福岡でも話題になりましたが発見封じ込め策の根拠を探してみました。昨日は博多の壁として例えましたが、東京でもTOM様からの情報で、
ただしサーベイランス条件は少し緩和(?)され、同一集団から3名のそれらしい有症状者がおり、内1人以上に迅速でA型出てる場合、となりました(今まではA型確定者3名以上が条件)。
東京以外の詳細情報は調べていません(手抜きです)、神戸は「その他」地域で独自活動になっていますから参考になる情報がありません。そこで調べてみると5/24付け厚生労働省健康局結核感染症課・事務連絡「新型インフルエンザに係る症例定義及び届出様式の再改定について」には非常に微妙な表現が散りばめられています。
問1 疑似症患者と医師が判断したらすぐに届出が必要なのか?
直ちに届出が必要なわけではありません。インフルエンザ様の症状、インフルエンザ迅速診断キットの結果を踏まえ新型インフルエンザが臨床的に強く疑われる場合は、原則、医師は疑似症患者と判断し、保健所に疫学的な情報を含めて連絡することになります。
この段階では、疑似症患者ではあるものの、「感染を疑うに足りる正当な理由がある」(以下「正当な理由」とする)という要件が不足しているため、法に基づく届出の対象にはなりません。
医師からの連絡をうけ、保健所・都道府県等において疫学的な情報から「正当な理由」があるかどうかについて検討し、あるとされた場合には、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(以下法という)第12条第1項に基づき医師は疑似症患者の届出を行う義務が生じます。
医師が新型を疑う要件として、
- インフルエンザ様の症状
- インフルエンザ迅速診断キットの結果
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感染を疑うに足りる正当な理由がある」(以下「正当な理由」とする)という要件が不足
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疫学的な情報から「正当な理由」があるかどうかについて検討
従来、疑似症患者は、新型インフルエンザがまん延している国又は地域等の滞在歴・渡航歴等の疫学的要件が必要であったが、今回の改定では、症状及び医師の臨床的な判断のみとした。
あれれれ、疫学的要件は消えたのかと一瞬思ったのですが、これはあくまでも擬似症段階のお話であり、従来は擬似症とするのにも疫学的要件が必要だったのが、5/22付で擬似症として届るのに疫学的要件は不要となったとしています。ええいややこしい、擬似症として届られたものを「当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由」てなものが新たに加わったようです。これも具体的には、
通知に示しているとおり、「疫学的に感染の疑いが濃厚であるかどうか等を勘案して判断することとなる」が、具体的には以下のような観点を総合的に加味して判断することとなる。
※疫学的な情報は、海外においてはWHO、CDC、各国政府ホームページ、国立感染症研究所等の公式な情報を、日本国内においては、厚生労働省もしくは地方自治体により公表された情報とする。
- 感染が報告されている地域(国内外)での滞在又は旅行歴
- まん延していると考えられる地域(5月21日時点で、米国(本土)、メキシコ、カナダ)
- まん延しているとは考えられていない地域ではあるが急速な患者数の増大が見られる場合
- 新型インフルエンザ患者との濃厚な接触歴がある
- 職場、学校または家庭などにおけるインフルエンザ様症状の発生状況
- インフルエンザ様症状を呈している者が、患者の周囲に3名以上いる場合
- 他の疾患を強く疑われる場合でないこと
- 患者の周辺に、他の疾患が流行していない場合
東京の壁の根拠がやっと出てきました。
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インフルエンザ様症状を呈している者が、患者の周囲に3名以上いる場合
驚いちゃったのは、「蔓延地域」はメキシコ・アメリカ・カナダ・オーストラリアだけで、他の国は入らず、それどころか国内は全て削除されました(前版は神戸・大阪が入っていた)。
独自に設定しているらしいの根拠は、国立感染研究所のWHO発表の確定例(累計) (日本時間 2009年6月10日 午後3時現在)(魚拓)での厚労省が定める蔓延国がメキシコ・アメリカ・カナダだけで、オーストラリアが含まれていないからです。
PCRの検査基準は
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