医療機関の未収金問題に関する検討会 第1回議事録より

この検討会は第2回議事録までupされているのですが、読んだ事のある人なら、議事録を読むのがどれだけ大変か分かっていただけると思います。昨日からボチボチ読んでいるのですが、正直なところヘドの出そうな作業です。ただこの手の検討会は裏で厚生労働省がシナリオを書いて落としどころを決定しているのは周知のことで、会議の流れをつかむには事務局の発言を読むのが一番効率的です。

その他の委員発言は厚生労働省の意向に副ったものは採用されますし、そうでないものは無視されます。また委員の中に御用委員を送り込んで、多数派を既に形成させているのも言うまでもないことです。そういう趣旨で第1回議事録から事務局発言をピックアップしたいと思います。ピックアップと言っても相当な長口舌ですから、適宜分割しながら読んでみたいと思います。

発言者は厚生労働省保険局国民健康保険課長の神田裕二氏です。

それでは、お手元の資料4について御説明申し上げます。

 一部負担金等に関する資料ということで、一部負担金の今の現行制度がどのようになっているのかということですとか、過去の経緯などについて整理をしましたので、御報告申し上げたいと思います。

 まず、お開きいただきまして1ページ目でございますが、国民健康保険法の法律でどうなっているのかということでございますけれども、42条というところで、「保険医療機関等について療養の給付を受ける者は、保険医療機関等に支払わなければならない」ということで、法律上、被保険者は払わなければならないということは明記をされています。

 それから、2項で、保険医療機関等、等は保険薬局になりますけれども、「一部負担金の支払いを受けるべきものとし」というふうに書いてあって、受領義務は法律上明定されているということでございます。

 それから、先ほど若干お話が出ておりましたけれども、「保険医療機関等が善良な管理者と同一の注意をもって支払いを受けることに努めたにもかかわらず、なお払わない場合には、保険者はこの法律の規定による徴収金の例によりこれを処分することができる」、

結果的には、保険料と同じように滞納処分ができます、という規定がございます。

まずは静かに法律上の規定を説明しています。一部負担金については、

  1. 法律上、被保険者は払わなければならないということは明記
  2. 保険薬局は受領義務は法律上明定
  3. 結果的には、保険料と同じように滞納処分ができます、という規定
この辺は昨日のエントリーに書いた事の復習に近いと思います。

 それから、次のページの44条でございますけれども、先ほどから、払えるのに払わない人と、払えない人がいて、後者には一定の配慮が必要だ、ということでありますけれども、44条で、特別の理由がある被保険者については、保険医療機関等に、一部負担金を払うことが困難だという場合には、次のような措置をとることができます、という規定がございまして、減額、免除それから徴収を猶予する。徴収を猶予しますと、当然その間、保険医療機関に収入はありませんので、この場合は保険者が徴収をすることとして、後から保険医療機関にお支払いをするということになっているわけでございます。

次に減免措置についての解釈です。ここに微妙なポイントが含まれているのですが、減免措置を講じたときの保険者の対応は、

  1. 特別の事情により減免措置を保険者は決定する
  2. 決定に従って保険者が徴収する
  3. 当然のように自己負担分の徴収が遅れるが、医療機関には徴収が出来た時点で支払う
ここで気になるのは、自己負担分の減免された額についての行方ですが、その点については続く説明に記されています。

 具体的にここで言う事由というのはどういうものかというのは、12ページに通達で解釈が示されております。

 12ページの通達解除の第1の1というところで、徴収猶予、2で減免と書いておりますが、事由は同じでございまして、1にありますように、災害の場合、2にありますように、国保ですと、農作物の不作等で収入が減ったとき、それから、事業の休廃止、失業等によって収入が減ったとき、その他これと類するような場合には減免ができます。

 減免をしますと、その証明書を交付しまして、それを窓口に保険証と一緒に出していただきますと、その減免された額を納めればいいということになっているということでございます。

 それから、2ページに戻っていただきまして、45条でありますけれども、保険者は、診療報酬は保険医療機関に払うわけでありますけれども、法律上は、療養の給付に要する費用の額から、一部負担金に相当する額を控除した額を払いますよと、一部負担金は差し引いて払うということが明定してございます。

