3/29に3回目の会議が行われたらしく、3/30の時点で厚労省のHPに
小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンの接種の再開について小児用肺炎球菌ワクチン(販売名:プレベナー水性懸濁皮下注)及びヒブワクチン(販売名:アクトヒブ)を含む、ワクチン同時接種後の死亡例が3月2日以降報告され、接種を一時的に見合わせることとしていましたが、3月24日にとりまとめられた薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会及び子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会「小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全性の評価結果について」を踏まえ、4月1日から接種を再開することといたしました。
ここまでは確認できたのですが、問題は予防接種が市町村依存であることでした。Hib、PCV7は無料化されてはいますが、最終的には市町村負担分の支出再開を、当院なら神戸市が正式通知してくれないと何も動けません。ジリジリと待っていたら、3/31にようやくFaxが舞い込みました。
予防接種委託医療機関各位
神戸市保健所長小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンの接種再開等について先日、厚生労働省の専門家会議における、小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンの安全性評価結果については、お知らせしたところですが、この結果を受け、厚生労働省から4月1日から接種を再開する旨の通知がありました。(平成23年3月29日付事務連絡)つきましては、神戸市でも4月1日から接種を再開することとしましたので、スケジュールに余裕がなくご迷惑をおかけしますが、ご協力のほどよろしくお願いします。
また、国より新たな方針が示されましたので、神戸市としても下記のとおり取り扱うこととしますので、あわせてお知らせいたします。
記
- 小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンの再開について
小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンの接種の一時的な見合わせ・再開に関する一連の資料は、厚生労働省ホームページ「ワクチン接種緊急促進事業について」掲載される予定です。
なお、次頁にQ&Aの抜粋を掲載しています。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kekkaku_kanseshou28/index.html
(接種再開にあたり国が作成したリーフレットおよびQ&Aが掲載予定です)- ヒブワクチン等の供給不足について
ヒブワクチンの異物混入に伴う自主回収のため、一時的に供給が遅延する可能性が考えられますが、ワクチンの供給量が整いしだい、接種再開いただきますようお願いします。
- 以下略
このFaxを読むと平成23年3月29日付事務連絡の時点で4/1再開にGoが出たようです。実は4/29の午後の時点で「4/1でGoが出た」のアングラ情報があったのですが、どうしてもソースが見つからず保留としていました。厚労省のHPの更新が3/30の午後に行われ、ようやく国の基本方針として接種再開のソースが確認できた次第です。
たしか3/24の会議の結論として、
- したがって、今後もワクチン接種後数日以内の死亡例が報告されることが想定されるが、ワクチン接種後の死亡例が報告された場合には、引き続き可能なかぎり詳細な情報を収集し、ワクチン接種との関連性について専門家による評価を速やかに行っていくことが適当である。
- その場合、諸外国でのワクチン接種後の死亡例の報告状況を勘案し、例えば6カ月の対10万接種あたり死亡報告数が、因果関係の有無に関わらず0.5を超えた場合に、専門家による調査会等の評価を行い、対応を速やかに検討することが適当である。
- また、死亡や重篤な有害事象とワクチンの関連性の検証のためには、関係者の協力を得て、今後、積極的疫学調査を行う仕組みを構築すべきである。
こういうものが出されていたので、再開するにあたって、問診表等も含めての細則の追加があると予測していたのですが、現時点では「一時中断 → 再開」であるだけのようです。今後に「追って」のものがあるかもしれませんが、神戸市からのFaxも含めて何も書かれていないので、基本的に従来通りの手順で接種を行なっても良いようです。
その辺をもう少し確認できるソースがないかと探してみると平成23年3月29日付「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業に関するQ&A (自治体向け)」がありました。HibとPCV7のところだけ引用しておきます。
No. | 質問内容 | 回答 |
