自殺統計余話

先週熱中した統計物の余話です。私は恥ずかしながら自殺は年齢層が高くなるほど自殺率も高くなると思い込んでいました。これは基本的に間違いではないのですが、最近の傾向はちょっと違う様相があるようです。まず長期推移です。

見難いグラフで申し訳ないのですが、非常にばらつきの大きかった自殺率が年を追う毎に一点に収束している傾向が窺えます。これも作ってはみましたが見難い表で申し訳ないのですが、1990年度から5年毎の年齢別の自殺率の推移です。

順位 1990 1995 2000 2005 2010
年齢 自殺率 年齢 自殺率 年齢 自殺率 年齢 自殺率 年齢 自殺率
1 85-89 70.12 85-89 51.23 85-89 47.11 55-59 38.31 50-54 34.37
2 90-94 64.98 90-94 50.90 55-59 45.01 90-94 37.57 55-59 33.96
3 80-84 58.63 80-84 43.59 80-84 40.74 50-54 36.69 90-94 31.47
4 75-79 45.55 75-79 33.57 90-94 38.69 60-64 34.07 60-64 31.07
5 70-74 34.78 50-54 28.63 50-54 37.86 85-89 33.81 45-49 30.94
6 65-69 26.48 55-59 28.16 65-69 33.11 45-49 33.67 65-69 29.55
7 55.59 25.11 70-74 26.74 75-79 31.28 80-84 30.48 85-89 29.11
8 50-54 25.02 60-64 26.01 45-49 30.67 40-44 28.96 75-79 26.89
9 45-49 22.04 65-69 22.55 70-74 30.36 35-39 24.42 40-44 26.88
10 40-44 16.27 45-49 21.12 40-44 23.75 30-34 23.11 70-74 26.43
平均 16.37 17.23 24.08 24.21 23.38


たぶん私が思い描いていたイメージは1990年度あたりになると思います。
見事に年齢層があがるにつれて自殺率が急速に高まっています。後は変化を追いかけると1995年度です。
さらに2000年度。
2005年度
そして2010年度、
95歳以上は比較のため(1990年度統計に無い)に外させて頂いています。1990年度との違いは明らかで、20年前は高齢者にピークが偏っていたのに対して、現在ではほぼフラットの高原状になっています。高齢者の自殺率が急速に低下するのと反比例するように青年から壮年世代の自殺率が上昇しているのが確認できます。

これは高齢者に住み良い社会に変ったのか、それとも勤労世代に住み難い社会に変わったのか、はたまたその両方が同時に進行しているのかは社会学の分野になりそうな気がしています。以上余話でした。