これだけでは分かり難いのですが、後の文章と合わせて解釈すると、減免されれば、患者は減免された分だけを支払うだけである事を説明しただけのようです。

ここからは一部負担金の歴史的経緯を述べています。

 一部負担金の経緯というのを少し調べましたので、4ページ目以降をお開きいただきますと、国民健康保険法ができましたのが昭和13年でありますけれども、当初は、国民健康保険というのは組合主義ということで、地域住民の方が入る組合というのと、同種同業の方でできております特別健康保険組合と、いずれも組合でやっていたわけでありますが、一番最初できました当時は、一部負担金の割合や徴収方法はすべて組合にお任せするということになっていた。法律上は一部負担金をとれますよ、という規定はありましたけれども、現実的には個々の組合に委ねられていたということでございます。

 昭和23年になりまして、原則として市町村が国保をやりますということになりました。この段階も条文上は保険者は、4ページの8条の8というところに書いてございますけれども、療養給付の一部負担金はとれますよ、という規定はございました。

 ただ、これは市町村が保険者となりますと、地方自治体の歳入ということになりますので、実際、法律上は、私人に委ねる場合には法律の根拠が要るということになりますので、特別の事由がないかぎり私人は公金を扱えないということで、保険者が市町村の場合には、一部負担金を徴収することは事実上、義務づけられていたということでございます。

 ただ、実行上は一部負担金の徴収率というのがだんだん落ちてまいりまして、保険財政が悪化したということで、実態的には徴収率を上げるということから、法律上はいろいろ議論があるんでしょうけれども、実行上は窓口払いというのが既に半数に及んでいたということでございます。

 昭和26年に至りまして、法的な根拠なく、公金であるのに、医療機関という私人のところで受け取っているということで議論がありますので、法的な根拠をちゃんとつくった方がいいのではないか。窓口のトラブルを減らすという意味で、特に保険者側から要望がありまして、窓口払いと、保険者徴収とどちらでもできますよというふうになりました。

 5ページの上の方を見ていただきますと、従来、前段にありますように、保険者が取れますよ、というだけではなくて、療養の給付を受けた者をして、療養担当者に払わせることができる、というような規定で、どちらでもよいというふうになりました。

 昭和33年になりまして、国民皆保険に向けて国保法の全面改正が行われましたときに、窓口払い原則に統一をされたということでございます。

 なぜ統一をされたのかということで、もともと先ほど申しましたように、保険者側で後から一部負担金を徴収するのは難しいということもありますけれども、従来、昭和33年までの法律ですと、個々の保険者と個々の療養担当者、医療機関側が個別契約を結ぶ
というふうになっていまして、うちは窓口払い、うちは保険者徴収でやりますよと、それぞれ決めればよかった。

 したがって、病院の側も個別に契約をしていますので、自分が契約しているところは、窓口払いか、それとも保険者がとって、まとめて払ってくれるのかというのがわかったわけですが、昭和33年のときに、医療機関側が申し出をして受理されると、その圏内に
住んでいる人は、みんな保険診療が受けられるというふうになりましたので、これは医療機関側で、一つ一つの保険者がどっちかというのがわからなくなりましたので、どっちかに統一する必要が生じたということでございます。

 したがって、その段階でどうするのかということになったわけでございますが、その段階で既に健保法では窓口払い原則というのが確立されておりましたので、後から取りに行くより窓口でいただいた方が合理的であろうということで、窓口払い方式に統一をされたということでございます。

 そのときに保険者側でもできる部分をするということで、先ほどから出ております「善管注意義務」を果たして、それでも払われないときには、自治体の強制徴収権を媒介にして、一部負担金の徴収をして、その徴収したものを医療機関側にお支払いをするというふうになったということでございます。

長いのですが、ここで注目しておいても良いのは、

    善管注意義務」を果たして、それでも払われないときには、自治体の強制徴収権を媒介にして、一部負担金の徴収をして、その徴収したものを医療機関側にお支払いをするというふうになったということでございます
分かったか分からないような言い回しなのですが、一応指摘しておいて次に進みます。

