マイケル・ジャクソンを悼む

世界の音楽界の巨星マイケル・ジャクソンが本当に亡くなったようです。享年50歳、心から御冥福をお祈りします。

マイケルが活躍した時代は、ちょうど私の青春とシンクロするところがあり、正直なところマイケルファンではありませんでしたが、ファンでなくとも誰でも文句なしに知っているスーパースターです。マイケルの音楽市場に残した足跡はwikipediaに簡潔にまとめられています。

ギネス・ワールド・レコーズでは史上最も成功したエンターテイナーとして認定されている。世界総売上げは7億5000万枚(2006年10月末現在)以上。エルヴィス・プレスリーザ・ビートルズと同様に、歴史上の天才の一人。ギネス記録は「全米シングルチャートで首位を獲得した最年少ボーカリスト(ジャクソン・ファイヴ当時11歳)」、「全米シングルチャートで初登場1位を記録した最初のボーカリスト(You Are Not Alone)」、「年間売上げ高が1億ドルを超えた最初のエンターテイナー(1989年、Forbes誌)」、「史上最高額の所得を得たエンターテイナー(89年に1億2500万ドル)」などの記録を保有

マイケルの評伝については無数に書かれているでしょうし、しばらくはこれも無数に書かれると思いますが、私の記憶に鮮烈に残っているのはやはり「スリラー」です。余りにもあたり前のスリラーですが、それでもやっぱり「スリラー」こそマイケルの象徴になると思いますし、これからも長く語り継がれるのはスリラーと思っています。

音楽には無数のスノブがおられると思いますので、今日書くことは私の記憶にある思い出だけです。なんと言ってもスリラーは1983年の発売であり、今から26年前のことになりますから、あくまでも当時青春時代であった私がスリラーに受けた印象と言うか衝撃を偲んでみたいと思います。

1983年頃は確かレコードからCDへの切り替えが終わった頃かと思います。とは言え、音楽を聞くのにipodみたな便利な代物は夢の話で、今の様にCDを手軽にコピーするのも夢の時代です。PCはまだまだ趣味の時代で、ネットとなんてものはパソコン通信としてもあったかどうかも知りません。それ以前にパソコン自体が無茶苦茶高価で、今の様に手軽に誰でもなんてそれこそ「21世紀の夢」の時代です。

新しい音楽や曲を情報源はテレビかラジオに限定され、繰り返し聞きたいと思えば、CDを買うか、レンタルCDからカセットテープに録音するしか無い時代です。ビデオはVHSが普及していましたが、まだまだ高価な時代で、私は学生時代についに手にすることは出来ませんでした。DVDなんて陰も形もなかったかと思っています。

音楽のセールスにプロモーション・ビデオが登場したのもこの時代かと思っています。それ以前からもあったとは思っていますし、今でもあるかもしれませんが、アメリカのMusic TVチャンネルが日本でも放映されて一般にも認知された様に思っています。とは言え、あくまでも当時のPVはCDを売るための宣伝の一つであり、殆んどは歌手の演奏シーン+α程度のものであったと記憶しています。つまりは存在的はついでのオマケみたいな感じです。

そういう時代に突如出現したのがスリラーです。それこそ時代を一遍に20年以上飛び越えたセンスと情熱、手間と費用で作り上げられたのがスリラーのPVです。私は思い入れがあるので格別ですが、そうでなくともそのストーリー性の高さ、細部にわたる作りこみの丁寧さ、作品としての完成度の高さは今もって「世界一」と評されるのは素直にうなづけます。

今でも賛嘆されるスリラーのPVですが、当時リアルタイムで見たときの衝撃は腰を抜かさんばかりであったとしても言い過ぎではありません。CDを売るためのオマケのPVではなく、PV自体が一つの芸術作品として完成しており、PVのテーマ曲としてスリラーがあるように素直に感じたものです。

衝撃を受けたのは私だけではなく、当時の人間はすべてと行ってよいほど衝撃を受け、多大な影響を残したと思っています。当然の様にこれも無数のスリラーのパロディは作られましたが、本物のスリラーにはパロディである分を差し引いても遠く及ばなかったと思っています。それぐらい超絶としていたのがスリラーのPVです。

うちの職員でもスリラーのPVは全員知っていました。そしてあの特徴的なダンスシーンの振り付けの一端も全員知っていました。音楽ビデオを買うにも肝心のビデオデッキを持っていなかった私は、なんとかこれを見ようと思ってMTVに長々と付き合っていた時代を思い出しています。スリラーのPVはフルバージョンとショートバージョンがあるようですが、今は便利な時代です。

当時でも滅多に見られなかったフルバージョンがYouTubeで手軽に見られる時代になりました。当時を知ってられる方は懐かしんでください。知らない方は今のオッサン世代が驚愕したPVを見て欲しいと思います。

そして偉大なるスーパースターに哀悼の意を捧げてもらえれば思います。



どうもうまくリンクできないようなので、

 http://www.youtube.com/watch?v=hOj5H5W9zYo

で見てください。