あまり触れたくないタブロイド紙ですが、個人的には論説委員並みの内容かと感じますのであえて取り上げます。10/18付毎日新聞・滋賀より、
コンパス:先月下旬、夏休みを取って韓国に出向いた… /滋賀
先月下旬、夏休みを取って韓国に出向いた。ソウルの地下鉄に乗ると、大声で女性用のストッキングなどを売り歩く男性らがいて、とてもにぎやか。寝入った2歳の息子を抱いて乗車すると、席を譲ってくれる男性がいて、さりげない心遣いに感心させられた。
車内では、若者からお年寄りまで携帯電話でおしゃべりしていた。日本には静かに乗車するよう努める暗黙のルールのようなものがあり、電車内で通話すると、他の乗客の冷たい視線を浴びるが、韓国の習慣では問題がない様子。日本でも「せっかく外出時に重宝する道具なのだから、思う存分、通話してもいいのでは」と思った。
電車内の怪しげな物売りもたくましくて、見習いたいくらいだ。ただ、ドアの前であぐらをかいて地べたに座り込む高校生の姿は、日本の若者と同じで、みっともない。【近藤修史】
記事は記者の韓国見聞記のようです。内容的には初歩的な比較文化論みたいな形式ですが、記者が強調している韓国の美点を、順番が前後しますがあげていきます。
寝入った2歳の息子を抱いて乗車すると、席を譲ってくれる男性がいて、さりげない心遣いに感心させられた
これは素直に共感します。日本でも同じ行動をされる方ももちろんおられますが、どこの国であってもこういう心遣いを褒めるのは良い事かと考えます。記者が特筆するぐらいですから韓国旅行中に幾度か同様の経験をされてのものだと考えたいところです。さすがは儒教精神がしっかり息づいている国と言ったところでしょうか。
ただ次の点はどうかと思います。
車内では、若者からお年寄りまで携帯電話でおしゃべりしていた。日本には静かに乗車するよう努める暗黙のルールのようなものがあり、電車内で通話すると、他の乗客の冷たい視線を浴びるが、韓国の習慣では問題がない様子。
電車の中での携帯電話でのおしゃべり礼賛です。あくまでも私の意見かもしれませんが、
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日本には静かに乗車するよう努める暗黙のルール
日本でも「せっかく外出時に重宝する道具なのだから、思う存分、通話してもいいのでは」と思った。
車内で携帯電話が思う存分話せないことに強い不満を抱いておられるようです。記者の考え方としては日本人の大多数も電車の中で大声で携帯電話を話したいと思っているはずだから、韓国を見習うべきと主張していると考えられます。
電車内の怪しげな物売りもたくましくて、見習いたいくらいだ。
これも同一線上の主張と考えられ、携帯電話の件と同様に
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電車の中は騒々しいのが望ましい状態である。
新聞社は違いますが、読売の新聞週間の社説には
読売新聞の世論調査では、新聞への信頼度は今年も8割を超え、ニュースの解説、社会の懸案の解決策提案という役割では他のメディアを引き離した。
読売とタブロイド紙を同列において論じるのは無理筋の意見があるとは思いますが、
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社会の懸案の解決策提案
ついでですからもう一点気になるのは、
ただ、ドアの前であぐらをかいて地べたに座り込む高校生の姿は、日本の若者と同じで、みっともない。
この辺は地域柄や時間帯によって差はあるでしょうし、私も頻繁に電車を利用しているわけではありませんが、「ドアの前にあぐらをかいて地べたに座り込む高校生」は残念ながら見たことがありません。この記者は韓国でしばしば目撃したのでそう書かれているのでしょうし、日本でもきっと日常的に目にしているから書いたと判断します。
この記事は滋賀の地方版ですから、当然記者も滋賀在住かと考えます。そうなると記者が日本で目にした「ドアの前にあぐらをかいて地べたに座り込む高校生」は滋賀の車内で目にした可能性が高くなります。滋賀では日常的に「ドアの前にあぐらをかいて地べたに座り込む高校生」が見られるのでしょうか。これについては情報を持ちませんので、御存知の方がおられれば情報頂けると幸いです。