閑話休題・ほんとに閑話です

時々「毎日、毎日、よう書けるな〜」の声を頂く事があります。嬉しいような、照れくさいようなお言葉ですが、素直に褒め言葉と受け取っています。「そんなにヒマか?」の裏読みは控えるようにしています。

もちろんラクラクと毎日書けている訳ではなく、どっちかと言うと四苦八苦で「今日はなんと上がった」と一息つく時のほうが多いのですが、基本的に苦にしていません。大変なのは大変で、徳島乳房温存術訴訟の話でも、あれだけの判決文を読んで、あれだけの長いエントリーを書いても、日付が変われば新ネタがまた必要ですから、眩暈がしそうな作業と言えば確かにそうです。

もう消去してしまいましたが、Hatenaに乗り換える前のブログはサイドバーが両脇にあるスタイルです。感じとしては中間管理職さんのところのスタイルに広い意味で似ています。あの形式は今から思えばラクでした。単純に文章量が多く見えると言う意味でです。ところがHatenaで何気なしにこのスキンを選んだのですが、サイドバーが一本なくなると、それまでと同じような分量に見せるには、相当書く量を増やす必要があることに気がつきました。

その上ですが、これは私の都合ですが、ある時期に従来使っていた17インチのブラウン管が寿命となり、液晶の17インチに変えたのです。そうすると御存知の通り、より広く画面が使える事になり、ますます文章量を増やさないと見栄えが感覚に追いつかなくなったのです。

「それなら、スキンを変えろ」と言われそうですが、鈍い事に「どうも書く手間が増えたな」と感じたぐらいで、原因がスキンとモニターのせいである事に気がついたのは相当経ってからです。考えればアホな話です。もちろん今からでもスキンの変更は容易なんですが、慣れとは怖いもので、「ま、いっか」でそのままにしています。なんの取り得も無く、おもしろくもおかしくもないスキンですが、個人的にはシンプルで気に入っていますので、当分変えるつもりはありません。時々、食指は動くのですが、結局変えていません。

文章を書くことは基本的に好きです。嫌いならブログなんてそもそも始めません。好きどころか、今でも「医者以外になりたかった職業は」と聞かれたら、「小説家」と心の中では呟いています。こんな事はネット以外では恥しくて言えないですけどね。ブログ以前は、お盆の時に出したように、HPに小説もどきを書いていました。小説と言うよりエッセイとした方がジャンル的に正確かもしれません。自分なりに良く書けているとは思っているのですが、当たり前ですが反響は殆んどありません。だいたい診療所のHPの片隅にあっても誰も読みませんし、そんなところにあるとは誰も考えないからです。それ以前に、自負とは別に「面白くなかった」んでしょう。

だいたい小説で飯を食うのは至難の業で、読者のニーズに合った題材を見つけ出し、それを飛び切りの料理に仕上げる技量が必要です。またそこまでの才能があってもそれを見つけ出し、世に出してくれる人間が必要です。また世に出たからには、コンスタントに同レベルの作品を量産する才能も必要です。一発屋では「風とともに去りぬ」クラスを書けないと路頭に迷う事になります。

昔から小説家が世に出るのは非常な苦労を必要としました。出版社に原稿を持ち込む、有名な作家に原稿を持ち込む、協同で同人誌の経費を出し合い細々と出版するなんて手法です。そうこうするうちに誰かが目をつけて出版にいたる感じです。文学賞に応募すると言うのも、もちろん有力なルートとしてあります。

そういう点で、ネット時代の到来は、趣味の範疇でも作品を発表できるので良い時代になったものです。私も自分の才能の限界はよくわかりますから、原稿を出版社に持ち込んだり、文学賞に応募する気はまったくありません。とは言え、せっかく書いたのですから、誰かに読んで欲しいの欲求はあります。その程度の欲求を適度に叶えてくれるのがネットです。

ブログも見ようによっては、毎日どこかのコラム欄を担当しているようなものです。プロと違うのは、プロはそれによって代価が得られます。代価が得られる代わりに人気が無ければサッサと打ち切られてしまいます。一方でブログは代価こそ得られませんが、不出来が続いても、本人の意思さえ続けば書き続けられます。ネタに詰まれば自由に休めます。

私程度の中途半端な密かな作家志望程度の人間には、ちょうど良い場所と思っています。これからも宜しくお願いします。