医療経済実態調査 記入要領から

できるだけ具体的に列挙してみます。

まず「第1 基本データ」です。

  1. 主たる診療科目
  2. 現有の医業用建物の建築(改築)年月
  3. 医業用建物の保有形態及び延べ面積
  4. 従事者の状況
    1. 青色専業従事者である家族の状況
    2. 無給の家族従事者
  5. 病床・入院患者の状況
  6. 外来診療等の状況
  7. 処方の状況
この辺まではレセコンを使ってますからまだ簡単な項目です。次は「第2 収支」です。
  1. 医業収入
    1. 入院収入
    2. 外来収入
    3. その他の医業収入
  2. 介護収入
    1. 施設サービス収入
    2. 居宅サービス収入
      • (うち)短期入所療養介護分
    3. その他の介護収入
  3. 医業介護費用
    1. 給与費
      • (うち)青色事業専従者給与費
    2. 医薬品費
    3. 材料費
      • 診療材料費
      • 医療消耗器具備品費
        • (うち)給食用材料費
    4. 委託費
      • (うち)検査委託費
      • (うち)患者用給食委託費
      • (うち)医療用廃棄物委託費
      • (うち)医療事務委託費
    5. 減価償却
      • (うち)建物原価償却費
      • (うち)医療機器原価償却費
    6. その他の医業・介護費用
      • (うち)土地賃借料
      • (うち)建物賃借料
      • (うち)医療機器賃借料
めんどくさいのは「6月分を出せ」と、材料費がわかりやすいですが、そこまで小分類を立てて普段から会計を行なっているかが問題になります。それでもここも何とかなります。次の「第3 給与」は省略しますが、これもなんとかなります。

次の「第4 資産・負債」が相当難しいものです。

  1. 流動資産
    1. 医業未収金
    2. 有価証券
    3. 棚卸資産(医薬品)
    4. その他の流動資産
  2. 固定資産
    1. 有形固定資産
      • (うち)建物(建物附属設備を含む)
      • (うち)医療用器械備品
      • (うち)その他の有形固定資産
    2. 無形固定資産
    3. その他の固定資産
  3. 繰延資産
  4. 流動負債
    1. 買掛金
    2. 支払手形
    3. 短期借入金
    4. その他の流動負債
  5. 固定負債
    1. 長期借入金
    2. その他の固定負債
この後「第5 設備投資」、「第6 租税公課、借入金等」と続いてようやく一般診療所分はオシマイです。会計士や税理士の方々にとってはお茶の子サイサイでしょうが、そうでない人間にとってはかなりの難題かと思います。税理士や会計士に頼むにも、スポット契約のところならこの仕事のために費用が発生しますし、とは言え自力でやるには少々難しいと感じます。

一番やるせないのはこれだけ苦労して協力して、数値として報道されるのは「診療所は儲け過ぎ」であり、医療政策として用いられるのは「どれだけ削減できる」かです。私は真面目に協力する気ですが、「みんなで赤字を報告したら」なんて悪魔的な発想が頭の片隅に蠢いています。