ベスパ1500km

3月に買ってからほとんどを短い通勤の足に使いながらですが、ようやくここまで届きました。かなりバイクにも慣れてきましたし、記念と言うわけではありませんが、ミニ・ツーリングに先日でかけてきました。軟弱なバイク乗りですから、大遠征なんて大それた事は最初からあきらめて、クルマの少ない田舎道をスイスイ走ることを考えてのプランです。

家はほぼ神戸の市街地の真ん中あたりにありますので、まずなるべく短時間で市街地を抜けて六甲山の北側に出るルートを考える必要があります。選択は5つで、表六甲に挑戦する、有馬街道を越える、山麓バイパスを走る、新神戸トンネルを抜ける、六甲山トンネルを潜るです。さすがに自分のベスパの性能を考えて表六甲は却下、有馬街道もそこまでの市街地走行がイヤなので回避、山麓バイパスも出たところがおもしろくないので見送り、新神戸トンネルか六甲山トンネルが候補に残りましたが、バイクにトンネルは厳しいものがあるので短い方の六甲山トンネルンを選択しました。

最初の難関は選んだ六甲山トンネル。このトンネルは六甲山の中腹近くにあるので、これをベスパで登らなければなりません。正直なところ結構な急坂で、慎重に少し遅めのクルマの後について登りました、料金所で通行料20円を支払ってトンネル、やはり辛かった。空気は思いっきり悪いし、前のクルマが跳ね上げる砂が絶え間なく体中に降り注ぎ、これが痛いの痛くないのでひたすら忍耐で通り抜けました。

トンネルを抜けた後一休み、次のルートを考えました。そのまま六甲北有料道路に入り三田方面に抜けるのもひとつですが、終点から三田市内を走るのは気が進まず、有馬街道に出て西に進むことにしました。朝と言う事でさほど混雑していない街道を進み、目的地は漠然と篠山方面にしようと考えました。そうするとルートの選択はふたつです。ひとつは箕谷からの山越えで吉川へ、もうひとつは箕谷を回避して呑吐ダムを抜けてグリーンピア三木の横を走って吉川に走るルートです。

箕谷の山越えは六甲山ほどではありませんが相当きついのですが、グリーンピアは回り道になるので、選択したのは箕谷越え。あの道は南側の道はまだ登りやすいのですが、北側はこれでもかのヘアピンがあり、転ばないように安全運転です。幸いな事にちょうど良いぐらいのペースメーカーになるクルマがおり、無事淡河に到着。一服して吉川方面に向かいます。ここからも小さな峠越えがあるのですが、交通量もグンと減って自分のペースで快走です。

吉川から東条方面に向かいさらに途中から大川瀬方面にルートを変えて快走。信号も少なく、快適な田舎道走行だったのですが、今田まで来たあたりで少々へばってきました。今田から篠山の中心街まで30分ほどなんですが、ここからはそれなりに交通量が増え、走ってもそんなにおもしろいと思えません。それに篠山を一応の目標にしていましたが、別に篠山に行って目的があるわけでもないので、方針変更、三草山の麓を抜けて滝野に向かうルートに変更です。

この道は緩やかな峠越えと田園地帯を抜ける快適なルートで、気持ちよく走り抜けていきました。ほとんど気まぐれのツーリングですが、そろそろお昼が近づき、滝野まで来たのならと私の贔屓の滝野大橋ラーメンで腹ごしらえをする事にしました。大橋ラーメンは一部のラーメン通に有名な播州ラーメンの総本山とも言うべきお店で、醤油ベースのダシの甘みの効いた独特のスープが特徴です。

お昼前でしたが、店内はほとんど満席状態。なんとか空席を見つけて滑り込み、さっそく注文「ひとつで」。ここのメニューは2種類しかなく、ラーメンと濃口ラーメンだけなんです。さらに濃口ラーメンは数量限定で平日しかないので、休日にはメニューはラーメンのみしかなく、ライスもメニューにはありませんし、大盛りだとかトッピングも一切ありませんから、注文は何杯頼むかだけしかないのです。隣のあんちゃんが「2つ」とか頼んでましたが、私は一杯だけ頼んでいつもと変わらない味を楽しみました。

おなかも満たされたし、さて次はどうするかなんですが、朝から2時間以上走って風を受け続けた体はあちこちで悲鳴をあげ始めています。あっさり帰ろうと決断。旧175号を少し南下した後、県道に入り、一車線半位の田舎道を抜け、グリーンピアから呑吐ダム、さらに鈴蘭台北町を抜けて有馬街道越えで帰宅です。

走行距離にして約120km、時間にして3時間半ほど。やっぱり歳ですね、肩が凝るだけではなくて、あちこちからだが痛くて参りました。バイクは体がむき出しなので、常に全身に風を受けるわけですが、スクーターの走行姿勢は体を起して乗るので、上半身はまともに風を受け続ける事になります。若い頃に乗ったスポーツバイクは前かがみの前傾姿勢だったので、少しはそれでもマシだったのですが(その代わりに腰にくる)、3時間も風を受ければ軟弱ライダーには相当こたえる結果となりました。

たまにはこんなのも良いかとは思いましたし、当初のプランどおり田舎道を快走して良い気分転換にはなりましたが、正直な感想として血道を上げるほど熱中できるほどのものではないなぁと実感してしまいました。それでもまた気が向いたら走ってみたいと痛みが消えた今頃にまたひそかに思っています。