宇宙戦艦ヤマトのリニューアル・シリーズが話題になっているようですが、この歳でチャンネル権を主張するわけにもいかないので指を咥えて見過ごしています。娘しかいませんから、子供をダシにして見る手法も使えませんので、そのうちDVDなりになれば大人買いでもするかもにしておきます。ヤマトは初期シリーズの改良版ですが、某所でガッチャマンシリーズの続編評価(IIとかF)の話題がありました。名作とされるものの続編は、初回への思い込みがあって難しいもので、成功は少ない代わりに失敗作は山のようにある気がしています。
つうか、初編より続編の方が評価の高い「TVアニメ」なんてあるかないかになります。そもそもの話になりますが、初編の評価が高いから二匹目のドジョウを狙って続編が作られるわけで、続編が当たってもファンの評価としてはさらに初編の評価を高めるだけにしかならない関係です。なんちゅうか続編が当たるほど初編が伝説化される関係とすれば良いでしょうか。これは初編が視聴率的にコケても成立します。たとえば、
どちらも初編放映時の視聴率的な評価は低かったものです。とくにヤマトなんてハイジに蹴散らされて、大幅にシリーズが短縮され、コアなファンが熱心に運動して作られた劇場版(TVシリーズのダイジェスト版)がヒットし、そこから続編が作られたぐらいです。それでも評価は初編が伝説として上かと思っています。そんな中で唯一該当しそうなのはタイムボカンとヤッターマンぐらいじゃなかろうかぐらいで話が終っています。名作の続編は「難しいよな〜」と思っていたのですが、TVアニメでは難しくとも劇場版アニメならもう少しありそうな感触があります。もちろん評価は分かれるのですが個人的には銀河鉄道999では続編の「さよなら」の方が私は好きです。ルパン3世も第2作のカリオストロが最高の声(興行評価とは別です)もあります。そんな中でふと思い出したのは風の谷のナウシカです。
これも名作とされるもので、私も見に行った記憶はあります。ジブリの初期の名作かと思えばそうでもないようで、ナウシカの劇場版が公開されたのが1984年、スタジオジブリの設立は1985年です。もっとも継続性は濃厚なようでwikipediaより、
会社法上、『風の谷のナウシカ』を製作したトップクラフトを母体とし改変した設立形式をとっている。1985年6月15日に徳間書店の出資によって実現した。
トップクラフトは1972年に設立されたアニメーション製作会社です。この辺の事情に詳しくないので大雑把過ぎる見方ですが、ナウシカの成功で発展的に解消しジブリになったぐらいでも、そんなに間違いではないようです。wikipediaにも、
なんとなく徳間書店がアニメ界進出のために買収したぐらいにも見えますが、それだけナウシカが成功したと見えなくもありません。製作会社の経緯はともかく、今に続く宮崎駿の評価を確固たるものとした名作ぐらいにしても良い気はしています。
でもってナウシカなんですが、見た時の印象は正直なところ「なんと中途半端な・・・」でした。ラストシーンと言うかクライマックスは王蟲の大暴走をナウシカが止めるところです。知っている人には有名な、
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そのもの青き衣をまといて金色の野に降りたつべし
『アニメージュ』1982年2月号にて連載を開始し、映画制作などのため4度の中断期間を挟み、1994年3月号にて完結した。
あくまでも個人的な希望ですが、劇場映画化された後のアニメージュの後半部を映画化して欲しいと思っています。これが映画化されてナウシカは本当に完結する気がしています。ただ続編を映画化するに当たっての問題点は、初編が出てから既に30年近い歳月が流れてしまった点でしょうか。アニメージュの連載終了後からでも20年近く経っています。
ナウシカ世界の設定は異次元ファンタジーですから、せめて劇場版の初編を見ないと続編の理解が難しくなります。劇場版を見た世代が既に完璧なオジサン・オバサン世代に転じているわけですから、どうしても初編の説明が必要になり、続編を作る上のネックになるのかもしれません。
もう一つ宮崎駿自体も続編を作りたくない様な気がしています。1985年にジブリが出来てからも宮崎駿が意欲的にアニメ作品を送り出しているのは広く知られています。ですから作る気があればどこかで作れたはずです。ところが作っていないのは事実です。この辺の背景事情は全然詳しくないのですが、wikipediaより、
アニメージュ編集部は『未来少年コナン』や『ルパン三世 カリオストロの城』を通じて宮崎の才能に着目しており、1981年8月号において「宮崎駿特集」を掲載した。また、宮崎から『戦国魔城』と『ロルフ』 という2本の映画企画を預かり、徳間グループの映像会議に提出したが、原作が存在しないことを理由のひとつとして採用されなかった。そこで、編集部はアニメ化への布石と誌面の話題作りを兼ねて、宮崎に連載漫画の執筆を依頼した。担当編集者の鈴木敏夫に口説かれた宮崎は、「漫画として描くならアニメーションで絶対できないような作品を」という条件で受諾。『ロルフ』にSF的な「腐海」という設定を加え、『風の谷のナウシカ』の題名で執筆を開始した。
う〜ん、そもそもが、
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漫画として描くならアニメーションで絶対できないような作品を
そうなると続編が作られるとすれば、宮崎駿の気が変わるか、どうしてもナウシカの続編を作らざるを得ない状況に追い込まれるかぐらいしかないかもしれません。どっちも可能性が薄そうですから、やっぱり出来ないと考えるのが良いのかもしれません。まあ、中途半端な続編を作るより、作らない方がマシと言われればそれまでかもしれません。この歳になると「美化された想い出はそのままに」の思いが強くなっていますから、このままそっとしておくのが吉と言う事で・・・。