ある日の午前の診療が終って、たまたま調剤薬局をのぞくと超満員の盛況でした。「儲かってるな」と一瞬思ったのですが、そんなに急に患者が増えるのも不自然です。薬局が超満員のテンコモリ状態になるのは、うちが忙しい時にあるのですが、これは小児処方に手間取ってのものです。その日はうちもそれなりに忙しくはあったのですが、見るところ子供は殆んど見かけません。
なにかトラブルでもあったのかと思いましたが、ふと思いついたのが一般名処方です。実は診療報酬改訂に当り、極秘の相談が薬局からありました。極秘と言っても、調剤薬局から患者に説明しなければならない項目が増えた(当然やらなければマイナス条件)ので、その説明内容の擦りあわせです。うちで行っている説明とあんまり大きく違うとトラブルのタネになるので、最低限はすり合わせておこうの極秘会談です。
その極秘会談中に出てきたのが一般名処方です。うちは一般名処方対策より、診療報酬改訂で更新されたレセコンへの対応が優先で、もしやるとしても様子を見てからユックリぐらいのつもりだと答えていました。極秘会談は3月末の時点だったのですが、どうも薬局側も一般名処方への対応は他の事項の対策に追われ、少々後回しになっていた感触を持っています。
それがどうも「どこか」が4月1日から一般名処方をいきなり導入した模様です。そういう風に改訂されたのですから、一般名処方を行ってもなんら問題は無いのですが、薬局側がやや準備不足で混乱したようです。
一般名処方となると、まず薬剤師といえども見慣れない一般名から商品名への翻訳が必要です。薬剤師だって(医師ならなおさら)すべての薬品の一般名に通暁している訳ではありません。一般名処方が今後定着すれば変わってくるでしょうが、なんつうても始まったばかり(この下書きを書いたのは4月の上旬だったのでヨロシク)ですから、一般名を見てもピンと来ないものはピンと来ないと思います。またうろ覚えであれば、類似名の薬品と間違えたら大変なので確認が必要です。
ここで時間がかかる上に、次にどの薬品を選択するのかの提示を行わなければなりません。たぶんですが、最低限で先発薬とゾロを提示し
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どちらにしますか?
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どう違うの?
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で、いくら違うの?
まあ、超満員状態もいつまでも続くわけではなく、今の時期を乗り越えすれば慢性疾患であれば、
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前と同じでOKです
これも今年の診療報酬改定にまつわる薬局側に求められた対応だそうですが、備える薬品の種類が増えたと聞いています。あんまり関係が無い話なので、詳細は覚えていませんが、700種類だとか、1000種類だとかの話だったような気がします。これに対応できないと診療報酬の削減とかだそうです。そりゃ在庫が増えて大変だろうと言ったら苦笑いしていました。
まあ、ゾロがある薬品に先発とセットで在庫すると1000種類ぐらいすぐになるのかもしれません。薬局側曰く「小さな門前薬局系は苦しくなるかもしれない」と言っていました。別に大きいからラクではなく、小さなところは非常に厳しくなるです。
でもって、うちですが一般名処方対応のとりあえずのネックは紙カルテであることです。つまりは手書きなので書くのが大変です。大概は商品名より長くなるので、手間が半端じゃないです。レセコンがどう対応しているかもまだチェックしていません。それでも「どうも」一剤でも一般名処方にすれば加算はもらえるそうですから、メインの処方と関係の薄いものを構想しています。
隠すほどのものではないので書いときますが、処方が非常に多いビオフェルミンRを一般名処方に変えようかと考えています。ちなみにビオフェルミンRの一般名処方は耐性乳酸菌製剤散です。でもこれはハンコにでもしないと書くのが大変です。ハンコもあんまり増えるとかえって使い難くなるので、極力増やさない様にしているのですが、どうしようかです。
まだあんまり研究していませんから、ボチボチと情報を確認してから動く予定です。