 6ページがその解釈でございますけれども、一部負担金については、健保法なり国保法に書いてあるわけですので、公法上の債権債務から発生しているわけでありますから、窓口払い、一部負担金も窓口で払うという関係は、あくまでも療養取扱機関の開設者と被保険者との債権債務関係です。

 それから、滞納処分をして取ってくるというときも、債権者として取ってくるということではなくて、強制徴収権を持っている者として取ってくるということになっております。

 払えない人には減免徴収猶予を行うというふうになっておりまして、先ほど申しましたように、診療報酬というのは、一部負担金相当額を差し引いた額をお支払いするということになりますので、減額したり、免除しますと、これは当然、保険者がお支払いするということになっているわけでありますけれども、そうでない人の分をどうするかということについては、それはその払うことができるのに払わない人というのは、被保険者の責めに期すべき理由ということですので、それをすべての被保険者の拠出金である保険料でお支払いすることはできないということになっております。

 したがいまして、強制徴収をして取ってきたものをお渡しするということで、法律上の趣旨としては、立て替え払いをするというものではないということになっています。最大限協力をするということで、今までのような強制徴収の規定があるということでご
ざいます。

ここで書かれている事は、

  1. 一部負担金も窓口で払うという関係は、あくまでも療養取扱機関の開設者と被保険者との債権債務関係である
  2. 滞納処分は、債権者として取ってくるということではなくて、強制徴収権を持っている者として取ってくる
  3. 一部負担金の立替払いは保険者はできない
民法上の法律解釈になるので自信がないのですが、一部負担金は医療機関と患者との間の債務関係であり保険者は関与しないというのが法律上の規定と解釈しなければならないようです。患者と病院の債務ですから保険者(保険組合)はその分の支払い義務は生じないとし、その代わりに強制徴収権を自治体に持たせているとしています。従って踏み倒し患者から取り立てるのは自治体の仕事であると主張しています。

 健保法は7ページ以降でありますけれども、基本的には一部負担金のところは同じでありまして、減免規定のところは若干異なっておりまして、被用者保険でも75条の2ということで減免規定はございますが、これは具体的には16ページに貸借通知が出ており
ますけれども、被用者保険の場合には、不作、不漁ですとか、失業すればそもそも被保険者ではなくなりますので、基本的に被用者保険の場合には、災害による場合だけの減免、徴収猶予があるということになっております。

 国保の方が若干幅広くなっていて、健保法の方は、基本的には雇用されていて収入がある方ということですので、災害の場合には減免だけが定められているということでございます。

ここは減免規定の説明ですが、

  • 健保法では災害による場合だけの減免、徴収猶予がある
  • 国保法では、農作物の不作等で収入が減ったとき、それから、事業の休廃止、失業等によって収入が減ったとき、その他これと類するような場合(ここでの記載ではなく既述)
国保法のほうが減免規定が柔軟に運用される可能性があることを書いてあるかと思います。減免規定が適用されれば、減免分は保険者が医療機関に支払う事になっています。

 9ページのところで、健保法の経緯が書いてございますけれども、健保法は、先ほど申しましたように、32年の段階で、既に法律上、窓口払いの規定を整備して、窓口で払えということになっております。

 さかのぼりますと、昭和17年ぐらいに、既に窓口で払うようにということになっていたということでございます。昭和55年に国保と同じように「善管注意義務」を尽くしても払わない場合には、保険者が取ってお支払いするというような規定が設けられたということでございます。

 10ページでございますけれども、保険者と保険医療機関との関係ということについては、これは健保法の規定が書いてございますが、65条で、保険医療機関の指定をするということになりますと、保険医療機関保険薬局は、療養担当規則に従って、療養の給付を担当するというふうになっております。

 その下の【解釈】に書いてございますけれども、要は、公法上の契約を指定することによって締結をする。その内容というのは、非常に平たく申しますと、療養担当規則に従って療養給付を行った場合に、対価として一部負担金分を差し引いた診療報酬をお支払いしますよという、そういう相務契約を結んでいるということでございます。

