飲酒診療は絶対禁止すべきだ

4/2付Asahi.comより前半部分(魚拓)後半部分(魚拓)です。直接引用すると少々長いので、ごく簡単に要約だけしておくと、産科医が酒に酔っていたのに分娩を行なったと言う記事です。まずなんですが、酒に酔って医療行為を行なうことは良いことではありません、記事中の厚労省医事課のコメントにあるように、

飲酒した医師に診療させてはいけないのは常識

この厚労省医事課コメントは直ちに全医療界に周知徹底すべきです。たとえ一滴でもアルコールを口にした医師に絶対に医療行為をさせてはなりません。これは医師法改正の価値があるとも考えます。飲酒運転よりも遥かに悪質な行為ですから、速やかに根絶させるのが医療の向上につながります。これまで漫然と放置していたことさえ許されざる行為です。医者の非常識もこれに極まれりです。さらに厚労省医事課は明快なコメントを残しています。

法に定めがないのは、他に医者がいない場合の緊急避難的な措置を想定してのことで、通常ならあり得ない

この「法に定めがない」と言うのは、これでも温すぎる状態かと思いますし、今まで放置してきたのは怠慢かと存じます。法改正は簡単ではありませんから、とりあえずここは厚労省の伝家の宝刀である「通達」できっちり明文化すべきだと考えます。まず通達で厳重に禁止し、政治状況に余裕が出来たら速やかに法改正の段取りを行なうべしです。

ここでなんですが通達や法改正の非常に参考になるコメントを厚労省医事課はされています。まずまず明快に

    通常ならあり得ない
つまり絶対に行ってはならない行為としての定義です。これは可能な限り厳格に定義すべきことです。単に全面禁止とするだけで必要にして十分かと思います。その上で、
    他に医者がいない場合の緊急避難的な措置
これについては、民法でも刑法でも緊急避難の定めはあり、どうしても必要なときには緊急避難として必要な行為は行われ、これを免責とする規定があります。刑法なら刑法37条1項但書に、民法なら民法720条2項です。法律の解釈論は厄介ですからそういう法があると言う事で回避しますが、緊急避難的に酒に酔った医師が医療行為を行なうのなら、この刑法・民法の規定に適合する時のみに行なうのが妥当と考えます。

通達や法改正に反映させるとしたら、民法上・刑法上の緊急避難行為である旨を明記すべしです。緊急避難行為であるとの趣旨は、飲酒状態で治療を行うことを認めるだけでなく、飲酒状態で治療した結果に対しても同様でなければなりません。飲酒状態である医師の医療行為は通常とはまったく異なっており、それでも人命のためにやむなく緊急避難として治療させるわけですから、結果についても問うては整合性を欠きます。治療しなくては人命に関わるのですから、飲酒医師でも「いないよりマシ」という前提のあくまでも緊急避難であるからです。

どうしてこんな常識的なことが放置されてきたのか極めて不思議です。即刻厳重なる対処を厚労省に要求します。罰則は直ちに医師免許剥奪ぐらいが適当かと存じます。これでも温いですから、罰金付きの実刑にしても良いと思います。懲役をつけたって構いません。それぐらいの厳罰にすれば、今後は飲酒をして医療を行なおうとする不心得者は直ちに根絶できるかと思います。飲酒運転よりはるかに悪質な行為だからです。

法改正のポイントをまとめておくと、、

  1. 飲酒診療は全面禁止
  2. 緊急避難として飲酒診療を行う時は、診療行為の免責と診療結果の免責を行なう
そうそう、根絶すべきなのは飲酒診療であって、医師がプライベート・タイムに飲酒するのとは無関係です。