ある転落事故をムックしてみる

11月3日付デイリースポーツより、

 事務所など関係者によると、三宅議員は2日午前2時ごろ、4階にある自宅マンションの部屋のベランダで、落とした携帯電話を取ろうとした際、ベランダのフェンスを越えて、1階のマンション敷地内に落ちたという。同2時14分に「マンション敷地内の1階にケガ人がいる」との119番通報があり、その後、都内の病院に搬送された。

 前日、同議員は秘書の誕生日会に出席。酒を飲んで帰宅したそうで、酔ってフラつき、誤って転落したものとみられているが、不審な点も残る。

 同議員が暮らす4階の部屋は角部屋。北、東、南の三方向にベランダがある。北はルーフバルコニー付きのベランダで、ここから転落しても3階の屋根にあたる部分が大きく出ているため、1階までは落ちにくい。

 東側にはエアコンの室外機を置く程度の広さのベランダが2カ所あるが、つながる窓は部屋の高い位置にあるため、出入りは難しい。

 南のベランダも下の階の屋根が大きく張り出している。ただ、このベランダの東側に面した部分から落ちた場合には1Fまで転落する可能性はある。しかし、1階に住む住民は「いつもネコが落ちてもわかるけど、昨晩は、そんな音もしなかったし、人が落ちて騒いでいる気配もなかった」と証言した。

 フェンスも1・5メートルほどあり、簡単に越えるのはやはり困難だ。

 警察の現場検証に立ち会った管理人によれば「警察の方も、どこに落ちたかハッキリわからなかったようです」と話した。実際に同議員の部屋の階下にある敷地内の植え込みに、転落した形跡は見当たらなかった。

さすがはスポーツ紙で妙に詳しいので、これから純粋に野次馬根性でムックしてみます。とりあえず現場情報が欲しいのですが、事件の舞台となったマンションの航空写真はこんな感じです、

この航空画像が事故現場である傍証ですが、現場マンションの南向きのエントランス部分のニュース画像とGoogle street viewを並べてみます。

TBSニュース画像 Google street view


ちょっと判り難いかもしれませんが、他の映像ともあわせて同じ場所と判断されます。航空画像は上側が北になるので、デイリースポーツ情報の
    北、東、南の三方向にベランダがある
なおかつ北側と南側のベランダが大きく、東側が小さいとなっています。この条件に当てはまるとすれば、わかりませんねぇ、強いて言えば南北にベランダがあるそうなので画像の右側のほうが該当しそうですが、なんとも言えません。ベランダの外観はどんな感じかと言えば、
おそらく東側の小さなベランダとは、画像手前の建物の4階部分にあるものと考えられます。確かにベランダはありますが狭くて小さくて、また出入する窓の位置も高めなので、「よっこらしょ」と跨がないと出れそうにありません。深夜に出る可能性は非常に低いと考えられます。それと小さなベランダのフェンスは見難いですが、ベランダの床から格子状のフェンスがある構造になっており、これも事件現場のベランダである事を否定的にします。

画像の奥側にある建物のベランダが事件の現場のイメージに近そうです。ただ同じかと言えばそうではなく、マンション住人の情報にある下の階の屋根が突き出した構造になっていません。航空写真を参考にするとおそらく北側部分ないし、この画像以外の部分でそういう構造があると考えられます。それでもマンションのデザイン上、どこの階のベランダの基本構造は同じだと考えられます。

このマンションは地下2階、地上7階建てだそうですが、全部が7階で均質の羊羹みたいなデザインではなく、場所によって階数が変わることは確認できます。最上階は時によっては若干のデザイン変更がありますが、事件現場は4階なので基本構造は同じと推測します。ではこのマンションベランダの外部構造はどんな感じかと言えば、

これも判り難いのですが、フェンスの外壁はある程度の高さまでコンクリートの壁があり、その上にガラス状のフェンスがある構造です。被害者は携帯電話を落としたと言う情報があり、それを拾おうとして誤って転落したとなっています。そうなると携帯の落ちた場所は、コンクリートの壁の上にあるガラス状フェンスの外側の非常に狭い部分になります。幅として10cmもあるでしょうか。もっと狭い印象もします。

そうなると転落時の状況は、ガラス状のフェンスの外側に落ちた携帯を拾おうとして手を伸ばし、それでも届かないために、ちょうど鉄棒の前回りをするような感じでさらに身を乗り出し、そこでバランスを崩して転落したと推測されます。

ではベランダの内側はどうなっているかです。

住民の情報では1.5m程度の高さとなっていますが、もうちょっと低そうな感じもします。比較が無いので難しいのですが、画像の右手奥にベランダ隔板がありますが、あれの高さは180cmぐらいが標準だったはずです。隔板の下にも隙間がありますから、隔板の中間の線の上縁までおよそ100cm程度と思われます。そうなると120cm程度しかないように思われます。

下部がコンクリート構造のベランダフェンスですから、上部がガラス状構造物としても150cmはどうも高すぎると考えます。150cmもあればフロアの高さの2/3以上にもなり、採光性にも問題が部屋によっては生じると考えられますし、圧迫感も非常に強いものになるからです。

とにかくこのフェンスを乗り越えて転落したのは事実のようですが、被害者の身長がどれぐらいかが問題にはなります。これがまた情報が乏しくて、小沢前幹事長と並んだ写真から170cmぐらいはあると言う説もあります。これもなんとも言えませんが、少なくとも160cm以上、それも160cm半ばぐらいの身長はあると考えても良さそうな気はします。

160cmとしても、フェンスからは40cm程度は体が出る事になります。ガラス状の上部構造物の高さは画像からフェンスの1/3程度と推測され、それなら40cm程度になります。問題の携帯が落ちた場所は、フェンスの外部構造からガラス状部分の外側の狭い部分しか考えられませんから、手を伸ばせば届きそうな感じがしないでもありません。


もっともなんですが、私の集めた情報では被害者の部屋のベランダフェンスと同じ構造であるかどうかの確証はありません。画像として拾えなかった部分の被害者のベランダ構造は異なっている可能性は否定できません。たとえばTBSがニュースとして流したこの画像です。

他の画像とマンション構造がやや異なっています。とりあえず建物は3階までしか確認できず、フェンスの構造もかなり異なっています。このニュースの後半部分の画像はたぶん間違い無く被害者のマンションなので、この画像もマンションの一部と見たいところですが、個人的には「どうだろう」と疑問を持っています。航空写真からもこの画像のような構造は特定できません。

ただこの画像ならマンション住人の証言と合致する部分があります。ルーフバルコニーの構造や、落ちてもせいぜい下の階でとどまる事、また画像ではやや不鮮明ですが、ガラス状の構造物の外側にかなり広めのスペースがありそうにも思います。フェンスの高さまではわかりませんが、この部分では住人の証言通り150cmの高さがあるのかもしれません。

ムックとしてはこれぐらいが精一杯でした。なにはともあれ、被害者が重傷から回復される事を心から祈るとともに、一刻も早い国政への復帰を国民として願っています。