一つの時代の終焉

アルファブロガーズ・アワードなるものがあります。

2012年3月9日、第8回目にして最終回となる「アルファブロガー・アワード2011」が開催され、合計19のブログがアルファブロガーとして選出されました。

終るんですねぇ。うちのブログが2005年から始まっていますから、その前年ぐらいから始まっていたようです。この手のブログ大賞の草分けみたいなものぐらいの理解で良いかと思いますが、8年目で終わるとはチト物悲しい感じです。そう言えば、この手のブログ大賞企画がABA以外にもあったと思いますが、さ〜て、どうなってしまったのでしょうか。残っているのはあるのかなぁ?調べる気もありませんが、殆んど消えてなくなったように勝手に思っています。

ブログの最盛期はいつであったか、私の勝手な感想では2006年から2008年ぐらいの間でしょうか。ブログの退潮はまずSNSの台頭があり、次にツイッターの台頭が大きく影響したぐらいに見ています。それでもSNS台頭期は言うほど影響しなかったと思っていますが、ツイッターは大きかったかなと言うぐらいの感想です。


このアルファブロガー・アワード(ABA)には当初から批判の声はありました。選出方法とか、運営会社の知名度の低さとか、さらには「アルファ・ブロガー」の定義とかもよく書かれていました。もちろん「取ってなんになる」とか、「だからどうした」の声も結構多かったですが、批判の声が大きいと言う事はそれだけ注目されていた裏返しなのかもしれません。

もちろん批判の声の一方で「もっとも権威のある賞である」の評価もまたあり、良きに付け、悪しきに付け毎年の選出は少々話題にはなっていたかと思います。私は言うほど注目はしていなかったのですが、今年の選出で終わりと聞いてチョットだけ感慨を覚えています。

ABAの最大の功績はやはりアルファ・ブロガーなる言葉を広めた点にあるように思っています。ただアルファ・ブロガーなる言葉は広まりはしましたが、定着したとも言い難く、今となっては「そんな言葉もあったよなぁ」ぐらいになっているのが実感です。そういう意味では一つの時代を曲がりなりにも作り、それが終わったと言う評価が妥当なのかもしれません。


前にもブログのこれからをあれこれ考えた事がありますが、今日はちょっと視点を変えてみます。書き手の才能の問題です。文章を書くと言うのはやはり一つの才能と思います。修練すればある程度までは上達しますが、やはりそこから先は確実にあります。ネット界で注目を集め読み手を集められるのは、単なる上達でなく、やはり天賦の才によるプラス・アルファはあると感じています。

そういう才ある書き手は必然的に限定され、これがどこに活動の重点を置くかも案外トレンドに大きく影響しているかもしれません。人気の書き手が集まるところに人もまた集まるです。この辺は卵が先かニワトリが先かみたいな話ではあります。

それと今さらながら思ったのですが、ブログとツイッターの根本的な違いです。FBとの違いも同様なんですが、ツイッターもFBも事実上一つです。これに対してブログは幾つものブログ運営会社があります。ツイッターやFBはこれに参加すれば、すべての参加者と同じ場に立てますが、ブログは運営会社が違えば一つの壁が出来ます。

そうなったのはネットの進化なのか、ブログの持つ宿命的な欠点であったのかみたいなところです。これもよく存じませんが、BBSの雄である2chも他を圧して実質的に一つに集約されているのが強みかもしれません。今後のブログ界がそういう方向に動くのか、そうならないのかもチョット注目しておいても良いかもしれません。


さてABAも終了し、ブログの退潮も目に見えるようですが、まだもう少し続けるつもりです。このhatenaのサービスが突然終了する事があれば別ですが、まだ趣味としては十分楽しめますから続けます。ツイッターやFBに人気の重点は移っているようですが、どちらも長文を書くには不向きです。FBなら長文が書けそうな気配もありますが、ブログの機能に較べると格段に落ちます。しかも実名ですし。

うちのブログもかつてに較べると閑散としています。それが寂しいかと言われると正直なところ寂しいですが、ホッとしている部分もあります。2006〜2007年あたりがもっとも凄まじかったと記憶していますが、連日コメ欄がパンクしそうになるのは異常でした。人気が高まれば荒らしも来るわけで、それこそ管理に神経を尖らせざるを得なかったものです。

今はそれなりにコメントがつき、ネタによっては適当に盛り上がってくれます。これぐらいが手の届く範囲のブログ運営とも言えます。これぐらいが一番楽しいかもしれません。ABAの終わりは一つの時代の終焉と感じています。それでも私は良い時代を経験させてもらったとシミジミ思っています。