研修医数と医師増加の相関性

 これについては

    医師は東京を目指す♪
 これで結論が出てしまい。ウンコラ集めた研修医(マッチ者)データが中に浮いてしまいました。でもなんとかリサイクルできないかと知恵を絞り、遊びの試算を少しやってみます。東京がアレだけの外れ値を叩きだしてしまったのなら、東京以外でデータをまとめてみたらどうなるかです。対象期間は2004-2010年度です。

 手法は、

  1. 2003年度の医師数を2002年度と2004年度の平均として算出する
  2. 2010年度の医師数を2003年度の医師数で減ずる事で医師数の増加がわかる
  3. 研修医数については自然減少分の比で、増加医師数に等しくなるように補正する
  4. 東京以外の人口による道府県毎の人口配分による医師増加数、研修医増加数を計算する
 ちなみに

分類 2010年度人口 増加医師数 研修医数
東京 1315.9万人 5705.5人 10859人
東京以外 1億1489.8万人 21604.5人 52707人

 ブルーの部分の試算です。なお研修医数については手打ち入力によるため若干の誤差がどうもあるようなのですが、修正は手軽には不可能なので目を瞑ります。まず結果を表で示してみます。

都道府県 偏在分
研修医数 増加医師数
北海道 -46.7 -375.3
青森 -62.9 -154.2
岩手 -24.4 -176.6
宮城 -74.4 94.5
秋田 9.1 -94.2
山形 -12.6 -42.8
福島 -129.1 -283.5
茨城 -199.6 -35.0
栃木 22.4 -35.1
群馬 -82.8 -124.1
埼玉 -797.5 84.6
千葉 -222.1 382.7
神奈川 237.7 989.2
新潟 -156.2 -324.9
富山 -29.6 -130.5
石川 84.6 -72.5
福井 13.7 36.9
山梨 -12.2 -12.8
長野 -39.2 40.9
岐阜 -68.6 94.2
静岡 -175.6 -141.4
愛知 263.5 370.5
三重 -92.7 -86.3
滋賀 -19.1 34.7
京都 433.8 236.3
大阪 409.4 234.6
兵庫 -7.8 95.3
奈良 -5.7 -26.4
和歌山 47.5 -56.4
鳥取 8.5 -94.8
島根 -6.2 -100.3
岡山 160.4 137.3
広島 -67.7 -236.5
山口 -31.9 -209.8
徳島 24.2 -51.6
香川 -2.7 -54.8
愛媛 -30.7 -197.1
高知 6.0 -145.2
福岡 631.8 306.3
佐賀 9.5 45.7
長崎 28.1 -29.8
熊本 -37.1 -28.2
大分 -40.1 -53.1
宮崎 -79.4 -91.4
鹿児島 -37.1 -92.3
沖縄 202.2 373.6

 これを非常に見難いですがグラフにしてみます。

 こんなものでも漠然とした傾向ぐらいはわかります。東京を除外すれば研修医(マッチ者)は関西に多目に分布しています。一方で関東は神奈川のプラスこそ目立つ者ものの、埼玉なんてブッチギリに少ない事がわかります。なんか一県で他の県のマイナス分を一身に背負い込んでいるようにも見えます。ところが医師数増加になると微妙になります。神奈川の増加が著しいのはすぐわかりますし、少ない少ないと言われる千葉だって、さらに研修医数であれだけ負け組の埼玉だってプラスです。それにくらべると関西は研修医数の数ほどの医師数増加が見られない傾向があるぐらいは言えます。

 もっともこれに東京が入ると一挙に様相が変わってしまうので、このデータ・分析にどれほどの価値があるかは正直なところ作った本人さえ疑問です。ちなみに東京が入るとどう変わるかですが、

 こんなんからじゃ、医師も研修医も東京に偏在しているで話が終ってしまいます。まあ、データをまとめる手間の悔しさぐらいに思って堪忍してください。