BJの断片への憧れ

どうでも良いような雑談です。BJのアニメ版が無料で見れるサイトがあったので、徒然に見ていました。なかなか原作に忠実に出来ていまして、改めて手塚治虫の偉大さを感じた次第です。私の世代なら多くの医学生はBJは愛読書の一つであり、私も「BJのようになりたい」と思った時期があったことを白状しておきます。

そんな遠い昔の思い出から現実を考えていました。BJ本人に丸ごと近づくのは到底無理としても、BJの断片ぐらい、いや原作のワンシーンに近い真似事ぐらいは近づけないものかです。これも考えると絶望的に「遠い」です。なぜに「遠い」か理由を考えていたのですが、BJはやはり外科医の世界だからの様な気がしています。


私は小児科医です。小児科も内科系なんですが、BJ的颯爽さをシミュレートしようとあれこれ考えましたが、自分の力量をかなり過大に想定しても地味すぎてエピソードにならないのがチト悲しかったです。強いて言えば新生児科が近い様にも思いますが、あれも長期戦が本質ですからチョットです。

BJの原作に内科版BJが出てくるエピソードがありました。これがまた内科版BJは徹底的な悪役でした。ラストシーンに少しだけ颯爽感の救いが出ていましたが、1回しか登場しなかった事でわかるように、BJのライバル・キャラにはなり得なかったです。BJのライバルはやはり外科医でないと力量不足と言うところでしょうか。


ここの点をもうちょっと考えてみると、私(の様な医師)も実はBJの中に登場しています。どこにと言うと、とりあえず前と後です。前はBJが登場するまでの治療担当、後はBJ治療後の担当です。話の展開の都合でBJの手術から軽快退院までは一瞬です、マンガの中では一瞬ですが、あそこは結構時間と手間がかかるところです。でも医療では重要なところです。前もまた同様です。

ただ話としては地味で退屈なエピソードにしかなりません。勤務医時代はそれでも前と後ろを直接担当していましたが、開業医になると前の前であり、後ろの後ろです。ですからBJ本編の断片にも近づくのは困難ですが、考えようによっては参加はしているぐらいは力技で見る事はできます。そういう地味な役回りは案外似合っていそうと慰めています。

どんな名作であっても全員が主役では成り立たず、脇役も必要であり、通行人役も必要です。通行人役が背伸びをして奇跡の手術をしたところで無理がテンコモリです。そう思うと私には分相応のような気がします。自分が出来るところを確実にこなす人間も社会と言う劇場では必要なパーツじゃなかいと言うところです。


今日はこんな雑談ですみません。かなり最近スランプ気味で、しばらくこんな調子かもしれませんが、御了解下さい。