しょうもない事にこだわる

昨日のエントリーはタイムリーに続報記事があったのであの内容にしましたが、実はあの話題はもっと「しょうもない事」にこだわっていました。それは女子生徒を担当した二人の医師の検診数です。

手がかりを探すデータは、

  1. 札幌市内にある道立高である
  2. 当日の検診数は1年生と3年生の半分の450人である
  3. 担当したのは学校医と協力医3人である
  4. 検診医は男子生徒に2人、女子生徒に2人(男性医師1名、女性医師1名)の割り振りであった
  5. 問題となった男性医師は1年生120人、3年生34人の計154人の検診を行なった。
女子生徒を担当した男性医師の検診数は154人と明記されています。通常は二人で検診を分担すればほぼ近い人数となります。とくに今回は高校生の学校検診ですから、それほど手間ひまは変わらないと考えるからです。そうなると女子生徒は男性医師の検診数の倍である300人になります。

女子生徒が300人となれば男子生徒は150人となりますが、そうなると検診医の割り振りがアンバランスになります。事前に人数、男女比は分かっているはずですから、男女に2人づつ医師を割り振ると、受け持ち人数は男子生徒が75人づつ、女子生徒が150人づつになります。でもそうはしないでしょう、男女比がそういう比率なら、学校医が男子生徒150人、協力医3人が女子生徒300人を受け持つかと考えます。

もっと男女の比率が近かったので医師が2名づつになったと考えるのが自然です。問題の道立高が普通科であるとすれば、男女比の偏りはある枠内でおさまるはずです。昔の話で申し訳ありませんが、私が公立高校に進学した時は、普通科の男女定員比率というのがあり、お互いの比率が6割を越えないというのがありました。今は変わっているかもしれませんが、仮に今の北海道でも基本的に同じであれば、比率はもっとも偏って270:180になります。

もっとも偏った場合の4人の医師の割り振りは微妙になりますが、この場合で男性医師の検診数154人に対し、女性医師の検診数は116人となります。3割程度男性医師のペースが速いことになります。これが男女が同比率にはなれば、女子生徒の数は225人となり、男性医師の検診数154人は変わりませんから、女性医師の検診数は71人となり、男性医師は女性医師の2倍以上のペースで検診を行った事になります。

さらにもうひとつ良く分からないのは学年の検診数の偏りです。450人は1年生が300人、3年生が150人と考えるのが妥当です。男女同数であれば、女子生徒は1年生が150人、3年生が75人となります。そうであれば男性医師は1年生150人のうち120人を、3年生75人のうち34人を検診した事になります。男女比に最大の偏りが生じた場合は、1年生180人のうち120人、3年生90人のうち34人となります。

この日のシステムは男女二手に分けて検診したと考えます。男子は体育館にでも集められて一斉に行なった可能性もありますが、女子は保健室にでもクラス単位で順番に呼ばれて行なった可能性が高いと考えます。二人の医師の検診数にこれだけ偏りがあるのですから、医師が2列で待ち構えて、一列に並んだ女子生徒が、早く終わった方に検診を受けたと思います。

1年生の人数の偏りは検診速度の差で説明できない事はありませんが、3年生の説明がつきません。男女同数であればほぼ同数、女性が最大比率であれば3倍近く女性医師のほうが検診速度が速いのです。数から言えば女性医師は3年生の検診の時には男性医師と同じペースもしくは男性医師を遥かに上回るペースで検診を行なっていますが、1年生の検診はビックリするほどペースダウンし、男女同数であれば1/2に、最大で1/4まで検診速度が落ち込んでいます。

ここで冒頭の方で否定した女子生徒300人はありえないかですが、3年生の半分というのがすべて女子生徒であれば算数上は成立します。しかしそんな事をすれば男子生徒だけが残ったクラスで授業は成り立たず、自習を余儀なくされる事になります。自習でなくとも女子生徒が検診を終えて帰ってくるまで授業が中断となります。そんな非効率な事はしないと考えるのが自然です。

どうにも二人で行なった女子生徒の検診の分担の実態が理解しにくいところです。強いて考えられるのは検診は3年生から始まり、女性医師は最初は張り切ってハイペースで検診を行なっていましたが、3年生で力尽き、1年生はヘトヘトでペースダウンは無いとは言えません。ただこの説明も相当無理があると思います。

どうでも良いような枝葉末節にこだわった朝でした。