初診料120点 再診料5点

今日の情報ソースは天地神明に誓って曖昧で不確定で未確認です。ソースは昨日の774氏様のコメントで、

なお、未確認情報と断りを入れて、総合医の資格が無いと、「初診120点、再診5点(50点ではありません)」となるという情報も入手しました。

774氏様がどういうコメンターかはROMされている方ならよく御存知と思いますが、どうも特殊な情報網をお持ちのようで、時にかなりのアングラ情報を入手されます。また話が時に飛躍しますが、基本的に嘘偽りの上で話を構築するという事はありません。どこかでそんな話ないし噂、もしくは風聞があるんだと考えます。もちろん公式に表に出るような話ではないでしょうし、どこにも記録として残るものでないかもしれません。

もっとも774氏様自らがはっきりお書きのように「未確認情報」ですから全くのガセの可能性は十分あり、ネット上の誰かの与太話が回りまわって尾鰭がついたのを耳にした可能性も十分ありえます。ただし話としては妙に信憑性があって背筋がゾッとするものです。

平成20年度診療報酬改定については、国、厚生労働省財務省から観測気球も含めて様々な情報が出されています。現時点で出ている話をまとめてみると、

  1. 総合医育成方針
  2. 75歳以上の後期高齢者医療制度の導入
  3. 昼間の診察料を大幅削減し、時間外や休日診療の報酬加算up
  4. 財務省の医療費削減指示(1兆6000億円だったかな?)
  5. かかりつけ医による24時間365日在宅診療路線
書き出すともっとありそうですが、とりあえず思い出したのがこの辺です。774氏様情報が仮に正しいものであったとして、「初診料120点、再診料5点」がどの程度に適用されるものかというのが問題です。全診療科、全医療機関に一律に適用されたら医療費は削減されるかもしれませんが、医療が無くなります。まあ医療無きところに医療費は発生せず、医療無きところに医療過誤、医療訴訟は発生しませんから、考えようによってはかなりの医療問題が解消ではなくて消滅するでしょう。ただそこまではあまりにも話が無謀で、そんな事をすれば与党は衆議院選挙を戦えません。

やはり適用される範囲が限定されるものと考えるのが妥当です。どこに適用されるかといえばやはり後期高齢者医療制度が有力です。具体的な情報を読んではいませんが、この制度はイギリスのGP制度をモデルにしているところがあります。患者は診療機関に登録され、いかなる病気であってもまず登録された医療機関を受診し、その上で専門医の診断が必要とされれば、そこからの紹介で他の高度医療機関を受診するシステムです。

その登録を受付ける医療機関の医師に総合医の資格を求めているのであれば話の筋道は通ります。いかなる種類の病気でも受診するのですから、あらゆる診療科に精通した総合医が望ましいというわけです。総合医のみが後期高齢者医療に関与する事ができ、それ以外の医師が後期高齢者医療分野に手を出せば、「初診料120点、再診料5点」の制裁が待っているというわけです。総合医以外の参入は拒否しないが、参入すれば商売にならない状態を作るというわけです。

そうすれば医療界に拒否反応が強い総合医の資格を「食う」ために取得する医師が増加し、総合医制度の基盤固めにできる算段と読みます。研修医を含めた若手の医師も、将来をにらんで総合医の資格をキープしておこうというモチベーションにもつながる事が期待できますから、今年になって異様な勢いで推進されている総合医路線を確実なものにできます。そのうえこの政策には、医療費がかかりません。かからないどころか、総合医の資格審査、登録料をすべて医師から徴収して新たな機関が作れますし、総合医の資格を更新性にすれば巨大な利権と天下り先が確保できます。

ここで「じゃ、総合医の資格を取れば良いじゃん」になりますが、後期高齢者医療制度に求められる条件はかなり厳しいものです。総合医の資格を審査料と登録料を払って取得すれば、初診料、再診料は削られませんし、とくに初期は優遇される点数配分があるかもしれません。しかし求められる仕事は24時間365日の在宅医療が課せられます。在宅医療を行なうものは携帯電話を抱えていつでも相談、いつでも往診に行ける体制を求めるとなっています。また後期高齢者医療に医療に従事しない総合医も「なんでもできる」の国家資格にもなりますから、現在の医療情勢でどんな危険な便利使いをされそうかは各所で論議されています。

そうそう読まれた方には「初診料120点、再診料5点」の意味がわからない方もおられるかと思いますので、この部分を説明しておきます。1点とは10円の事を意味し、金額にすると「初診料1200円、再診料50円」になります。ちなみに現在の診療所の診察料は「初診料270点、再診料71点」です。