選挙の怖さ2

昨日から今日にかけては総選挙の結果の話題に持ちきりでしょうし、他の話題をかけても関心も低いでしょうから、ベタですが総選挙について触れてみます。ブログも4年以上やっていると前回の郵政選挙もエントリー(選挙の怖さ)に書いており、「う〜む、ブログにも歴史あり」なんて勝手に悦に入っています。つうのも4年前と感想がほとんど同じなのです。感想が同じなのは進歩が無いのか、ブレがないのか自分では判断が難しいのですが、とりあえずブレが無いことにしておきます。

それにしてもなんですが、やはり小選挙区制は怖いというか、怖すぎる気がします。今回の政党別得票率はまだ出ていないようですが、郵政選挙でも圧勝した自民と惨敗した民主の得票率の差は2%ぐらいであったとされます。今回はもう少し広いかもしれませんが、得票率が議席配分に反映されていないのは確実です。

選挙制度的には完全小選挙区制に近づくほど死票が多くなり、得票率と議席配分の乖離が大きくなるとされます。そういうデメリットと引き換えに安定多数の与党を生み出す効果があるとされます。長い間の中選挙区制から小選挙区比例代表制に移行したのは、様々な思惑があったとは思いますが、メリットである安定多数による与党の出現を期待した面が建前上は強かったと記憶しています。

郵政選挙も今回も与党が安定多数を握るというメリットは発揮されましたが、それにしても偏りすぎの気がしてしまいます。せいぜい民主が安定過半数程度で、自公が200弱程度が本来妥当な結果と思っています。どこかの政治評論家が、

    小選挙区制の持つダイナミズムが発揮された
こう論評されていましたが、個人的には「発揮されすぎだろう」と言うのが正直な感想です。多数を握るというのは安定しているように一見思えますが、人間のやる政治はそうは必ずしも進まず、多数による奢りと言うか緊張感の欠落した政権運用が行なわれることは目の当たりにしています。少数与党では不安定すぎますが、絶対多数が善とは必ずしも思えないからです。

ただ郵政選挙との違いは参議院にあるような気がします。郵政選挙の時点では自公は参議院でも過半数を握っており磐石でしたが、民主は参議院では過半数を握っておりません。これまでは政権与党の自公に対して共産や社民は「なんでも反対」でしたが、政権与党が民主に変わってどうなるかの不安定要因が出てくるとは思っています。

変な話なんですが、衆議院の選挙結果が「小選挙区のダイナミズム」とやらで極から極に走る代物に化したお蔭で、衆議院カーボンコピーと酷評され、存在価値が問われていた参議院の価値が高まる可能性を感じています。政治で少数意見を聞くとは、議案の承認のために協力を得る必要がある時じゃないと難しいですからね。

まあ、文句を言っても結果は結果ですし、これもまた国民の選択ですからどうしようもありません。勝った民主党への祝辞として、民主の4年の末路が自公政権末期にダブらない様に祈っておきましょうか。予感として、またぞろ4年後に小選挙区オセロがひっくり返る可能性は低くないと見ていますが、もうちょっと何とかならないかな・・・。