1. | 接種の一時的見合わせにより、2回目以降の接種が遅れた場合には、どのように接種すればいいですか。また、事業の対象となりますか。 |
|
2. | 接種の一時的見合わせにより、平成24年3月末までに接種を終えることができなくなってしまった場合、平成24年4月以降に接種した分は、事業の対象となりますか。 | 接種の一時的見合わせは短期間であったことから、このことを理由に、平成24年3月末までに接種できなくなるという状況は、想定していません。 |
3. | 接種の一時的見合わせにより、通常と異なる接種間隔で接種した場合でも、ワクチン接種の効果はありますか。 | ワクチン接種後の免疫への効果については、仮に接種が多少遅れたとしても、一般に、大きな差はないとされています。 |
4. | 3月24日のとりまとめでは、「重篤な基礎疾患、例えば重篤な心疾患のある乳幼児については、状態を確認して慎重に接種する。その際、単独接種も考慮しつつ、同時接種が必要な場合には、医師の判断により実施する。」とされているが、具体的にどのような点に気をつけた対応をすればよいのか。それ以外の乳幼児と比較してどこが異なるのか。 |
|
5. | 重篤な基礎疾患のある乳幼児とは、具体的にどのような乳幼児か。 | 接種する医師が、重篤な心疾患など、重篤な基礎疾患があると判断する乳幼児を意味します。 |
6. | 同時接種を行うにあたって、「それぞれ単独接種が可能であることを示した上で」とされているが、具体的にどのように対応すればよいのか。書面等での説明が必要なのか。 | 書面の交付は必要ありませんが、適切な説明をお願いいたします。 |
7. | 複数のワクチンの同時接種を行う際に保護者の同意を求めるとされていますが、同時接種に対する同意書は必要ですか。 | 同時接種に対する同意書を求めるものではありませんが、複数のワクチンを同時接種する際には、それぞれのワクチンの単独接種が可能であることを説明した上で同時接種を希望するかどうか確認する必要があります。 |
8. | 接種の一時的見合わせの間に、本事業に基づくワクチン接種を行った場合の健康被害救済はどのようになりますか。 | 接種の一時的見合わせの期間中に、何らかの理由で接種が行われた場合にあっても、そのことのみを理由として健康被害救済の対象から外れることはありません。 |
9. | 接種の一時的見合わせによって、通常と異なる接種間隔で接種する場合がありますが、その場合の健康被害救済はどのようになりますか。 | 接種の一時的見合わせによって通常の接種間隔から遅れ、接種ができるようになった時点で速やかに接種する場合に、そのことのみを理由として健康被害救済の対象から外れることはありません。 |
10. | 接種の再開に伴う、医療機関等関係機関への周知はどのように行われますか。 | 市町村から契約医療機関への周知をお願いいたします。厚生労働省としては、都道府県にご案内するほか、ホームページへの掲載、日本医師会等への周知等を行います。 |
11. | 再開に当たって、担当者向けの説明会等の実施を考えているのか。 | 実施要領やQ&A、リーフレットの発出・公表等により周知することとしており、説明会の実施は予定していません。 |
12. | ・ヒブワクチンに異物が混入し自主回収をしたと聞いているが、その後の状況如何。 | 3月24日の専門家の会議において異物の混入の原因について報告がされており、接種後の死亡事例とは関係がないとされています。・ヒブワクチンの異物混入に伴う回収のため、地域によって、一時的に供給量が不足する可能性が考えられます。 |
13. | ヒブワクチンの異物混入に伴う回収により供給量が不足している場合の対応如何。 | ヒブワクチンの異物混入に伴う回収のため、地域によって、一時的に供給量が不足する可能性が考えられることについて、混乱が生じないよう、併せて周知をお願いします。このために接種が遅れた場合の対応については、一時的見合わせにより接種が遅れた場合の対応に準ずることとします。 |
いろいろ書いてあるのですが、実務的なところだけを解釈しておきますと、
- 中断により遅れた接種は、やり直しでなく継続で接種する事
- 重篤な基礎疾患を持つ児は接種医師が判別し、さらに単独接種・同時接種の判断も接種医師が行なう
- 同時接種に際してとくに新たな同意書等の書類は不要で口頭説明でOK
後は接種希望者の動向も読み難いところですが、これも蓋を開けてみないとわかりません。情報に詳しい方と、そもそも接種が中断されていた事すら知らない方まで様々なので、どういう動きになるかはこれからになりそうです。気になるのは接種再開の報道が先行していますが、問い合わせが思ったほど多くなかったことです。いろいろ懸念される事もありますが、後はなるようにしかならないですからねぇ。
そうそう今日のネタはエープリル・フールではありません。実は今年こそはとコソコソ準備していたのがあったのですが、震災で完璧に封印されました。どうもエープリル・フールとは相性が悪いようで、そういう巡り合せにあるようです。