宇宙戦艦ヤマトの矛盾の重箱

GWを目前にして風邪ひいたみたいで、どうも不調です。そこで気楽な話題にさせて頂きます。今日のお題みたいなものですが、ssd様の当方の3医者より、

監督の出渕裕監督は、インタビューで昭和ヤマトの数々の矛盾を解決すると言っていますが、最大の謎、古代守がどうやってイスカンダルに行ったかをどう料理するのかが見物ですな。

矛盾と言っても宇宙空間での物理的矛盾については可能な限り目を瞑っておきたいと思います。あくまでもストーリー上の矛盾と言う事に絞って楽しんでみたいと思います。なお私は現在のヤマトは第1話しか見てませんし、初編もさすがに怪しくなっている記憶である点を御了承下さい。古代守の謎を考える時にガミラス艦の地球ガミラス間の所要時間はどうであったのだろうです。そこでまずガミラス艦の前にヤマトですがwikipediaにちゃんとまとめてありました。欲しい部分を拾うと、

イスカンダル滞在は1ヶ月あったようです。ここからは一路地球に向かうのですが、残されているのは約100日。かなりギリギリに地球に帰還したようなお話でしたが、ジャストではなく1ヶ月弱ぐらいは人類滅亡の日まで猶予があったと考えます。そうなると70〜80日ぐらいでイスカンダルガミラス)地球間は航行出来るとして良さそうです。

ヤマトとガミラス艦の航行能力はほぼ互角と考えると、負傷した古代守がガミラスの捕虜になり、さらに何らかのアクシデントでイスカンダルに保護されたとしても、ヤマトよりだいぶ先に古代守がイスカンダルに到着し、傷を癒しスターシアと愛を育くむ時間は十分にある事になります。どういうエピソードにするのかは出渕監督にお任せです。それと私の記憶があやふやなのですが、冥王星海戦からヤマト発進までどれぐらいだったのでしょうか。私の記憶では、

  1. 冥王星海戦
  2. ゆきかぜ(古代守)が命令無視して反転
  3. 地球側戦艦が帰りに火星に立ち寄り、古代進と島を回収
この後、古代と島が持ち帰ったイスカンダル情報を基に波動エンジンを製作し、これをヤマトに換装して発進と相成るわけですが、初編ではえらい早かった記憶になっています。誰か正確に覚えておられませんか?この冥王星海戦からヤマト発進までの時間が長いほど古代守はイスカンダルに近づきやすくなります。後は個人的な重箱を幾つか。


ガミラスの通信能力

ヤマトはスターシアから供与されたイスカンダル技術によりガミラス艦と互角ないしそれ以上の性能を持つ事になります。ただし通信技術はどうでしょう。ヤマトの通信能力の限界は、どこかの回で地球との最後の交信を行うエピソードがあったはずです。これもリアルタイムで会話が出来るという驚異の技術ですが、以後の地球との交信は最終回まで途絶します。一方のガミラス冥王星前線基地と総統デスラーがダイレクトに会話できるのが確認できます。

ただここについては、前線基地とガミラス本星が通信できないと無茶苦茶不便なので、ガミラス本星から冥王星前線基地までに通信中継基地を幾つも設けていたは考えられるところです。つまりはリレー方式です。現在のヤマトとは違い初編のヤマトではガミラスも地球制服に全力を挙げているだけでなく、その後の移住も織り込み済みでしょうから、それぐらいの通信網は持っている方が自然かもしれません。

と言うのもイスカンダル技術はガミラス技術と互角と見なして良いかと思うのですが、イスカンダルも地球へのダイレクト通信が出来ないからです。ダイレクト通信が出来ないためにスターシアの妹がわざわざメッセンジャーとして太陽系まで来たわけです。ダイレクトに通信できるのであれば、サーシアが来る必要はなかった事になります。

初編はそうなんですが、現在はどうなんでしょうか。第1話しか見ていないので何とも言い難いのですが、初編とやや設定が変わっている気がしました。やはりサーシアが火星まで持ってきて遭難するのは同じでも、持ってきたのはスターシアのメッセージではなく、波動エンジンの地球では作れない最終パーツみたいな物になっていました。なおかつこれを受け取るために、あの冥王星海戦は陽動作戦であったともしています。

それは良いのですが、そうなるとイスカンダルと地球との間でなんらかの方法で交信できた事になります。イスカンダルが出来るのならガミラスも可能になります。ではヤマトはこの後どうするのかは、楽しみですねぇ。


