2200億

すごい額ですが、財務省厚生労働省に突きつけている医療費削減要求だそうです。医療費については長年の抑制削減政策で、政府が大好きな欧米先進国と較べても最低レベルになっており、比較で低いだけではなく、全国の病院の経営が崖っぷち状態なのは書くまでも無い事です。これも書くまでもありませんが、崖っぷちとは赤字になりそうと言うレベルではなく、累積赤字でぶっ倒れそうなレベルです。

とは言え財務省の命令に逆らえるほどの力は厚生労働省には無く、なんとか捻出しようと次々に花火を打ち上げています。

  • 政管健保への国負担、健保組合など肩代わり案
  • DPCの調整係数廃止
  • 初診料・再診料を削減
それぞれの政策の医師の評価は十分されているようなので今朝はやめておきます。おそらくですがこれらの政策はいずれもそれなりに実行されて、机上の予測で2200億円になるようにして、来年の医療政策に反映されると考えています。

真面目に論評しようと思ったのですが、夏バテ気味なのと、同じパターンの繰り返しになるのに辟易したので、今朝は考え方を変えてみてみます。2200億円削減を厚生労働省が手間をかけず、患者からも医師からも不満が出ないように確実に遂行する方法の考案です。そんな方法があるはずは無いとの声も聞こえてきそうですし、実際のところあるはずも無いのですが、それでも考えてみたいと思います。

医療費を削減する方法としては、ごく単純に、

  1. 医療側の報酬を削減する。
  2. 患者側の受診を減らす。
もちろんこれまでもこの二つの視点から行われています。今朝はこのうち「患者側の受診を減らす」に着目してみたいと思います。これまで受診を減らす方策としては、患者の自己負担を増大し、「無駄な受診を減らす」政策が行われてきました。これは厚生労働省にとって美味しい方法で、患者の自己負担が増えれば保険や国からの支出は純減となり、一方で医療機関の収入は変わりません。また自己負担が増えた怒りは支払い窓口で炸裂します。

打ち出の小槌みたいに美味しい方法でしたが、たび重なる自己負担増で国民の殆んどが3割負担化してしまったので、そろそろ上限です。机上の方法では4割負担、5割負担もできるんでしょうが、3割を越える負担の実行はさすがにすぐには無理と観測されています。いろいろな医療費削減政策が打ち出されていますが、未だ3割を越える負担の論議は出ていません。

自己負担増が限界ならどうやって受診抑制を行なうか。常道的にはアクセス制限が候補に上がってきますが、今朝はこの方法を取りません。もっと簡便でより効果的な方法を提案したいと思います。

    病気になる頻度を減らす
こんな事を提案すれば、予防医療の効果論に話が転んでいくのですが、王道的な予防医療も今朝は触れません。もっと単純に病人の発生率を抑える手法です。

2200億円分の患者数や疾病の割合の概算は容易かと思います。○○病の発生率が○○%減れば、医療費が○○億円削減される、あの手の推測計算です。これをもう少し大雑把にして患者数としてまず算出します。これを人口割で各都道府県、さらには市町村に割り振ります。その上で、

    この地区では○○人の病人発生を削減します
こういうポスターを作製し、各医療機関、公的施設に掲示します。以上です。

このポスターを守って病人が減り、医療機関の受診回数が減れば医療費が削減します。これならポスターの制作費だけで非常に方法として簡便です。患者負担が増えるわけではありませんし、医療機関もこれに抗議する事はできないでしょう。後は住民が守ってくれるだけで医療費削減が円満に実行できます。

「そんなものが出来たら誰も苦労しない」のお叱りの声が聞こえてきそうですが、個人的には今夏の日本脳炎対策である「蚊に刺されるな」と同じぐらい有効だと思います。厚生労働省が「蚊に刺されるな」とポスターにすれば、誰も蚊に刺されず日本脳炎が予防できるのですから、「病人を減らせ」とポスターにして貼れば病人が減って医療費が削減されるはずです。なんでしないんだろ、不思議だな〜。