尖閣ビデオの拡散力

ネタを練る間が無いのでお茶を濁します。予想通りと言うか、当然のように大きな波紋をもたらしています。色んな見解や、推測、憶測が乱れ飛んでいますが、問題の根幹を軽く押さえておけば、

  1. 国の情報管理の問題
  2. 流失したビデオそのものへの評価
これは分けて考えるべきでしょう。ここをゴッチャに論じてしまうと話が混乱する様に思っています。ビデオへの評価はこれも二つに分かれると思われます。
  1. 誰が流出させたか
  2. 流出の意図は何か
誰がについては、これも二つに分けられると思いますが、
  1. 個人よる義憤説
  2. 組織による謀略説
意図については陰謀論に花が咲くのは止めようがないでしょう。しばらくは色んな話が出てくるのは間違いありません。


尖閣ビデオそのものの話に触れると、なんにも根拠とする証拠が現時点では無いので、どう書いても陰謀論になってしまいます。ですのであえて内容はあまり降れない事にします。触れないと言いながら個人的には本物と考えていますから、それだけは前提として話を進めます。

もう驚くべきなのか、そうでないのか判断に迷う部分もあるのですが、今さらながらネットの情報拡散力の凄まじさです。これはマスコミ情報ですが、情報提供者は11/4にYouTubeに新規登録し尖閣ビデオをアップロードし、11/5朝にはビデオ消去の上にYouTubeの登録を抹消していると言う事です。どうも私が昨日の朝に見たのは消去寸前のものであったようです。

ただ昨朝の時点でも、オリジナルをDLして上げ直されたものが出ていました。今朝もアラアラに確認するとコピーされたと考えられるビデオが残っています。オリジナルであれ、コピーであれ、これを見てDLした人間は千単位で利かないとも言われています。こういうビデオへの削除圧力は確実にどこかで出ると考える者は少なくないでしょうからね。

ネット上の拡散は日本国内だけに留まらないでしょうから、コピーは海外にも広く拡散していると考えるのが妥当です。コピーとオリジナルに品質の差が無いのがデジタル画像の長所ですから、これだけ拡散すると誰にもこれを今から抹消する事は出来ないと言う事です。改めてネットの威力の凄さを再認識している次第です。


昨日も本業が忙しくて情報収集は殆んどできてないのですが、ネット前ならどうであったかの話が出ていました。これは仮定を個人の義憤説に置いていましたが、手順として、

  1. 情報提供者がビデオを編集
  2. 編集したビデオをマスコミに持ち込む
  3. マスコミは政府の圧力を配慮しながら公開を検討
  4. 仮に公開しても政府の圧力が後でかかる
  5. ビデオの公開も限定的な部分に留まり、さらにこれを複製できるのは、その時間に録画していた者のみ
尖閣ビデオは全部で44分もあるそうですから、マスコミ経由で発表しても数分ぐらいであったと推測されています。それに較べると今回の拡散力の大きさが良くわかります。

時代は確実に変りつつあります。情報管理にしても、ネット前なら流出後もコントロールする手段はまだありましたが、ネット時代になると加速度的に拡散していきます。そういう時代がやって来ているのが今回の尖閣ビデオの一つの教訓ではないでしょうか。これが良い時代になったのか、悪い時代になったのかは、その時に置かれる立場によって変わるでしょうが、良い悪いの評価を超えて「もうそうなっている」と考えて対応しなければならないように思います。

組織が不自然にある情報を隠そうと考えても、構成員の1人でも「その気」になれば、尖閣ビデオの二の舞になる可能性はいつでもあると言う事です。ネットと言うツールを巧妙に使いこなせば、時と場合によっては個人が既製マスコミに匹敵する情報発信力を持つ時代が来ている様に感じています。