山歩き

密かな趣味です。密かなといっても身内もうちの職員もよく知っているのですが、あんまり他人に自慢できる趣味でもないので「密かに」とつけています。それと登る程度は「山歩き」からせいぜい「山登り」ぐらいまでで、決して「登山」みたいなだいそれたものではありません。日帰りの軽装で登れる範囲と言う事で、兵庫県でも主に南部からせいぜい中部ぐらいまでを守備範囲にしています。さらに軟弱者ですから、真夏は避け、真冬も基本的に避けています。雪山なんてとんでもない世界です。

そんな山行きを3ヶ月ぶりにしてきました。実は先週もトライしようとしたのですが、あいにくの雨にさえぎられて今週はリベンジです。しかし先週が雨に祟られれてマグマが高まったのが失敗の始まりとなってしまいました。久しぶりの時は無理せずそこそこの山で体を慣らすのが常道なのに、好天に誘われて六甲山にしたのがまず失敗でした。それも魚屋道から登るプランをギリギリで金鳥山経由の新ルートにしようと思ったのがもっと失敗となってしまいました。

六甲山はよく整備されている山なんですが、難しいのは住宅街から登山ルートを見つけ出すところにあります。金鳥山から魚屋道に合流するルートは、保久良神社をみつけてその辺にあるはずの登り口を探す必要があるのですが、しっかり間違えて岡本梅林の方に迷ってしまい、やや遠回りの打越峠ルートを登る羽目になってしまいました。この程度の事はよくあるのですが、登ってみるとなまった体には相当きついものになってしまいました。

打越峠を越える頃にはもう疲労困憊という状態でしたが、そこからは平坦な道が続くため、やや疲労が回復してしまい、「ここまで来たからもう少し」と欲をかいたのがどツボに進む運命となってしました。後から考えてもあの辺が昨日の体力の限界でした。道は雨が峠に登っていくのですが、足が進まない、進まない。再び疲労の色が濃くなった頃にようやく雨が峠に到着。到着まではそこまで行けば東おたふく山から下ろうと心に決めていたのですが、「え〜い、行っちゃえ」と六甲最高峰へのルートを取ってしまいました。

雨が峠からは一旦下って川を渡るのですが、峠を下ってしまうともう引き返すのは難しくなります。それでも勢いだけで峠を下り、最大の難所である七曲りを1/3も登ったところで、完全に体力がガス欠。筋肉疲労も頂点に達し、階段を一段上がるにもアップアップとなってしまったのです。何度も何度も休憩を取り、おじいさん、おばあさんハイカーにも次々と抜かれ、我ながら情けない状態でしたが、引き返すと言う選択がないため、ひたすら亀の歩みのように登り続けることになります。

まあこんな人通りの多いところで遭難なんてしようもないのですが、思わずそう考えてしまうようなへたり方でありました。不幸中の幸いは何度か来た事がある道なので、おおよその残り距離が推定でき、ひたすら呪文のように「もう少し、もう少し」と唱えながらの苦行と化しました。

体力の限界をかなり超えたと痛感しながらもようやく一軒茶屋に到着。途中で弁当は食べていましたが、それでも全然足りず、休息もかねて再びの昼食です。さて問題はここからでどうやって下るかです。足はパンパンで動くのも辛い状態でしたが、場所が悪い。前に摩耶山で似たような状態になったときは摩耶ケーブルに逃げこめましたが、一軒茶屋からは凌雲台までかなりあり、かなり悩んだ末に予定通り有馬に下る事にしました。

登りと下りは使う筋肉が違うとはいえ、共通で使う筋肉ももちろんあり、ガクガクの足をひきづりながらの下りです。ここでも当然のようにピッチはまったく上がらず、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ下りを1時間余り、ようやく有馬温泉駅に到着。結局これだけボロボロになりながら予定通りのコースをこなす羽目となりました。

やはり若くはないですね。夏の間にここまで体力が落ちたかと痛感させられました。おかげで今日は筋肉痛の嵐が足を襲っています。それでもこれで少しは体が慣れたかと思うので、次はもう少し楽に登れると思っているのですが・・・。