忘れとった!

てなほど大変な事ではありません。数日前に中間管理職様のブログが2周年で、祝辞コメントを書いていたら思い出したのです、うちも3周年だったって。ちなみにブログがhatena引越し3周年で、診療所が5周年です。貴重なイベントネタなので思い出したら早速としたかったのですが、先週は厚労省中医協資料データ不正流用疑惑に追われて延期につぐ延期で今日と言う事になっちゃいました。別に遅れても差し障りのある話題ではありませんからエエって事で。

3周年を迎えたからと言ってどこがどう変わる訳ではありませんが、一応4年目の目標みたいのを立てたいと思います。参考にしたいのは当ブログの大恩人であるお弟子様のコメントです。

Yosyanセンセ、日曜祝日はお休みしましょう。
 こんな面白い発表があったとか、最近の学会や研究会の傾向、とか、地元医師会の場での雰囲気、とかそんなんでもいいかもしれません

地元の医師会活動には極めて不熱心なもので「雰囲気」レポートは出来ません。またここのコメンテーター相手に「最近の学会や研究会の傾向」なんて空恐ろしいレポートなんて書けません。所詮は町医者ですから、臨床の興味も最先端の動向よりも日常診療に役立つ現実的な情報収集に力点が偏っており、あまりにも地面にベッタリのお話を書いてもチョットと言うところです。

お弟子様の御希望には完全にはお応えできませんが、日曜祝日ぐらいは趣向を変えたエントリーにするか、休載を考える事にしたいと思っています。時には医療崩壊から離れた雑談系が混じった方が私の息抜きにもなります。正直なところ、毎日毎日、あきもせずに医療崩壊ネタを書き続けていくのも煮詰まってきた感じもするからです。この路線に変わって2年以上ですから煮詰まらないのが不思議と言うところでしょうか。


これだけじゃ、3周年エントリーとして短いので、もう少し続けます。去年も一昨年も診療所の開業当時の思い出を書いたのですが、さすがに3年続けては食傷気味なので、ブログの思い出にしてみたいと思います。知ってられる方は知ってられるのですが、「新小児科医のつぶやき」と言う芸の無いブログ名の由来は前身に「小児科医のつぶやき」(既に消去消滅)があったからです。やく5ヶ月続いたのですが、hatenaに乗り換えた時、区別するために至極単純に「新」をかぶせただけのものです。

hatenaに乗り換えた理由も「小児科医のつぶやき」はフリーソフトで動かしていたのですが、5ヶ月も使うとバグのためにニッチもサッチも動かなくなったのです。単にそれだけです。当然のように「小児科医のつぶやき」は極端にアクセスの少ないブログで、おそらくですがレギュラー読者は1人だったと思います。コメントをくれたのもその方だけで、アクセス記録も私とその方で90%ですから典型的な閑散ブログでした。

5ヶ月もそんな事をやっていたので、

    ブログとは滅多な事で他人には読まれないもの
そういう風に信じ込んでいました。hatenaに引っ越しても状況はさして変わらず、書いても書いても反響の無いブログを自己満足でやっている状態だったのです。

ブログを始めた3年半前もhatenaに引っ越した3年前も、ほんの少し前なのに今とはかなり状況が違います。とりあえず当時はまだブログと言うツールが出たばっかりで、どうやって使おうか摸索していた時代だったように感じています。私も「インターネット上の日記」なんて説明を聞いて、「なんで他人の日記がこれからのネットで重要になるんだろう?」と頭を捻ったものです。コメントを集めて議論するならBBSで必要にして十分じゃないかと言う感じです。

それでも物珍しさに惹かれて始めたのですが、当時はまだ医師のブログを探すのも一苦労でした。それでも他の医師は何を書いているのだろうと参考のために探してみると、

  1. 疾患解説系
  2. 病院の裏話系
  3. 単なる雑談系
  4. 女医のお話系
「女医のお話系」の言い方は女性医師に大変失礼にあたるのですが、ジャンルとして当時はある程度確立しており、何を期待してかは御想像にお任せしますし、内容は御想像とはもちろん程遠いものですが、「女医」という言葉の響きだけで魅力的としてありました。それと当時の初心者のためのブログ解説に「ブログは偏ったテーマで書かない」てのをどこかで読みました。それならブログの王道は「雑食系」かと勝手に思い込んで(女医のお話系は無理ですし・・・)スタートしたのです。

ところでブログを初めて1年ぐらいは今からでは想像もつかないぐらい医療界は平和でした。医療のことなんて書こうと思ってもさしたるニュースは乏しく、個人的にも割り箸事件や女子医大事件と言われても「ニュースで聞いた事がある」程度であった事を白状しておきます。認識として「マスコミが『悪い』と言っているから、きっと『悪い』のだろう」です。そういう情報の極北の最先端とも言える2chですら、やっと泉崎村から瀬棚ぐらいの段階だったと思いますから推して知るべしです。

そこから思うと今は信じられない思いです。これも記憶に頼って書きますが、当時も小児科医不足の話題はありましたが、どこかの新聞の特集にとある小児科医が答えて、

    小児救急は24時間のコンビニ医療が理想だ
こういう記事に反発すらほとんど起こらなかった時代から考えると嘘のようです。さらに言えば今なら「奴隷医礼賛」と切って捨てられる精神論も、ほんの2年ぐらい前にはネットですら有力意見であった事は事実ですし、ネット医師ですら医療崩壊に対し心配していたのは、精神論で支えられている日本の医療の医師精神がこのままでは崩壊してしまうです。私もそう書いたエントリーはありますし、当時は多くの共鳴がありました。

それでも3周年ですから一つぐらい自慢して良いと思います。私も福島事件を契機にして医療崩壊問題に取り組ましたが、当時の見識でですが、

    すべての医療問題の根源はすべて予算不足に通じる
という結論を2年前に出しています。その結論を出してから、膨大な知見が蓄積されましたが、珍しくこの予想は当っていると考えています。今でも医療問題を考える時の根本はこの結論から展開して考えていますし、根源問題を解決せずに小手先でどういじくっても何の解決も生み出されないという姿勢です。自慢するほどではなくて、誰でも考えればすぐに導き出される結論ですが、今日は日曜日ですからお目こぼしください。