ちょっとベスパ

今日は本当にネタが無くて苦吟しています。それだけ世の中も私の身辺も平和なのでしょうが、ネタが浮かんでこない朝は本当に辛い。ネットニュースを眼を通し、愛読のブログにも目を通し、それでも「う〜ん、う〜ん」と唸っております。と言う事でネタが無い時の最後の逃げ道のベスパネタにします。

いちおうヒントはありまして、ザウエル氏のブログにドカッティを買ったとあり、「それは、それは」と感心したからです。コメントを寄せようと思ったのですが、向こうはドカ、こちらがベスパでは落差が大きすぎて遠慮している次第です。コメントは恥しくても自分のブログのエントリーなら別の話ですから、まあ書いても差し障り無いでしょう。

バイクに一番熱中したのは学生時代前半。熱中といっても単に日常の足にしただけで、レースまで熱中したとか、峠を攻めたとか、オフローダーで山道を駆け巡ったなんて世界とは相当遠いレベルです。ほんの少しだけバイクに凝った形跡があるとすれば、その頃より世間を席捲していたスクーターではなく、いちおうクラッチ付きのオンロードに乗ったぐらいでしょうか。

自動車の免許を取ったのが1年の夏休み。同じ夏休みに大学の近くに引っ越したので買ったものです。とはいえ免許の関係で当然原チャリ。当時の友人でバイクきちがいが何故か何人かおり、友人のかなり強引な勧めにより、カワサキのAR50にしばらく乗っていました。当時の友人にクルマを持っているリッチな奴が何故かおらず、そのため何かあると愛車AR50でいつもお出かけと相成りました。

通学、買い物は第一目的でしたが、足が原チャリしかないので今度は無謀にも遠乗りまでしていました。最長の遠征は淡路へのツーリング。原チャリでは相当の無理があり、一遍で懲りました。次はオフロードに乗っている友人と近所のダート走り。これはそれなりにおもしろかったですが、何と言ってもAR50はオンロード。基本的にオフロード車と一緒に走るには無理が大きすぎ、友人のオフロードが谷に落っこちてからこれもやめました。引きずり揚げるのは相当苦労しましたからね。

小さなバイク熱が止めを刺したのが事故。AR50がお釈迦になった時です。バイクというのは良い面もありますが、基本的に大きな欠点を抱えています。雨に濡れるのは構造上仕方がないにせよ、日常の足として使うには本当に物が載らない。とくにスポーツバイクでは小さな荷台にくくりつけるか、リュックでも背負わないと何も運べません。小さなバイク熱があるうちは「オレはバイク乗りだ」と不便に耐え忍んでいましたが、テンションが下がるといかにも辛いという所です。

そんな訳でAR50の後釜はリード50SS、あっさり実用路線に切り替えです。さすがにスクーターは物が載る。定番の足許に乗っけるスタイルですが、スポーツバイクに較べると格段に搭載量が増えてニコニコです。ただし実用性が上がるのに反比例するようにバイクに対する興味がドンドン下がり、卒業と同時にサヨナラ。後はありきたりの車に嗜好が傾きます。今も基本的に続いています。

そんなバイクですが、一時的にぶり返す事があります。結婚後に奥様が買い物にクルマが必要になり、通勤用のクルマを明け渡した後、今度は私の通勤の足に困りました。家計的にクルマ2台はちと難しいと言う事で、久しぶりにバイク購入を決断しました。かなり趣味に走り、Vツインマグナ。幸か不幸か購入してすぐに阪神大震災が起こり、交通事情の悪い神戸で大活躍してくれました。これも徐々に収入が上がり、家計がクルマ2台を可能にするとサヨナラです。

そいでもって今回ほぼ10年ぶりのバイクでした。家計が再びクルマ2台を許さなくなり、通勤用のバイクを再び買うことになったのです。体力的にももう大型バイクは取り回しがしんどくて、最初っからスクーター以外は考えなかったと言うところです。バイクの進歩はクルマに較べると緩やかなんですが、それでも10年の進歩は驚かされました。驚いたついでに国産スクーターを買えばよかったのに、最後の最後にヒネリが入ってなぜかベスパ。

どうせベスパにするなら、ヴィンテージまで行かなくても、PXシリーズにすればまだ格好よかったのですが、故障率にビビリ、選んだのはET4FL。この辺が他人には自慢し難いところです。ET4FLは現代ベスパですし、たしかによく走ります。よく走るんですが、デザインがベスパらしくないのが難点です。そのためかあまり売れなかったようで、滅多に見かけません。何台かは見ましたが、すべてET2。乗り始めて1年以上になりますが、未だにET4は見たことがありません。

ベスパ自体が日本では滅多に走っていない代物ですから仕方が無いかもしれません。ところが昨日久しぶりに販売店のHPを見たら、なんとET4は取り扱い中止になっていました。どうも絶版になった模様です。こりゃますます見かけなくなりそうです。こうなれば後は執念深く乗る事ですね。たとえ今人気が無くても、台数が少ないだけの年数が経てば希少価値が上がるでしょう。そうですね10年ぐらいすれば「幻の・・・」なんてこともありえるかもしれません。

そんなこんなで、「転ばないように」を日々心がけます。