子供の時の夢のツールからの連想

今週は書きやすいネタが拾えていたのですが週末になって息切れです。上小阿仁村の追い討ちを考えたのですが、あれ以上やると個人情報を発掘しすぎの批判も喰らいそうなので自粛させて頂きます。ですので日常の静かな雑談です。と言うわけでもないのですが、木曜日に家電量販店に電動歯ブラシの歯ブラシ部分を買いに行きました。消耗品の補充に過ぎないのですが、大型の電気屋と言うのは子供の時から見るだけで楽しみと言うのはあって、ついでに売り場をぶらぶらと見て回りました。

とりあえずは噂のiPhoneです。恥ずかしながら実物を見るのは初めてです。たしかにiPod touchとほぼ同じでしたが、電話機能が追加されるとあれだけ厚くなるのかと確認した次第です。とりあえずiPhoneとかその他のスマホに買い替える予定は当面無いので、スマホはそれぐらいにして次です。売り場が近かったのでカメラ・コーナーです。ここも言うまでもないですがすべてデジカメです。一眼レフ(の表現で良いのかな?)もズラリと並んでいて壮観です。

子供の時には自分のカメラが凄く欲しかった時代があり、何かの加減(景品の類だったかな)でコダックの小型カメラを入手した時には飛び上がるように嬉しかった記憶が残っています。ただこのコダックのカメラがなかなかのもので、フィルムが特殊規格で高価だったのと、フラッシュが消耗品のネックがありました。面白いフラッシュで4面にフラッシュがあって、1回使うと次に回って4回光る形式です。

結局のところ子供の小遣いではフィルム代と現像焼付代が捻出できず、宝物として引き出しに収納されてしまったのは遠い思い出です。デジカメも最近買い替えたばかりなので、サラリと見ておしまいです。必要があっても携帯カメラで用が足りますからねぇ。


実はと言うほどではないのですが、携帯ラジオを非常用に一つ買っておこうと言うのがありました。行けば色々ありました。小型からワイドレシーバーまで各種色々です。ラジオも思い出深いもので、私の中高時代は深夜ラジオを聞くというのが一つのトレンドでした。お蔭で寝不足に拍車がかかったのですが、当時ペッパーと言う薄型ラジオ(ナショナルだったかな)が発売されて欲しかったのを思い出していました。

ラジオも先日家の押しいれの奥から古いやつが発見され、電池を替えたら動いたので、見るだけでオシマイです。普段的に聞きたければPCで聞けますし、ラジオ自体をすっかり聞かなくなっています。


ラジオ売り場にたまたま並んでいたのがICレコーダー売り場です。これも思い出深いところで、これの元祖みたいなマイクロカセット・レコーダーを持っていました。オリンパスだったかな。あれも良く考えれば何のために買ったのかサッパリ用途が思いつかないのですが、無性に欲しくて手に入れた記憶だけはあります。

どうせ隠し録りが出来るぐらいの目的だったと思いますが、そんな用途があるわけでもなく、また当時のマイクロ・カセットレコーダーはコンパクトと言いながら筆箱ぐらいはありそうな大きさで、何回か使って引き出しの肥やしになり、やがて従兄弟にでもあげたのだろうと思っています。この辺はスパイ大作戦の影響が出ていたと思っています。これも今なら携帯で十分ですね。


そうやって見ていると目に付いたのがトランシーバー。これは欲しかった。それこそスパイ大作戦とキーハンターと・・・男の子の必殺アイテムでした。でもって実際にも持ってました。ただし子供向けで、FM派利用のやつ。条件が良くて100m程度だったでしょうか。そんな子供だましのトランシーバーでしたが、これはスパイごっこ、探偵ごっこに使った記憶はあります。

当時からもっと本格的なものはあるのは知っていましたが、そりゃ高価で手の届くような代物ではありませんでした。今だって1台1万円ぐらいはするようですから、安いとは言えません。これもまさか携帯電話がここまで普及するとはまさに夢物語です。携帯があればトランシーバーと言っても利用用途は限定されますからね。


ヒマ人と笑われそうですが、次に見たのがGPS navi。これは一時本当に買おうかと検討したものです。里山登りにあれば便利そうだからです。これも案外高価なのと、わりとかさばる問題があり(軽装なもので・・・)、私が登るような山なら地図とコンパスがあれば十分すぎる装備であるのでやめました。そうそう地図なんですが、これもかつては大きな本屋で買い求める必要があった時代を知っていますが、今は国土地理院の地図を必要な部分を必要な縮尺でプリントアウトできるのに個人的には舌を巻いています。



つらつらと子供の時の憧れのツールを見て回ったのですが、よくよく考えなくとも全部携帯に入っています。専用機に較べると機能は落ちるとは思いますが、それでも子供の頃の高級機の性能ぐらいは余裕であると思っています。私が持っているのはかなり年季が入ったガラケーですが、カメラだって、ラジオだって、ICレコーダーだって、ついでに言えばテレビだって見れます。当たり前ですが電話もかけられますし、ネットも見れますし、メイルだって出来ます。

こんな高性能ツールは、かつてのSF作家でさえ想像できなかったような気がします。個々のツールを高性能化し小型化する発想はありましたが、それがこれだけ合体してしまうまでの想像力は私が知る限り、小説でも、アニメでも、映画でもなかったような気がします。いくらなんでも、そこまでコンパクトに詰め込むとSFであっても荒唐無稽と思われるからでしょうか。


今日は雑談ですから話はポンポン飛びますが、改めて自分のしょぼくれたガラケーを見ながら、これが子供の頃の夢のツールの集合体と思ってもあまりワクワク感はありません。単なるありふれた道具にしか見えないです。当然といえば当然ですが、無理に喩えると私の小学校時代にカラーテレビが普及しましたが、私にとってはテレビはカラーが普通であり、もっと前の世代の街頭テレビに熱狂した興奮を味わえといわれても困惑する感じぐらいなんでしょうか。

技術は到達してしまえば、それが進歩だとか驚異だとか感じなくなるのは不思議ではありませんが、売り場を見て回って専用機への子供時代の憧れを思い出した後でしたから、なぜか不思議な感じがしてしまいました。

さてなんですが、そういう技術の進歩を思いながら本業に戻ると、聴診器と舌圧子とライトとボールペンの3点セットで大半の仕事が終ってしまう診療にちょっとおかしみを感じています。え〜と、スタートレックでしたっけ、Dr.マッコイが棒みたいなツールで診療している世界がありましたが、あの世界には医療は距離が相当ありそうです。

自動診断治療器みたいなものもSF治療の定番です。これも近づいてはいるのかもしれませんが、現実化しそうかと言われれば私が現役時代にはかなり遠そうな気がしています。未来と言っても私に残されている時間は、医師としての現役時間も、人生の持ち時間さえ「さほど」ありませんから「どこまで見れるんだろうなぁ」と寂しく思った次第です。

まあ、町医者レベルで短期間で極端に進歩されると、そろそろ付いていくのに骨が折れる歳になっていますから、アナクロで満足しておく事にします。それでも10年ぐらいしたらまた変わっているんでしょうねぇ。現役の間はついて行く努力はしていかないと「しゃ〜ないか」と言うか、自然に付いていくんでしょう、「たぶん」ですが・・・。