 11ページのところに療養担当規則がございますけれども、先ほど法律上にも受領義務が書いてありますけれども、療養担当規則上も保険医療機関は、一部負担金を受けるものとする。そのほかの食事の負担金や生活療養標準負担という患者負担分について支払いを受けるものとするということで、療養担当規則で支払いを受けるということが書かれているということでございます。

持って回った言い方なんですが、

  1. 保険者は一部負担金以外を払う契約しかしていない
  2. 医療機関は一部負担金を受領する義務を課している
素直に考えれば不思議なんですが、ここまで読んでも患者が一部負担金を支払う義務については明記されていない様な気がします。自治体が強制徴収権を持つことは規定してあるようですが、患者が一部負担金を支払わない事に対する規定が甘い様な気がします。少なくとも医療機関は一部負担金を受領する義務をさぼれば、保険医療機関の指定中止を含む罰則があるのと対照的です。

 それから、12ページ以降の通達でございますが、先ほど言った善良なる管理者の注意義務ということで、通達上どのような解釈が示されているかということについて簡単に申しますと、13ページのところの、第2の2というところで、「善良な管理者と同一の注意」というのはどういうものを言うのかということが書いてございます。

 これは第2の2の3行目ぐらいからですが、「善管注意義務」というのは、保険医療機関の開設者という地位にある者に対して要求される程度の注意義務だということで、義務者の主観的・個人的な事由を考慮して行われるものではなくて、客観的な事情に基づ
いて個別に判断されるということが書いてございます。

 その後、それでは注意義務を尽くしたと言えない例として、単に払うことを告げるだけとか、口頭で催促するだけとか、再診のときに催促しないということではだめですよ、ということが書いてございます。

 それから、健保法の方にも、今申しましたような「善管注意義務」に関する知識として15ページの第3の1のところに若干出ておりますけれども、注意の内容説明は同じでありますけれども、第3の1の2段落目で、「善管注意義務」を尽くして、一部負担金の
支払いを求めたことの確認をするということですが、例えば、ということで、内容証明付郵便により支払い請求を行った等の客観的事実に基づいて行うということが書かれています。

 それから、2のところでありますけれども、次のようなことを書いた請求書を提出していただくということになっておりまして、その請求書には「善管注意義務」を尽くしたということを示す書類を添付してくださいということになっております。また、被用者保険ですので、一般的には住所まで全部把握していませんので、払っていない人の住所やそういうことも書いていただくというようなことになっております。現行の一部負担金に関する経緯なり、現行法の整理は今申し上げたようなことになっております。

ここも長いのですが、善良なる管理者の注意義務とはどんなものかを説明しています。

  1. 単に払うことを告げるだけとか、口頭で催促するだけとか、再診のときに催促しないということではだめ
  2. 内容証明付郵便により支払い請求を行った等の客観的事実に基づいて行う
  3. 保険者に請求書を提出する時には、「善管注意義務」を尽くしたということを示す書類を添付しなければならない
結構な義務である事がわかります。窓口でお支払いを求めた程度では義務を果たしていないとしています。言い換えれば窓口で患者が一時支払い金を拒否した程度では、患者は実質何もペナルティはつかず、ましてや自治体が強制徴収者になる事も無いという事になります。窓口で払わない程度は健康保険では元々なんの問題の無い行為となります。具体的には「内容証明付郵便により支払い請求」が無い限り、善良なる管理者の注意義務を果たした事にならない規定であるとなっているようです。

ちなみに内容証明郵便の料金ですが、1220円で、手紙文が2枚以上の場合、2枚目以降は1枚ごとに250円増しとなっています。この請求に関する費用がどうなっているかは明記されていませんが、善良なる管理義務のうちに含まれるのなら、1220円以下の踏み倒しであるなら、善良なる管理義務を行なえば足が出ます。

 続きまして資料の5ですけれども、先ほど若干お話が出ておりますけれども、「70歳未満の入院にかかる高額療養費の現物給付化等に関する資料」ということでありますけれども、お手元の資料の1ページ目をごらんいただきますと、この4月から70歳未満の
医療機関における入院につきましては、高額療養費を現物給付化する。70歳以上については既に行われていたわけでありますが、この4月から70歳未満についても行われているということでございます。

