診療所は玄関脇に小さな小さなディスプレイ・スペースがあります。実態はタダの窓なんですが、少し細工してあるぐらいです。開業前のプランでは、ここに飾りつけをしてチョットしたアピールでもやろうと考えた訳です。しかし今から思えば愛想もクソもない診療時間でも書いたものを置いとけば良かったと反省しています。

つうのも、実際にやろうと思えば実に大変だったと言う事です。元がタダの窓なもので、とにかく横幅が広く、たたみ一畳以上あります。縦も同じぐらいです。そいでもって幅が狭い。たしか20cmぐらいしかない上に2段になっています。これが腰窓なので、子供に見えるようにするには、狭い床に物を並べても見栄えがせず、高い立体構造が必要です。少しは細工してあるので、縦は全部使う必要は無く、半分程度に飾り付ければ良いのですが、それでも余裕で1mぐらいは越えます。

開業1年目はヒマが売るほどあったので私がシコシコ作りましたが、幅が狭いところに高い立体物を作ると言うのは猛烈に難儀させられました。とりあえず背景だけでも大変で、キャンバスサイズで80号ぐらいは必要です。背景を作り、床にジオラマ風のものを作りましたが、当時は本当に資金に余裕が無かったので手作り感が溢れすぎる不細工なものになった次第です。

それでも貧相なりに作りはしたのですが、同じものは飽きが来ます。2回ほど模様替え(小さな手直し)をしましたが、正直なところ音を上げ、アウトソーシングをする事にしました。2年目は1年目よりマシとは言え資金繰りはまだまだ苦しい時代だったので、売れないアートをやっている旧友に旧友サービス価格で定期的に模様替えをやってもらったです。

ところがこの旧友がほんの少しですが急に売れてしまって、うちの仕事は打ち切りにしたいとの申し出がありました。長年、安い制作費で手伝ってもらっていただけに申し出を受けざるを得なくなり、祝福して了解したのですが、ディスプレイは残ります。とりあえず最後の置き土産に巨大な背景画を無理言って描いてもらったのですが、それだけではチト寂しいです。



そこで開業時には資金面で無理だったディスプレイ案の復活を思いついたわけです。これも「思いついた」は言い過ぎで、実現の可能性をググってみたぐらいのところです。遥かなる10年前に考えていた構想は遊園地風のジオラマを作りたいです。遊園地といえば象徴はまず観覧車になります。これも10年前に模型店で箱だけ見ながらよう買わなかったものがあります。とりあえずあれが今でもあるのか、ないのかです。

観覧車の模型なんて何種類もあるだろうと思っていたらそうでもなく、どうやら私が10年前に見たのはファーラーの観覧車だったようです。つうか、それだけリアルな観覧車模型はファーラーしかないようです。これも大・中・小の3種類があるようで、私が見たのはたぶん中サイズです。それなりの値段はするのですが、開業当初はともかく、今なら経費で落とせる程度の価格です。

ただ調べると相当難儀な模型のようです。製作も手間がかかりそうですが、それより大変そうなのは電飾関係です。見事な電飾がつくようですが、これがドイツと日本の規格の問題で一筋縄ではいかない代物のようです。そういう工作は必ずしも嫌いではないのですが、今は時間が無いのと、ディスプレイにするのですから安定稼動が求められ、しょっちゅうトラブラれるとチト困るです。


ここからはディスプレイからチト離れていくのですが、ファーラーには他にも幾種かの遊園地シリーズがあって、驚く事にウォータースライダーまであります。実際に水を流して動くと言うものです。作った人の経験談を読みましたが、読み物としては楽しくても実際に手を出すとなるとひたすら「難儀やなぁ」ってところです。それより何より10年前に観覧車を断念したのは値段もありますが、幅の問題もあり、実際に置くとなれば少々デカ過ぎるです。

ディスプレイの遊園地化はとりあえず保留とし、もう少し手軽になんとかならないかとググりながら考えていたのですが、ふと思いついたのがメ号作戦。趣味的にヤマトに走ってもエエやないかです。ヤマトでまず思い出したのは、これも手が出かけて断念したヤマトの木製モデル。これはどうやら絶版になっているようですが、作るのは・・・難儀すぎるほど難儀な感じです。ありゃ手を出さないのが吉だったようです。絶対挫折したと思います。

今はもうちょっと手軽になってまして、2199に合わせてバンダイから色々出ているようです。これならメ号作戦の雰囲気ぐらいはリーズナブルに再現できそうです。ただなんですが、最大のネックはどうやって宙に飛ばすかです。テグスで釣るのが一番ポピュラーですが、テグスを吊るす上がないです。無いとなれば作らなければなりませんが、上は遥かに高いです。宙吊りは工夫しておかないとクルクル回りますし、吊るす長さが長いほど大変になります。ここも途方に暮れそうになり、現在保留中です。良い工夫が思い浮かばないといったところです。


この後は完全に趣味に走ってしまい、子供の頃の憧れだった巨大模型を色々ググってました。最近は大きな戦車のラジコンモデルが手軽に売ってますが、かつてはトンデモナイ価格で模型屋のディスプレイに鎮座していました。今はどうなっているのだろうと思ったら、廉価版の手軽な奴がある一方で、トンデモなく趣味的なものも実在しているのもわかりました。

凄いのは2つあって、とりあえず金属製でガソリン・エンジンモデルの61式戦車なんてものがまずありました。どうもかつての怪獣映画にも使われていたらしいなんて話が転がっており、どうやら今でも売っています。これが20万円ぐらいで「凄ぇ」と思っていたら、もっと凄いのがありました。ティーゲル戦車の全金属モデルで70万!!!。40kgあるようで、1人では抱えられないもののようです。

実に素直に欲しいと思いましたが、値段も値段である上に、置いておくところがありませんし、走らせにいくのも一騒動になりそうで断念しております。調べるとそういう趣味人への需要は確実にあるようで、これは軍艦模型ですが、1/100モデルのヤマトで160万なんてのがありました。1/100とは巨大で、たしかニチモのヤマトが1/200で1m30cmぐらいですから、その倍ぐらいの代物になりそうです。う〜ん、置いておくところがない。

現実的に置けるサイズとなると1/350サイズですが、これが18万円ぐらい。心が揺らぎましたが、家庭内にも職場も女ばかりですから、こんなものに理解を示してくれる人が誰もいないのがネックです。衝動買いで昔の趣味を大人買いする環境がないってところです。


ま、男のこの手の子供の時からの秘められた趣味を実現するのに使う必須アイテムである「子供をダシにする」が我が家では使えないのが、いずれにして大関門として立ち塞がるだけは確かです。それもまた人生ってところでしょうか。男(私)だって女性が熱狂する宝飾品への理解が乏しいわけですから、お互い様ってところかもしれません。でもってディスプレイはどうしよう・・・。