新型インフルエンザワクチン説明会

やはり関心は高いようで満員で立ち見になる方もたくさんおられました。内容的には収穫が乏しく、主に10/1(だったかな)に行なわれた都道府県担当者会議の要約程度でした。ちなみに説明に立たれたのは神戸市予防衛生課長です。

ロクにメモも取っていないので怪しい部分はありますが、とりあえず接種要領の「案」は10/14に正式承認されたとの事です。気になったのは「どこで」正式承認されたかですが、これが良くわかりませんでした。10/1に新型インフルエンザ対策会議が行なわれ、接種が10/19から開始されるのが正式決定されたのは知っていますが、やはり接種要領も対策会議で承認されたと考えるべきでしょうか。

対策会議で承認されたと仮定すると、10/1に鳩山内閣で1回目の会議が行なわれ、2回目が10/15の可能性も考えます。秋の臨時国会を目前に控えて総理も厚労大臣も超多忙ですから、それぐらいしか時間が取れなかっても不思議はありません。

それと10/19に医療関係者からの接種開始も「可能」ぐらいの情勢だそうです。「可能」とは接種希望者に対してワクチンが早くも大幅に不足しており、まず全国一律は不可能で、可能になる地域と言うより、可能になる医療機関が出るかもしれないレベルの状態と言う事でした。

以後のスケジュールもすこぶる不透明で、医療関係者段階でもワクチン不足ですから、11月に「妊婦」「基礎疾患を有する者」が予定通りに開始できるかは不安がテンコモリになります。とくに妊婦についてはチメロサール・フリーのシリンジ製剤の供給が11月中旬以降になっているそうです。チメロサール論争は今日は控えますが、今の流れでチメロサール入りのワクチン接種を妊婦に行なうのは無理でしょうから確実に遅れそうです。

おもしろかったのは、国が発表した接種スケジュールはあくまでも目安であり、実際の計画は都道府県の及び政令指定都市が状況を見ながら決定するというお話でした。現実ととしてそうならざるを得ないのでしょうが、なんとなく責任回避の遁辞にも聞こえてしまった私はヒネクレているのかもしれません。

それと各事業実施主体の役割と言うのが書かれていまして、

事業実施主体 役割
ワクチンの確保と受託医療機関の委託契約の締結
都道府県 ワクチン接種スケジュールの設定、在庫状況の把握
市町村 ワクチン接種を行う医療機関の確保、住民に対する周知、低所得者への負担軽減


な〜るほどと微笑していました。国の残りの役割はあんまりなさそうです。

それと10/1時点の説明の要約部分なので額面通り信じてよいかどうかは全くわかりませんが、

  1. 接種希望者と一般患者の別離は従来通りの方式でも構わない(口頭でそう述べておられました)
  2. 季節性と新型の同時接種はOK(配布資料に「OK」と明記してあります)
海外産でもOKかどうかは不明と言うより、現段階では未定と考えた方が良さそうです。これも現実的には季節性と接種時期がかなりずれるので、その時に事務連絡でもあるかもしれません。

とにかく細部になると「今後の動向」とか「医師の判断で」とかがやたらと多いのが素直な印象です。「医師の判断」も悪くないのですが、後追いの事務連絡で細かい規定が出てくるのは確実と予想されますから、これもシンドイ話と感じざるを得ない部分です。少しでも情報が遅れると「それは○月△日の事務連絡に基づき云々」の世界が展開されそうな悪寒です。

それとこれも既知の事ですが、インフルエンザ対策の目的として、

  1. 患者数の急激で大規模な増加を抑制・緩和し、社会活動の停滞や医療供給への影響を低減
  2. 医療機関への急激・過剰な負担を可能な限り減らし、重症患者に対する適切な医療を提供
  3. 基礎疾患を有する者等を守る

こういう事を書かれたスライドに大書してあったのが、

    ワクチンは感染防止でなく、死亡者を減らすため
別に間違った事が書かれているわけではありませんが、担当者が「このためにワクチンが重要です」のセリフは若干空々しく聞こえました。10/1の担当者会議では「強調せよ」とレクチャーされたと推測していますが、状況はワクチン接種がピークに間に合わないのはほとんど確実ですから、説明しながら苦しかったかもしれません。

最後のスライドも個人的には苦笑していましたが、書かれていたのは、

    非常事態と言う認識:選択・優先・連携
医療機関は嫌でも応でも非常事態になりますが、国は「非常事態と言う認識」はあるのかなと言うところです。後の質疑応答は神戸市の課長程度を問い詰めて言質を取ったところで、なんの意味も価値も無いので聞き流しています。

とりあえずご報告まで。