 下にございますように、本来患者さんにお支払いする高額療養費を医療機関に直接お支払いをするようになったということでございます。

 そこの例で言いますと、30万を1回払って、後から21万の高額療養費が出ていたものを、9万だけ医療機関に払えばよくて、後は保険者が高額療養費の分を病院にお支払いするようになったということでございます。

 その次のページでございますけれども、どういうことになるのかということでありますが、前のページで言いますと、100万円医療費がかかると30万払わなければいけなかったものが、そこにございますように、普通一般の被保険者の方で、70歳未満の方であれば、8万100円プラス、医療費の1%という範囲ですので、一般的には8万程度におさまるようになるということでございます。

 先ほどの4病協で実施された調査ですと、入院1件当たり11万ぐらいの未収金になっておりますけれども、先ほどの例で言いますと、30万の未収それから安い未収、いろいろ平均して今は11万ということかと思いますが、そういう意味で言いますと、ならすと
平均8万以下にはなってくるのではないかと思われます。

ここは高額医療の現物給付化のお話のようです。ちょっと縁の無い話で実感し難いのですが、要は患者が窓口で支払う料金が減るので、その分、踏み倒しが減ると言うような話かと思います。この部分は良く分からないとしておきます。

 それから、4ページの「出産育児一時金」についてでありますけれども、これにつきましては、受取代理ということを現在進めております。先ほど小森委員の方からもお話がありましたけれども、直接、出産育児一時金を病院にお支払いするということになっております。

 5ページにその実施状況ということが出ておりますけれども、政府管掌健康保険では去年の10月から実施をしているということでございますが、健保組合、国保は、今50%強ということでございますが、今後の実施予定まで入れますと7割、9割というような状況でございます。

 最後に、国保都道府県別の受取代理の実施状況でございます。これは実際に出産育児一時金を事前申請しまして、医療機関代理人のところに記入をしていただいて、医療機関から直接35万円ほど提供していただくというふうになっておりますので、これは先ほどから出ておりますが、できるだけ未収金が起こらないようにというということで、逐次100%になるように進めていきたいと思っております。

ここは読んでの通りの出産一時金の受け取り代理のお話で、出産一時金を家族でなく医療機関が代理で受け取る事により、分娩費用の踏み倒し率を緩和しようという話と受け取ります。これは方針として100%にする政策と言明しています。

長い長いお話で、解説が冗漫になってしまったのですが、もう一度厚生労働省の見解をまとめてみます。

まず外来負担金の扱いですが、

  1. 患者と医療機関の間での債務契約であり、保険組合は関与しない。
  2. 踏み倒し分については保険組合は支払う必要は無い
  3. 医療機関が善良なる管理義務を遂行すれば、自治体が強制徴収権を持って対処する
ここで問題になる善良なる管理義務ですが、
    単に払うことを告げるだけとか、口頭で催促するだけとか、再診のときに催促しないということではだめ
怖ろしく重い義務を課しています。私は正直なところ眩暈がします。どこの商売に料金を請求しても、それだけでは必ずしも払う必要が無いという規定があるでしょうか。もちろん債務となっていますから、民事手続きで請求は可能ですが、小額であれば必要費用で足が出るので請求不可能となります。小額であれば黙って踏み倒されろの規定にしか読めません。無銭飲食なら支払いを告げられて拒否したならば、その時点で犯罪です。医療はそうではないと規定まで作っている事に驚かされます。

小額の範囲ですが、これも善良なる管理義務の例に示されています。

    内容証明付郵便により支払い請求を行った等の客観的事実に基づいて行う
この内容証明郵便は1220円以上が必要で、これが義務のうちに含まれるのならば、これ以下の踏み倒しは野放しになります。厚生労働省保険局国民健康保険課長の解説を聞く限り、外来負担金に関する規定はザル法にしか読めません。未収金問題は高額なものも、もちろん問題ですが、小額なものの累積もバカになりません。しかし現在の規定では小額のものの踏み倒しはやり放題になります。

それを白々と語る役人に悪寒が走りました。