ヤマトの戦略

初編では放射能汚染から人類を救うためにイスカンダル放射能除去装置を取りに行く設定です。有名すぎる設定ですが、問題はこの時点のガミラスです。スターシアのメッセージがあった時点でもガミラスは「謎の宇宙艦隊」です。どこからやってくるのか、果たして何者なのかの正体がさっぱりわかっていない事になっています。この事は初編のシリーズ中に何度も繰り返されていたかと記憶しています。

また発進時の目的はあくまでも放射能除去装置を取りに行くのが最大の目的で、可能な限りガミラスとの戦闘を避ける必要性も強調されていたとも記憶しています。タイムリミットがありますから、可能な限り早くイスカンダルに急行し、トンボ帰りで地球に戻ってくるです。間違った戦略ではないのですが、少し違和感を感じます。どこが違和感かと言えば、

初編でヤマトは冥王星前線基地を壊滅させています。その後にイスカンダルに向かうのですが、この時点でもガミラスはどこが本拠地かまったく情報を持っていないとして良いでしょう。原作ではゴールのイスカンダルガミラスとタマタマ同じであり、図らずもヤマトがイスカンダルに向かう事はガミラス本星に突撃するのと同じ事になっています。

しかしこれは初編のヤマトでは広い意味のアクシデントです。ガミラスとはまったく違うところにあるイスカンダルに向かう予定であったはずと言う事です。もし当初の予定通り、イスカンダルガミラスが遠く離れていたならば、ガミラスは健在になります。初編のヤマトのガミラスは地球攻略に国運をかけていましたから、冥王星前線基地も全力を挙げて復旧するだろうと予測されます。一方の地球側はこれを防ぐ手段はたぶんありません。

そうなるとイスカンダルから帰ってきてもガミラス冥王星から遊星爆弾の雨を降らせる事になります。持って帰った放射能除去装置をフル回転させて放射能汚染を食い止めても、遊星爆弾は放射能を除いても超強力な爆弾そうであり、これから身を守るためには引き続き地下都市に逼塞する必要があります。そこからガミラスの侵略を防ごうと思えば、

  1. 再びヤマトは冥王星前線基地を壊滅させる
  2. 何らかの手段でガミラス星の位置を知り、ヤマト単艦なり、その後に作った艦隊でガミラスを攻める
とは言うものの、第二次冥王星基地攻略をやる時にはガミラス側にもヤマトの情報はあり、それこその戦力投入が行われると考えるのが妥当です。疲弊した地球の力でそんな事は果たして可能だろうかと言うところです。そこまで考えるとヤマトが目的を達成するためには放射能除去装置を入手するだけでなく、持ち帰った頃にはガミラスも壊滅してもらう必要があります。そこまでセットになって初めて人類を滅亡から救えるです。

放射能除去装置を単に持ち帰っただけでは人類滅亡を先延ばしできるだけであり、問題の根本解決にならないです。初編はタマタマの成り行きでガミラスを壊滅させましたが、現在のヤマトはどうするんでしょう。やはりタマタマ路線かな? それとも何かエピソードを膨らますのでしょうか。ここも楽しみにしています。


スターシア

スターシアもなかなか冷たいところがあって、波動エンジン技術と放射能除去装置の提供を地球人類に申し入れてくれますが、ガミラスとは何者だの情報は伝えていなかったと記憶しています。ここについてはクエストものの定番の設定であるとの意見もありました。それはそうなんですが、スターシアがヤマトに示した道は、同時にガミラス心臓部への道と同じになります。いくら試練の道と言ってもえらい厳しいと言うところです。

ここもなんですが、ヤマトが放射能除去装置「だけ」を入手しても地球人類の滅亡の時間稼ぎにしかならないと考え、ヤマトが通れば必然的にガミラスも壊滅するルートをあえて指し示したと言えなくもありません。勇気ある者にのみ恵みを与える女王スターシアの御心です。もっともイスカンダルガミラスはお隣同士ですから、ヤマトに「来い」と言うだけでガミラスとの全面衝突は不可避ですから、教えれば怖がって来ないかもしれないの慈悲心かもしれません。

スターシアもまた、ただのお人好しではないってところでしょうか。ところでなんですが、スターシアって一体何歳なんだ??? 設定から考えると古代守よりかなり年上そうなんですが・・・恋に歳の差は関係ないか。。。