個人的見解に過ぎません

2/7付タブロイド紙(Yahoo !版)より、

子宮頸がん:予防ワクチンに疑義 大崎の医師が市の助成見直し要請へ /宮城

 大崎市古川の内科医、佐藤荘太郎さん(61)が6日、「子宮頸(けい)がん予防ワクチンの接種効果は医学的に示されていず、副反応が顕著」との見解を、同市の住民団体「菜の花の広場」の学習会で披露した。同時に、市が今月から実施する同ワクチン接種助成を見直すよう求める要望書を近く市議会に提出する考えも明らかにした。同ワクチン接種に反対する見解は異例。

 子宮頸がんは性的接触によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染で発症するがんで、毎年約2500人が死亡すると言われている。感染前の10代前半までにワクチンを接種(3回)すれば発症を防げるとされるが、接種1回につき約1万6000円の費用がかかる。国は昨年秋、中学1年〜高校1年生の希望する女子を対象に、国と市町村が接種費用を折半して全額助成する措置を講じた。

 これに対し、佐藤さんは海外を中心に子宮頸がん予防ワクチンの関連情報を調べ、(1)HPV感染予防のワクチンで、子宮頸がん発症に対する予防効果は示されていない(2)未感染の女子に接種して予防効果があるとの確証はない(3)接種による痛みが激しく失神例が少なからず発生。注射部位の腫れ、全身疲労、頭痛も報告され、副反応も顕著−−との見解に達した。

 佐藤さんはワクチンの効果とその持続性を長年調べており、子宮頸がん予防ワクチンにも疑義の目を向けた。ワクチンは未感染女子には効果があるとの認識が広がっているだけに、今後の動きが注目される。【小原博人】

ちょっと話題になっている記事です。この記事だけでは佐藤医師のお考えは十分とは言えませんので、住民団体「菜の花の広場」の会合に出席された方のブログである宮城県大崎市松山の陶芸家 小野寺重一 自在窯&ギャラリー - JKブログのまず1/23付緊急アピール“子宮頸がん予防ワクチンは不要です”の話を聴いて…から引用します。

え〜となんですが、

佐藤先生は、1月17日に大崎市古川でグラクソ・スミスクライン社後援の子宮頸癌予防ワクチンの勉強会へ出席した話をされ、医師会と市の職員から子宮頸がん予防ワクチン、その他ワクチン接種事業の実施要項の説明を受けたそうです。

GSKの勉強会に佐藤医師が出席された事が確認できます。

佐藤先生は、子宮頸がんによる死者は多くはないし、急増もしていないので緊急の課題ではない。パピローマウイルス感染はごくありふれたもの。子宮頸がんの予防効果を確かめるにはまだ不十分で、後10年から20年はかかるはずである。インドでは死亡者が出た為に中止になっている。(他社の頸がん予防ワクチン)接種の時にはかなりの痛みがあり、発赤や腫れが生じる。疼痛の発現率は606例で99.0%となっていますと話してくださいました。

ここで佐藤医師のHPV反対の趣旨は、

  1. 子宮頸がんによる死者は多くはないし、急増もしていないので緊急の課題ではない
  2. 子宮頸がんの予防効果を確かめるにはまだ不十分で、後10年から20年はかかるはずである
  3. 副作用が多い
副作用に関しては微妙なニュアンスだったようで、
    他社の頸がん予防ワクチン
他社といえばガーシダルぐらいしか思いつかないのですが、他にもあるのかな?

佐藤先生は、衛生環境が悪く、食事の環境が整っていないところではワクチンの効き目はあるが、現代の日本のような環境ではワクチンの必要性は無いというお考えをお持ちでした。

現代日本では必要なワクチンは、はしかと破傷風、妊娠初期なら風疹ぐらいとおっしゃっていて、この子宮頸がんワクチンは必要のないワクチンであると強調なさいました。

ワクチン接種は、免疫の仕組みが体の中で動くことで、この仕組みが動くと肝臓や腎臓に負担をかけてしまい、重症になると呼吸困難になることもあるとおっしゃいました。

あくまでもこれは佐藤医師の説明を聞いた小野寺氏が聞いて理解した範囲ですが、

    現代の日本のような環境ではワクチンの必要性は無いというお考えをお持ちでした。
もちろん全否定されているわけではなく、
    現代日本では必要なワクチンは、はしかと破傷風、妊娠初期なら風疹ぐらいとおっしゃっていて
百日咳も、日本脳炎も、ポリオも、ジフテリア、インフルエンザ、Hib、PCV7も必要性は認めていないスタンスであるようです。同じブログの2/6付2月最初の日曜日は、議員と共に臨んだ「子宮頸がん予防ワクチン接種」についての学習会も引用してみます。

佐藤荘太郎先生は、子宮頸がん予防ワクチンは不要論の立場ではいらっしゃいますが、初めにウィルス全般の説明をしてから、子宮頸がんを発症すると言われているヒトパピローマウィルスが本当に子宮頸がんに対して予防の効果があるかどうかは大いに疑問であるとおっしゃいました。

ここも興味深い主張で、

    子宮頸がんを発症すると言われているヒトパピローマウィルスが本当に子宮頸がんに対して予防の効果があるかどうかは大いに疑問
う〜ん、この辺は既に医学常識と考えていましたが、佐藤医師は必ずしもそういう見解で無いことも確認できます。二つのエントリーを読めばわかるのですが、ワクチンへの効果云々については、「菜の花広場」に集まった方々は「たぶん」佐藤医師以外の専門家の見解を聞く事は無かったと判断して良さそうです。従って「菜の花広場」の会員の皆様は佐藤医師の意見に賛同されているようです。

ただ効果云々のお話より、どちらかというと接種時の痛みの方が他の会員の賛同を集めている節がありそうです。この辺は私もたかだが20本程度しか接種していませんから大きな事は言えませんが、接種後の痛みはともかく、接種時の痛みは「どうだろう」ぐらいが今のところの実感です。これだけ反対意見を展開していますから、おそらく佐藤医師は御自分で接種された経験はなかろうと思う次第です。

もちろん「痛かった」の経験談はネットにたくさんありますから、HPVが痛く無いという気はありませんが、他のワクチン接種と較べてダントツに痛いかと言われれば「どうだろう」ぐらいに私は考えています。


まあ意見ですから、もっと極端なワクチン反対論者もおられますし、一部とは言え容認されているワクチンもあるわけですから、まだ柔軟性はある方だと思います。ただ、

    佐藤さんはワクチンの効果とその持続性を長年調べており、子宮頸がん予防ワクチンにも疑義の目を向けた
出来売れば長年の御研究を広く発表してくださればと思います。学会発表が無理ならネットで公開でも構いません。その上での医学的評価に耐えるものであるなら、私も傾聴してみたいところです。それにしてもたった一人の医師の見解で、
    ワクチンは未感染女子には効果があるとの認識が広がっているだけに、今後の動きが注目される。
こうやってまとめてしまう記者のセンスもタブロイド紙らしいところです。まあ、有名なワクチン反対論者の「有識者」の意見をかき集めてこなかっただけ、今回は冷静な「良記事」だと言う事でしょうか。それともどこかでワクチン禍のキャンペインを行うための伏線のつもりでしょうか。

そうそう、今日は申し訳ないと思いながら、HPVの基本的なデータを提示するのを控えています。正直なところ集めて提示するほどの価値もないと判断しましたので御了承下さい。