医師増員を掲げる民主党は看護コースと病院を持つ大学の医学部新設を後押しするとしており、政権交代で機運が高まったかたちだ。医師養成学部・学科については、自民党政権時代の82年や97年の医学部定員削減の閣議決定を受け、新設の審査は行わない規定になっているが、今後撤廃されるとみられる。設置基準の緩和も進めば、他大学にも動きが広がる可能性がある。
設置を検討しているのは、国際医療福祉大(本校・栃木県大田原市)、北海道医療大(北海道当別町)、聖隷(せいれい)クリストファー大(浜松市)の3大学。いずれも看護や福祉系学部を持ち、大学病院や関連病院もある。
少子化の進行により学部によっては定員割れのニュースが珍しくなくなっていますが、現在でも多数の受験者を集められる期待がある医学部は、大学経営者にとって魅力的なようです。ただなんですが、医学部は教室と教員を確保したら一丁上がりと言うわけではありません。医学生のための実習病院、また卒前卒後の継続した教育もうるさくなってきているようですから、かなりの規模の病院が必要になります。
もっとも現在の研修制度はかつての入局あたり前ではありませんから、理屈の上では極力アウトソーシングした軽量開設も可能とは考えますが、「医師の偏在」の是正のために医局の医師派遣機能の強化なんて話もありますから、軽量開設では認可が下りないかもしれません。軽量開設が難しいニュアンスが、
-
大学病院や関連病院もある
診療科は並んだ名前しか見ていませんが、そこそこそろっているようですが、医学部の附属病院にするには結構こじんまりした規模です。ただ関連病院はwkipediaからですが、
病院3ヶ所と診療所1ヶ所が直営である事も確認できます。それとこれは初めて知ったのですが、姉妹校と言うのがあり、ここも広義の関連病院として協力を求める事ができるかもしれません。
次は聖隷クリストファー大ですが、ここは私の調べた範囲では大学病院はなさそうです。関連病院としては聖隷三方原病院がグループになるようですから、社会福祉法人 聖隷福祉事業団の病院は関連病院と考えても良さそうです。調べてみると、
6つの病院が確認できます。これだけの情報ですが、国際医療福祉大学は大学病院の拡張が必要そうであり、聖隷クリストファー大には大学病院の新設が必要であると考えて良さそうです。関連病院に関してはなんとも言えませんが、当面はこの数でもいけるんじゃないかなぁ、ぐらいの感想にしておきます。もっともしばらくは医師不足が続きそうですから、卒業生が医師になって確保できれば、かつての旧新設医大のように関連病院確保に難渋しないかもしれません。先の事はわかりませんけど。さてトリは北海道医療大です。ここは大学病院がありますが、規模は、
病床数 24床
病床数20床未満が有床診療所になりますから24床でも間違い無く病院です。診療科は、
内科, 呼吸器科, 消化器科, 心療内科, 小児科, 耳鼻咽喉科, 整形外科, 眼科, 皮膚科, 歯科総合診断科, 総合歯科診療科, 歯科口腔外科, 摂食・嚥下外来, 小児歯科, 矯正歯科, 口腔内科相談外来, 訪問歯科診療科
歯科系の充実が目立ちますが、これは現在歯学部の大学病院として位置付けられている関係かと思います。そのためか設備として、
歯科医師数 144人
歯科診療台数 117台
もっとも聖隷クリストファー大なんて大学病院の存在も確認出来ないのですから、あるだけマシと言えるかもしれません。では関連病院はどうなのかになりますが、wikipediaから、
調べられる範囲ではこれぐらいです。現在は歯学部ですから、これぐらいでも支障はないかもしれませんが、医学部として使える関連病院はどうも無さそうです。3つの大学の大学病院と関連病院を調べた範囲でまとめてみると、
* | 国際医療福祉大 | 聖隷クリストファー大 | 北海道医療大 |
大学病院 | 208床 | 無さそう | 24床 |
関連病院 | 病院3ヶ所 診療所1ヵ所 |
病院6ヶ所 | 無さそう |
現在「無さそう」とか、規模が不足している分は、きっと今から作るんでしょうねぇ。大学病院を1つ建設するのにどれほどの費用が必要かなんか想像もつかないのですが、個人的に知っている範囲の例を参考に挙げてみます。普通の地方公立病院の例ですから、あんまり参考にならないかもしれませんが、
- 北秋田市民病院(320床):総事業費 約96億円
- 十和田中央病院(379床):総事業費 約162.3億円
10円、20円の単価設定の引き下げの影響に苦悩する零細経営者からすると「リッチだなぁ」とホトホト感心してしまいました。