NHKの「たらい回し」報道姿勢・続編

「続編」と言っても「その1」が2/25エントリーですから、約半年ぶりの続編になります。簡単に「その1」を振り返っておくと、Med_Law様のNHKへの電凸体験談です。

いつの報道かはわかりませんが、発言されたのは、『ご近所の底力』の堀尾正明アナウンサーだそうです。私はあんまりテレビを見ないのでわかりませんが、どこかのニュースだと思います。あのMed_Law様からの電凸ですから、かなり迫力があったんじゃないかと勝手に想像しています。

それでもってNHKからの回答の要旨は、

    たらい回しは、医療システムに対する非難である。救急病院の指定を受けながら受け入れないことで被害者を出していることに対する非難である。システムの責任については、病院が責任を負わなければならない。

NHKからの回答についての解説は2/25エントリーを御参照ください。実は2月からのNHKの「たらい回し」報道がどうなっているか確認できておらず(さして大きな「たらい回し」報道が無かったので・・・)、ひょっとして姿勢が変わっているかも知れませんので、ここではあくまでも今年2月の時点の話としておきます。

Med_Law様が電凸したのは2/23の「たらい回し」報道です。たぶん間違いないはずです。一方で同時期に「たらい回し」報道でNHK電凸抗議された方がおられたのが判明しました。8/8の通りすがり様のコメントですが、

    2月25日の記事で
    http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080225
    Yosyan様がMed_Law様がNHKに対して行った質問とその回答について書かれています。

    NHKは「システムの責任は病院の責任」としていますが(これも一種の「捏造」だと個人的には思います)、少なくとも2月14,15日の時点でNHKの報道について抗議があったんですよ。少なくとも二件は。
    http://phn.ti-da.net/e1957657.html
    (コメントに投稿された方のNHKへの抗議は私がしたものです。電話をしたのは14日だったと思います。バレンタイン?何それ食べられるんですか?)

    今になって思うと、少なくとも私の抗議には結構抜けているところがあります。しかし、NHKがそれらの抗議を知った上でMed_Law様へ25日の記事のような回答をしたのなら、それは調査不足や無知というレベルの問題ではないように思います。

通りすがり様が引用されたブログは「保健師のまとめブログ」なんですが、NHKが「たらい回し」に固執。お昼もニュース7でもの中に

ちなみに、NHK視聴者コールセンターに、「たらい回しではなく、受け入れ不可能という現実にあった表現を使って欲しい」という旨の電話してみると、「担当者に伝えます」との回答でした

このエントリーは2/14に書かれておりMed_Law様より以前である事がわかり、その時の回答は、

    担当者に伝えます
短い文章なのですが、受け取り方として「抗議はお聞きしました、今後の対応は検討します。」ぐらいのニュアンスに受けとれるものです。同日のコメントがあるのですが、少し長いので要点部分だけ抜粋します。

NHKにはこのような意見を伝えた。よって、以後の『たらい回し』という表現は少なくともそのような意見を知った上で、それでも『たらい回し』と言っているのだ」

とか、

 「以後、誰かがこの『たらい回し』表現について抗議・質問をする際に、

  • 〜〜のような意見があったはずなのに表現を変えない理由は何ですか?
  • NHKは表現を変える必要はないと判断した』、『NHKは知っていてわざとやっている』と理解してかまいませんね?
  • もしこれから『たらい回し』等の表現を止めるならば、今までそのような表現をしていた理由を視聴者に説明すべきでは?等のことを質問や抗議するときにNHKに伝えてほしい」
などということを、このコメントを見た人に伝えたい、多くの人に伝えたい、・・・という意図は特には無いことをあらかじめ付け加えさせていただきます。
そんな意図は無いよ! 絶対に無いよ!!  も〜!「無い」って言ってるのにー!!

抗議の要点は引用先を御参照ください。この抗議が行われた正確な日付は不明ですが、コメントは2/15に投稿されています。NHKの回答内容については

NHKからのお答えについては、お客さま宛てのものであり、許可なく回答内容を転用、二次使用することは固くお断りいたします。

これを引用先のブログ主様およびコメントされた通りすがり様も遵守されているので詳細は分かりませんが、印象として、

なお、担当の人の応対は非常に丁寧だったと感じました。

このコメントでの回答内容は行間を読まなければなりませんが、引用先のブログ主様への回答と同様に玉虫色であったのじゃないかと考えられます。ここで引用先のエントリーのupが2/14、コメントの投稿が2/15である事から、お二人は2/13付のNHK焦点ニュース(魚拓)について行われたと考えられます。「たらい回し」が使われた個所は、引用先ブログ主様が書かれていますが、

産科や小児科の閉鎖、たらい回しにされる急病患者が相次ぐなか、誰もが住んでいる地域で安心して医療を受けられる体制の確立が急務となっています。

この部分であるかと考えられます。もっともこの部分だけではなく、それまでの「たらい回し」報道も踏まえて抗議されている事は通りすがり様のコメントからよく分かります。

煩雑になりましたが、「たらい回し」の電凸3件の結果をまとめると、

  1. おそらく2/14に2件が行なわれた。


      NHKは「検討する」の趣旨の玉虫色回答を行なった。


  2. これもおそらく2/23にMed_Law様が電凸した時には


      NHKの回答は「たらい回しは、医療システムに対する非難である。救急病院の指定を受けながら受け入れないことで被害者を出していることに対する非難である。システムの責任については、病院が責任を負わなければならない。」
このNHKの回答の相違は電凸した人間のキャラの問題、抗議に対応した担当者の問題とする考えもあるでしょうが、Med_Law様への対応回答も含めて考えると、こうとも推測できます。
    2/15時点では「たらい回し」報道への抗議についての回答指針が出来ていなかったが、その後「担当者」が協議して「回答」が作成され電凸対応部署に周知された。これはMed_Law様が電凸した2/23時点には周知が終わっており、それに従って対応回答した。
NHKは局の基本姿勢として、あくまでも「たらい回し」と言う言葉を正式に使い続ける決定が為されたと考える事が可能です。確認事実がこれだけしかないのですが、この推測の根拠として、通常抗議電話に対する対応は「受け流し」「先送り」が基本かと考えます。言うだけ言わしておいてガス抜きをさせ、言質を取られないように「不快に感じる点があった事をお詫び」し、今後の対応は「担当者と協議」ぐらいでチョンです。つまり間違っても担当者の独断で踏み込んだ判断はしないという事です。

Med_Law様への回答はどう読んでもかなり踏み込んだ回答です。あれだけの回答を担当者が行なうには、さらに上層部で「統一回答指針」を定めていないと不可能の回答と考えられます。可能性としてはMed_Law様を担当されたNHK職員が余ほど変な奴で、その変な奴の暴走と言う可能性は残りますが、変な奴の暴走にしては理路整然としすぎているんじゃないかと感じます。

恐るべしNHKです。